冬のつもりが、いつの間にか。
白い雪が降りてくる空は、取り残された薄紫色に覆われている。まだまだ冬が、冬ですよと主張してくる。
こんな時期に豆をぶつけられる鬼の気持ちを察すると、居たたまれない。
だから、あんなに血色の悪い真っ青だったり、霜焼けで痒そうな全身真っ赤なんだろうか。素足で上着も着ないで家の外に追い出すなんて、誰が考えたのか。急に現れた、恵方巻という謎の文化が随分と平和的に思える。
子供の頃は、節分にはピーナツとチョコを実家に撒いていた。でも、鬼のお面は自分で被りたかったから、お面を着けたまま