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1月3日 雑煮は3日目もうまい

餃子に勝る完全食、季節が変わるたび、雑煮を食べるべきは今だ!と思う。

Aマッソ加納『イルカも泳ぐわい』
各エッセイ終わりに、ちくまwebで公開された日付が載っているのだけど、平気で2018年5月とか出てきて、2年、いやほぼ3年前!?と声に出して驚く。
Aマッソのネタに出てきそうなシチュエーション、パワーワードが出てくる回もあれば、加納の目にうつる世界から絵本の世界が立ち上がるような、こそばゆい想像力が展開していく瞬間が収められた回もあって、次から次へとページが進む。布団の中、洗面所、換気扇の下、ベランダ、立って座って、部屋をうろうろしながら読む。

ゲラニチョビもこの連載も初回から毎回の更新を楽しみにしていたけど、ラジオなんかと比べて、更新を待ってきた実時間の積み重ねににハッとする回数は断然多い。
リアルタイムで記事を読んだされたときの記憶が蘇ることはないけど、好きな場面やフレーズがある回は、一行目を読んだだけでも思い出す。
クロークに計7本の伸ばし棒が預けられるところ(「七瀬」)、「お腹が減っている。売れていないという意味である」(「イルカも泳ぐわい」)、「ギャルの移動手段は歩行ではなくポップスなのである」(「お前は穴や、」)
連載以外にも『小説新潮』で読んだ「探しものはなんですか」も収録されていて嬉しい。

加納のエッセイには友達や友情にまつわるエピソードが多い。友達と接する際のチューニング設定に意地をはったり、無意識に野暮な応対をしていた習慣を恥じたり(「今日は機嫌が良くない一日やったわ」「雑談もせずに、」)
加納から「孤」を感じることも、めっちゃこだわる人って感じもしない。周りにいる人との関係を大事にするうえで、変なことを感じたら変なことにもなるさそりゃあ、って感じ。Aマッソは二人とも明るくて変だから大好き。

昨年末にラジオ『Aマッソの両A面』で、なかよしビクトリーズ(オレンジサンセット)の解散について話す加納の言葉が、この、友情について俺こんな考えたことあるっけと思わさて、「共通言語」の話もよく分かって、最高なんだけどめちゃくちゃ悶々とした。

よく、のぺっとした意見で言うと、なんか本音を言い合うことが、本当の友達だ、みたいなことを言いますよ。でも、それってなんていうんですか、選択前の話やん。
どう思うって聞かれた状態で、いや私は良くないと思うよとか、よかったよ、それはいいと思うよ、で、そこは絶対、いや私はそうは思わんけどなって言ってあげることが友情やとは思う。
それはもちろんそうやと思う、言ってあげることがね、聞かれてたら。
でも聞かれてないし、もうアフター(解散報告事後)なんですよ。
その、人生は続くんですよ、続いてそいつがもうその選択をしたんですよ。
で、そこで、友情というのはどういうふうにカットインしたらいいですか?笑

『千鳥のクセがすごいネタGP』
ネタをモニタリングする千鳥がコメントすることによって、他の番組だとNGを出されるようなネタを「クセがすごい」モノとして視聴者の納得を促して放送できる最高番組だけど、千鳥の横でコメントするゲストのスタンスや感度によって、楽しめる度合いが週ごとに変化するデメリットもある。新春特番でゲストが多い今回はかなり顕著だった。(小島瑠璃子回以来)
関ジャニ∞とみちょぱ、腕に覚えのあるゲストほど、この番組では致命傷になる説明過多コメントを言ってしまう。
霜降り明星のときがまさにそれで、せいやが言葉を発さず一つのボケを延々続けて、粗品がツッコミを溜めているときに、現状の笑いどころである「長い」を説明してしまう。村上の「この後何言うねん」も、この番組では不要なフリ。ダァーーーー!邪魔!!と叫ぶ正月。
レインボー、エハラマサヒロ、パーパー星野&ジャンポケ齋藤とか、連続性を楽しむ存在もいる以上、ゲストよりクオリティを取る勇気を持って欲しい。

『金スマ』人力舎スペシャル
アンタッチャブルの後ろにずっと真空・ガクが見切れていておかしい。漫才を即興でふられたアンタッチャブルが、完璧におぎやはぎの「ハモリ」ネタを説明無しに完全再現していたのがにくくてすごくて可笑しかった。

去年毎週聞いていたラジオクラウドで聴ける番組を今年も聴き始める。
『空気階段の踊り場』池田のキモは、キモいではないし、そもそもみんな心に池田がいるよね。が、エレパレと全く同じだった。賞レース優勝を志す「お笑い大好き芸人」が拡大し続けるいま、それぞれのスタンスに寛容になっていくのは自然なことだと思う。だからこそ、太田さんや真空・川北のラジオを聴き続けたいと思うし、『マヂカルラブリーno寄席』みたいな配信を見続けたい。
『ラジ父』で出てきた「お笑い大喜利」というパワーワードがめちゃくちゃ気になったので、新たなビギナーとして見に行きたい。いつか笑点の大喜利にバカリズムでるんですよね?という発想は初めて聞いて、ダイヤモンドもやっぱ好きなタイプだーと思う。嬉しい。

二週間の自宅待機、一週間の巣篭もりを送ったメンツで少し飲む。酔った勢いで後輩同期先輩に明けましておめでとうの電話をかけた。"あけおめ"の鉾と"ことよろ"の盾を持ってすれば勢いで電話をかけられるもんだな、こんなんいろんな人がやってんだろうな、と思った。
後輩が開口一番「ES見てください」と言ってきて、こいつ正月から頭働かせてるなあ、いや、新年自堕落は会社員の結果であって、大学生的には自分事に向き合うきっかけとしての1ゾロ目記念日なのかもしれん可愛いやっちゃなあと思う。隣で飲んでるのがそいつの同期なのも面白いし。就活、土俵のぐらついたユーフォーキャッチャー、説明書よく読んで100円玉入れ続けることが大事だという経験談しかない。

公園で袋麺を炊いて、酔っ払って帰る。
都心はコンロ使える場所が少ないようで意外と公園が多い。おそらく高級住宅地育ちの同期が興奮していたのがなんか印象に残る。鍋とコンロと水さえあればラーメンが食べられるという防災的な気づきを一人暮らしの"いざ"に埋め込めたっぽい。後輩が別の後輩をめちゃ信頼している感じが、現役っぽくてそれも良かった。

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