初任時代の映像を振り返る①
初任時代の映像を振り返り、その学びをここに綴っていく。
シリーズ化するつもりだがいくつになるかわからない。
が、読者の皆さんのお役に立てれば幸いだ。
今日はその第1回目。
テーマは「巻き込む」である。
以下の3つから述べてゆく。
1.開始1秒の言葉
授業3秒の私の喋りをそのまま綴る。
「じゃあね。今日やること。今日は折り紙使います。」(算数)
「はい、画面見ます。農家の人の…(ここから聞き取れなかった)」(社会)
「ボールです。これ…(2秒)なんと言う。」(算数)
「今から、3枚の写真があります。ある※3@…なんでしょう?」(道徳)
非常に恥じ入る思いだ。
前提として、教室が騒然としているのが痛いがこれはまた別の機会に記事に載せる予定だ。
さて、4つの私の言葉を見て、読者の皆さんは何をお思いになったか。
言葉だけでは伝わらないが全てに共通しているのが、「児童全員の注目がなく、開始している問題」である。
すなわち、巻き込めていないのだ。
これだけで授業のリズムが崩れ、児童はのんべんだらりと授業に身を挺するようになってしまう。
では、どのようにすれば子どもたちを引き入れられるのか。
2.最も大切な巻き込みとは
授業で子どもたちを巻き込むためには、どうしたら良いのだろう。
少し考えていただきたい。
「写真」「教材」「パワーポイント」「奇を衒う教師の動き」…
いろいろ考えられる。
注目を集めるという意味では、ICTを活用した導入はアナログな教具よりも圧倒的に子どもたちを惹きつけるのは周知の事実である。
しかし、私はダメだった。
いくら夜寝る間も惜しんで作成したスライドを授業で提示しても全く効果がなかったのだ。
勝手にお喋りをする子どもたち。
それを叱る私。
当時はどうしようもなかった。
しかし、本を読み、サークルで学ぶ中で、最も重要な巻き込む上での条件が分かった。
それは現場での実践を通して、でもだ。
その条件とは、
声と気概である。
声に圧を乗せる。恐怖の圧力ではない。覚悟と名のついた圧だ。
どんなに騒然としていても、欲求があっても、それを忘れさせるぐらいこちらの声で巻き込む。
毎日の上記の積み重ねを通して、初めて子どもたちが少しずつこちらに顔が向くようになった。
1年かけてようやくであった。
3.今だったらこうする
教師3年目。
今であったら私は下記のようにして子どもたちを巻き込んでいくだろう。
例:「じゃあね。今日やること。今日は折り紙使います。」
①言葉を削る。
「じゃあね」「今日やること」「今日は」「使います」
10分の1に削る。
②発問→活動から入る。
「折り紙です。形は?さんはいっ。」
説明から入ると子どもたちは聞かない。動かない。
発問→活動という流れを作り授業の波に乗せていく。
③目線を全体に送りながら、話す。
一定の子しか見ていない自分がいた。
見られている。見ているぞ。そんなオーラを声以外でも出す。
0.5秒、留めるのだ。
④空白を作らず、褒めながら巻き込んでいく。
「しかくの4番指でおさえます。」
(5秒の間)
「おさえましたか?」
もうここで教室は騒がしくなっている。
今であれば、こうする。
「しかくの4番指でおさえます。」
「押さえた人!」
「〇〇さん1番!」
「もう押さえたよって人は手をあげます!」
「押さえてない人は隣と確認します。」
このように笑顔で作業指示を入れながら、確認の問い→作業指示→褒めるのサイクルを先導していくのだ。
子どもたちは参加せざるを得ない。
私は本や模擬授業等を通して、これらの技術を身につけた。
しかし、使えるかといったらまだまだである。
技能が追いついていないからだ。
これは意識的に実践を集積していくしか道はない。
だから記録をし、毎時間の授業を振り返る必要があるのだ。
皆さんは授業で子どもたちを巻き込めているだろうか。
一度自分の授業を映像、あるいは録音をして開始1秒の瞬間を切り取ってみてはいかがだろう。
その答えは子どもたちが教えてくれる。
つづく…。
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