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短めのやつ

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#シロクマ文芸部

『鈍情』【20字小説】

尖りを利鞘に納め、ぬるま湯で腐り乱した。 小牧幸助さんの行われている素敵な企画、『小牧幸助文学賞』に参加させて頂きました。 「純情」じゃないです「鈍情」です。「ドンジョウ」でも「なまくらなさけ」でも読めるしどちらもとても語呂が良い感じです。本来はもっとシンプルな内容だったのですが、言葉遊びが楽しくなってきちゃってどんどん難解になっていきました。兎にも角にも「利鞘」に全てが懸かっています。

『戦力外通告』【20字小説】

「奥の部屋で遊んどいてください」 …えっ? 小牧幸助さんの行われている素敵な企画、『小牧幸助文学賞』に参加させて頂きました。 実話と言えば実話なのですが、実体験ではなく外出中に偶然聞こえてきた会話で面白かったランキング2位に入ったものを20字に収めるために軽くアレンジしてみました。唐突にギャグ漫画とかを描き始めない限り使い所が無さすぎてメモ帳でこのまま息を引き取るかと思われたものだったので、蘇生させる機会を頂けて感謝です。

『あの方舟の』【20字小説】

番に成れなかった方舟の乗客がいるはずで。 小牧幸助さんの行われている素敵な企画、『小牧幸助文学賞』に参加させて頂きました。 あの本のあの一節の内容です。小説の本文中にあの本から引用とかできたら格好良いからいずれ読破したいなーとは思いつつも中々勇気が出ません。なんせぶっといんであの本。

【短編小説】『毒と薬』 #シロクマ文芸部【逃げる夢】

 逃げる夢を見なくなってしまった。  ずっと昔、おそらく生まれた時からそうだったのだろう。  実家が燃えてしまったあの日も、通っていた大学に殺人鬼が侵入したあの日も、いつも通っているあの帰り道にダンプカーが突っ込んで何人もの死傷者が出たあの日も僕は前日に夢でその光景を見ていたのだ。  ただそれは予知夢とはまた少し違うような気もしていて、どちらかというと「本当に単位を落としたらヤバいテストの数日前に留年してしまった夢を見る」ような、自らの生命の危機を感じた右脳が直感で危険

『なんとなく、わかっていたけど認めたくはなかったんだ』【20字小説】

心が汚い人ほど綺麗な物語を作るってこと。 小牧幸助さんの行われている素敵な企画、『小牧幸助文学賞』に参加させて頂きました。 構成で遊びたい派なので色々パターンを考えましたがどうせ出尽くしてるんだろうなーということで潔く切れ味1本で勝負です(の割にタイトル長いですが)。30字あればもうちょい色々遊べた気がします。ということは俳句とかあんまり向いてないんだろうなぁ…。