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マティスの絵は暖かい

私の部屋の唯一のオブジェはマティスのブルーヌードⅣです。もちろんプリントです。オリジナルはニースのマティス美術館が所有し、オルセー美術館に寄託されています。

2024年春、国立新美術館で開催されたマティス展では、そのブルーヌードのオリジナルが展示されました。

展覧会最終日の午後に訪れた会場は、広々としてそれほど混雑を感じさせません。自画像、jazz、ポリネシア海、そしてブルーヌード。本物は色合い、立体感ともに格別でした。壁画のような壮大な切り絵、花と果実。青の中に咲く色とりどりの暖色の花が心を穏やかにそして幸せにしてくれます。

展示の最後はヴァンスのロザリオ礼拝堂が実寸大で再現された空間です。朝から夜へと移り変わる光の中で、ステンドグラスが映す幻想的な色が床に投影され、壁を伝い、やがて闇が訪れます。描かれた壁画はマティスの線の集大成。

フォルム、色、線、そして光。簡素で深く暖かいその作品の数々を眺めながら、私は癒され励まされていきました。



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