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ポエム・エッセイ

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ポエムのまとめです。わたしの頭の中は、こんな感じです。
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#新潟

空模様

空が包んでいるのか、空と一緒に浮かんでいるのか分からないけど、勝手に僕らはその中にいる。 そして、好きなうたを歌って、美味しいものを食べて、誰かを好きになった。 その日の空はとびきり良くて、自分とセットで一日が造られる気さえするんだ。 でも空はいつでも、誰かにとってはとびきり良くて、もっとも悪くて。 勝手に僕らはその中にいる。 雲が動いて、僕らが動いて。 誰かの空を、今は見てる。

あっちに行こうか

 朝から、新しい鞄で出かける週末のことを考えている。  久々に新調した普段使いのカバン。GWの予定もなかなか決まらないけど、とりあえず直近の休日を楽しむことに注力したい。配達予定日のお知らせが昨日届き、アイテムを手に入れたぞという実感に浸っている今は、RPGゲームの宝箱から装備アイテムが出たときのような気持ちだ。  今日は休日出勤になってしまい一日楽しみが減ったが、車の助手席にその新しい鞄を乗せて出かけるだけでも、少し高揚感があるはずだ。    新しい鞄に、新しいノートと読み

冬のつもりが、いつの間にか。

白い雪が降りてくる空は、取り残された薄紫色に覆われている。まだまだ冬が、冬ですよと主張してくる。 こんな時期に豆をぶつけられる鬼の気持ちを察すると、居たたまれない。 だから、あんなに血色の悪い真っ青だったり、霜焼けで痒そうな全身真っ赤なんだろうか。素足で上着も着ないで家の外に追い出すなんて、誰が考えたのか。急に現れた、恵方巻という謎の文化が随分と平和的に思える。 子供の頃は、節分にはピーナツとチョコを実家に撒いていた。でも、鬼のお面は自分で被りたかったから、お面を着けたまま

黒夢が聞きたい日。

今週は少し長く感じた一週間だった。 週末は好きなことをして過ごしたい。やることやって出かけようと思うけど、天気はどうだろうか。 こんな風に週末の過ごし方を遠慮がちに考えて、その中から負担の少ない楽しみ方をするなんて年寄りになった気がして、なんだかな。 後先考えない、なんて事すら考える前に歩き出していたのに。 ポケットに、財布と煙草と100ライター。あとは好きな音楽の中から気分にピッタリくる曲を探すのだけに頭を使って、それから景色の流れる車窓から目的地のイメージをして。 行き

祭事

祭りを意識しだす時期があるというのは、田舎特有の季節感なのだろうか。 各町内で飾りを乗せたおしゃぎりを引いてまわる。「おしゃぎり」とは、他の地域で言う「山車」のこと。 直径約2mの車輪がふたつ。その間に子供が20人座れる板場。その上に町ごとの屋根付き飾り台。それを大人(中学三年生以上)が十数人で引いて歩く。 早朝四時には神主さんにお祓いしてもらい六時にはスタートするから、当然、小中学校は休みだし小学一年生も六時前には起床して着物を着て集合しなければならない。 そのまま、休

あっち、こっち。

新潟は突然の大雨が降った。 夜の2時くらいかな。寝ぼけていて定かではないが、雷の音と屋根を叩く雨。それから短い停電があったようで、止まったエアコンで起きる。 今年は梅雨がスパッと終わった印象だったから、雨がふることに時期外れだなと勝手な感想をぶつける。 新潟の梅雨は、特にここ数年はダラダラと長く、明けたといわれてもジメジメが続くイメージだった。それが、今年はスパッと、本当に刀でぶった切ったように湿気が抜けた日が続くもんだから、雨への警戒心ゼロの強い日差しと熱中症だけ気にして

開けた。

珍しく空が乾いていて、喜ばしい。 日陰という場所が、一年で1番輝く時期が来た。 早朝の涼しさに思い出すのは、遠くなったいつの日かの昼寝。 蝉の声を背に受けて水遊びをし、茹でたトウモロコシを噛じる。あとは扇風機の側で、お腹にタオルケットをかけて昼寝する。 まだまだ、蝉の声は聞こえてる。 空の喉が渇いている。 失った水分は戻らないのか? でも、まだ雨は降らなくていい。 どうせ新潟には、雪が降る。 いずれは。