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短めのやつ

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#お笑い

コント台本 『オタク』

A「や、やめてよ…」 B「何だよ、ちゃんと喋れよキモオタがよ!」 A「その…やめ…」 B「テメーが空気読めねえからこうして俺が教育してやってんだ。ありがたく思えねーのか?」 A「その、ごめんよ…。だからボールを返して…」 B「…何だよ、こんなダサいボールがそんなに大事か? そういやお前、元野球部だったっけか」 A「そうなんだ…、甲子園にも出場したことあるんだ。へへっ」 B「知らねーよそんな大会。気持ち悪い笑い方しやがって」 A「ごめん…」 B「…ったく。ホラ

コント台本 『脱獄』

こちらのコント台本を基にして書いた短編小説 ↓ A「ハァ…、ハァ…」 (ツルハシを振り、一心不乱に穴を掘り続けているA) A「ハァ…、ハァ…」 (やがて暗闇から一筋の光が漏れ、パラパラと周りの小石が崩れていく) A「ハァハァ…。やった! 脱出成功だ!」 (両手を空に突き上げて、『ショーシャンクの空に』バリの喜び方を表現するA) B「ーー待ちな。お前さん、一体どこへ向かうつもりだ?」 A「!? アンタは、一体…」 B「慌てるな、俺も収監者だ。こうやって脱獄をす

漫才台本 『秘宝Ⅱ』

※この内容は漫才台本 『秘宝』の続編となりますが、連続性は薄いためこちらからでも読むことが可能です。 A「私ね、オークション会場で自分が持っている秘宝を売りつけて荒稼ぎをしたいんだよね」 B「…何? またやるの? あのAが要らなくなったオタクグッズを売り捌くためだけに開く即売会をさ」 A「しょうがないじゃん。私のオタ活は推しが引退するまで永遠に続くんだからそれに伴って不要なグッズは溜まる一方なんだよ!」 B「それはAが気軽に推し変したりするからでしょ? 1人の推しをず

コント台本 『ラジオブース』

※この内容は元々、コントの台本として書こうと思っていた設定をあまりにも自分で気に入りすぎて「これは是非小説として長尺で書きたい」と思ったところ、書いている内に思い付いた別の展開や、本来コント台本として使おうと思っていた設定も用いていわゆる「別ルート」的な感じでコント台本としても作成してみたものです。  どちらも自分が面白いと思ったものを投稿させて頂いてますが、設定が命すぎる内容ではあるので小説版→コント台本版の順番で読むことをおすすめしています。短編小説とはいえ小説なんて読ん

漫才台本 『搾取さん』

A「私ね、搾取する側の人間になりたいんだよね」 B「おぉー、随分と思い切った発言だねぇ。そりゃみんなできることなら搾取される側より搾取する側になりたいだろうけどさ、それにしてはとりわけ嫌な表現を選んじゃってない?」 A「まあもう、別に良いでしょ。変に取り繕わなくても。人間誰だって中の上くらいの立ち位置で責任も負わずに適度に他人を見下していたいんだよ。だから私はその中でも無駄に敵を作らないタイプの搾取する側の人間になるためにできるだけ嫌味をなくす練習をしたいから、Bは搾取さ

漫才台本 『「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいな話を作りたい!』

A「私ね、『風が吹けば桶屋が儲かる』みたいな話を作りたいんだよね」 B「えー、っと『風が吹けば桶屋が儲かる』って確かアレだよね。 ①風が激しく吹いたことによって砂ぼこりが多く飛んで目を悪くする人が増える。 ②目が悪くなった人が増えたことによって耳で楽しむ娯楽である三味線が流行する。 ③三味線が流行したことによって三味線の材料となる猫の皮がたくさん必要になる。 ④猫の皮がたくさん必要になったことでそれによって多くの猫が狩られるようになる。 ⑤多くの猫が狩られたことに

コント台本 『入部』

A「お願いします! 入部させてください!」 B「…駄目だ」 A「本気なんです! 僕をこのラグビー部に入部させてください!」 B「…駄目だ」 A「どうしてですか! 僕が細くてひ弱だからですか!? …分かってます。僕は小・中・高といじめられっ子で、きっと皆さんの足を引っ張ってしまう…。でも僕、変わりたいんです‼︎」 B「…駄目だ。お前を我がラグビー部に入部させるわけにはいかない」 A「お願いします! 入部試験だけでも受けさせてください! このラグビー部が毎年全国大会の

漫才台本 『秋元系アイドルをトーナメント形式で戦わせてみた』

A「私ね、『秋元系アイドル最強決定トーナメント』を開催したいんだよね」 B「秋元系アイドルって確か作詞家の秋元康さんがプロデュースしたアイドルをひとまとめにした言葉だよね。それならわざわざ身内同士で戦わせる必要はないんじゃないの? …っていうか何でいきなり戦わせたくなっちゃったの? そもそもアイドルが戦うって何?」 A「Bも薄々気付いていると思うんだけど、ちょっと多過ぎるんだよね。人数もグループも。このコンテンツ過多の時代にCDが100枚も200枚も出られちゃってるとぶっ

漫才台本 『秘宝』

A「私ね、オークション会場で自分が持っている秘宝を売りつけて荒稼ぎをしたいんだよね」 B「Aって副業でトレジャーハンターでもやってたんだっけ? 秘宝って簡単には手に入らないから秘宝って呼ばれてると思うんだけど」 A「分かってないなあ。秘宝っていってもオークションで高値で取り引きされているものは絵画や美術品がほとんどだったりするんだよ?」 B「それにしたってAがその高値で取り引きされている絵画や美術品を持っている理由にはならないと思うんだけどなぁ」 A「オークションが始

漫才台本 『ネタバレ』

A「私ね、ネタバレが嫌いなんだよね」 B「そうだねー、ネタバレは重罪だっていわれているくらいだし私もいきなり知り合いに見てたドラマのオチを言われてイラっとしたことあるから分かるなぁ。これからそのオチを知ったまま最後まで見ることになる私の気持ちも考えてよ!っていう」 A「それはもう完全に有罪だね。……けどそういうヤツとは距離を置けばいいだけだからまだマシで、世の中には匿名でネタバレをしてくるような愉快犯がウジャウジャいるんだから!」 B「愉快犯だなんて大げさだなぁ。世の中

コント台本 『戦隊』

『速報です! たった今ヒーロー戦隊「ドラゴンジャー」の面々が暗黒帝国軍のアジトへと突入した模様です! ……それでは続報が入るまで再び「ドラゴンジャー」のこれまでの歴史をまとめたVTRを――』 (明転。ソファに座って無言でテレビの電源を消すドラゴンジャーブラック。そこにドラゴンジャーイエローがバイト感覚で入室して来る) A「おっはようございまーす! いやー、さっきまでこの辺りを張っていた報道陣に囲まれて参っちゃいましたよー。この前アジトを移転したばっかなのにもうバレてるって