降り注ぐ光の粒を見上げる

晴れ雨。
日の光があたってキラキラと輝き、空高くから無数に降りそそぐ。

降り注ぐとは、まさにこういう光景なのだと思った。


日曜は畑の日。

ぽつぽつと大きな合間で雨が降り始めたけど
日差しが元気で、手を休めるほどでもないので畑仕事を続ける。

そのうちに わーっと降り出して、
ふと空を見上げたら...輝いて降り注ぐ雨粒があまりに綺麗で見惚れた。

しばらくして雨足しが強くなり、少し離れた倉庫の軒下へ行くことに。

脚が悪い父のために、折り畳みのイスを抱えて、父の歩幅に合わせてゆっくりと軒下まで。
雨と畑を眺めながら、夕立の雨が止むのを待つ。

父と雨宿り。

ぽつりぽつりと 父と話す。

特別な話は何もない。

少しの思い出話しと、隣の畑の話しと、秋になったら何を植えたいか。

そんな何気ない会話をしながら雨が止むのを待つ時間は心地よかった。

今までに父と雨宿りしたことがあったかもしれないけれど、記憶にない。

きっと今日の雨宿りが私の思い出になるのだと思う。

風が涼しくなり、やがて小雨になって、日が差し始めた。
遠くに見える雨柱を二人で仰ぎ見て、「あれが来たら逃げれんな」と笑いながら畑に戻り、
また作業をはじめた。

汗まみれになり実家に戻る。
汗を流したあと、母が作ってくれている夕飯を頂く。

おつかれさまの乾杯はノンアルコールビール。
(父が脳梗塞で倒れてからは飲まなくなったので)

何気ない日。
特別なにかをするでもない日。

それをこうやって当たり前に過ごせることは、きっと有難いことで。
これを、良い日だったと胸をはって言っていいのに。

何を恰好つけてるんだろう。
何と比べて「これぐらい」としてしまうのだろう。
そんなことをしている自分はみっともなさが極まりない。

誰かから見れば、つまらない一日かもしれなくても、関係ない。
わたしが良いのだから。

yumiko yuri

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