ショートショート『ダックスダックスフンド』
西暦2220年、日本では飼い犬として「ダックスダックスフンド」が流行していた。中流家庭を中心に人気を集めるその小型犬は、面長の顔に大きな垂れ耳とクリクリとした瞳を備え、胴が長く、そして、手足がなかった。
昔は足があったらしい。昔は、胴から胴と同じくらいの長さの手足が生え、他の四足獣よろしく地面を駆け回り、自力で獲物を獲っていたらしい。狩猟用に利用された時代もあった。しかし、ダックスダックスフンドの手足は時代を追うごとに段々と短くなっていった。時代の真ん中あたりでは手足の短