事業計画書の正しい使い方
おはようございます。現役信用金庫マン 兼 中小企業診断士事務所代表の山西です。当noteでは、経営力強化につながる情報を経営者や支援機関に向けて発信しています。
経営者の皆さん、作成した事業計画書を日々活用されているでしょうか?
苦労して作ってみたものの、実際の経営に活用するのが難しいのがこの事業計画書。引き出しの中に眠らせてしまってはもったいないですよね。
そこで今回は、作成した事業計画書を活用し、成果を上げる方法をお話しします。
Ⅰ.事業計画の機能(事業計画の5C)
事業計画書には5つの機能があります。裏を返せば、事業計画書の5つの機能を発揮できる使い方が正しい使い方と言えます。おさらいのために事業計画の5つの機能を簡単に紹介します。
5つの機能の詳細は、以前の記事をご確認ください。
Ⅱ.事業計画書の正しい使い方
事業計画の5機能を発揮できる使い方をする必要があります。そのための使い方を3つご紹介いたします。
使い方①:毎朝、サマリーを確認する
毎朝、事業計画書のサマリーを確認します。これは、事業計画の5Cの「羅針盤」「力の結集」「意識付け」機能を発揮するためです。
サマリーの全ての項目に目を通す必要がありますが、特に経営理念とアクションプランの項目に注目します。前者は自社がどこを目指しているのかを忘れないため、後者は今日すべきことに意識を集中させるためです。
この確認を毎日行うことで、常に一貫したブレない経営が可能となります。
使い方②:チームで共有する
事業計画はチームで共有するのが効果的です。これは事業計画の5Cのうちの「共通言語」機能を発揮するために行います。
従業員との会話(雑談以外)や指示は常に事業計画に基づいて行うことで、企業や経営者の価値観を共有できるようになり、話の文脈を揃えたまま、ズレのない話をすることができるようになります。
チームでの共有は、企業内だけに留まる必要はありません。同じサプライチェーンを構成する社外企業等もチームと捉えて共有するとなお良いでしょう。
同じように価値観を共有できるため、経営者の想いに対して協力体制を積極的に築きやすくなります。
使い方③:1日の終わりに予実管理・差異分析を行う。
事業計画をもとに予実管理や差異分析をするのが効果的です。チェックシート機能を発揮できるからです。特に毎日1日の振り返りとして計画を見返すのが良いでしょう。
予実管理とは、予算と実績を比べることです。
予算と実績を比べることで現状の進捗を把握するとともに、どれくらい足りないのか(あるいは余裕があるのか)を確認することにより、今後の方針に活かすことができます。
また差異分析とは、予算と実績の差を明確にし、その原因を見つける分析手法のことで、予実管理の1つの手法です。
事業計画書を用いた具体的な予実管理や差異分析の方法としては、売上高と利益について2軸で評価する方法がオススメです。
売上高=平均商品単価×販売数量
売上高は上記式で表せるため、横軸に平均商品単価、縦軸に販売数量を取ります。このマトリクス上に予算と実績を画きます。これで進捗が分かるため、さらにその原因を追求していきます。
例えば、平均商品単価の進捗が悪ければ、商品単価別に販売数量を出していき、どの価格帯が売れているのか分析します。また、販売数量が予想よりも少ないのであれば、販売数量を平均購買点数×客数に分解し、マトリクスで分析します。
利益については主に売上総利益と営業利益を分析する必要があります。これらの利益も分解して2軸で考えることができます。
売上総利益=売上高×売上総利益率
営業利益=売上総利益×安全余裕率
詳細な説明は省きますが、いずれにしても追うべき指標(≒KGI)の実績を分解して、予算(計画)と比較し、達成・未達の要因を追求していきます。
これをひたすら毎日繰り返すことで、常に目標にコミットし、成果をあげられるようになります。
まとめ
次回予告
次回は今年最後の投稿ということで、「ビジネスに多大な影響を与えた2023年に起こった出来事3選」を投稿します。12月30日(土)投稿予定ですので、ぜひご覧下さい。
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