暴いておやりよトルクャーナ プロット
暴いておやりよトルクャーナ プロット
登場人物 トルクャーナ1000回睡眠
天界にいる大天使「Archangel:VanillaCream」は、地上界の人々がストレスに病み、不眠に悩んでいることを憂いていた。
そこで1人の天使を地上に遣わし、彼女にストレスを打破する魔法の薬を与えた。
地上に使わされた天使、「トルクャーナ1000回睡眠」は、疲れ切っている地上の人々のため息の声を聞く。
その中の1人、道を歩いていたとても疲れている男に、大天使から与えられた魔法の薬を差し出して、彼の生活を知りたいから家に入らせてほしいと言った。
彼の家は一人暮らしで、ゴミが散らかり、陰惨な暮らしをしていた。
彼の暮らしをよくしようと、ゴミを片付けたり料理を手伝おうとするが、いきなり地上に降りてきた天使の彼女は世の中の勝手が分からず、失敗ばかり踏んでしまう。
それでも、いきなり家に来てなんか生活を良くしていこうと頑張る彼女の姿をみて、彼はなんかホッとした元気をもらった。
彼女からもらった魔法の薬を飲み、寝ようとすると、彼女が「夜は寂しいので添い寝をしてほしい」という。
なんかいきなり来た上になんだかよく分からない失敗をしながら添い寝をせがんでくる得体の知れない女の存在に男はびびってしまうが、しょうがないので添い寝をすることにする。
なんかあんまりやらしいことをしようという気にはならなかった。
そのまま2人で寝て、目が覚めると、男はこれまでの人生にないくらいの気持ちの良い目覚めを体験した。
これまでの全ての人生のしがらみや苦しみから解き放たれたような、さわやかなリラックスした気持ちだった。
彼は心を入れ替えて、自分の人生を、自分の暮らしをもっと良くしていくために生きていこうという前向きな気持ちが芽生えた。
彼女とはその一夜を最後に別れた。彼女はもっと世の中のことを勉強するためにいろんな人に出会ってみたいという。
-------
そんなこんなで何人かの人々と暮らしを共にしたり、魔法の薬を与えたりしていたトルクャーナは、やがて彼女の存在が巷で有名になり、その地域の人々から愛される存在になっていた。
そんな中、彼女のいる国、「令和の国」という王国の騎士団長や女王の耳に、トルクャーナという人物の噂が入る。
トルクャーナの存在を知った令和の国の女王は、彼女を王国の宮廷に招き入れる。
聞くと、彼女が天界から送り込まれた天使で、世の中の人々のストレスの苦しみから解放する為に活動をしているということが分かった。
しかし、彼女が1人でやっているそれらの慈善活動は、悪しき人々のもとに届くと危険で、彼女自身の不幸に繋がると令和の王国の幹部たちは考えた。
そこで、トルクャーナを宮廷お抱えの活動家にし、彼女の行動を王国の管理下に置くことにした。
------
王国は、彼女の活動をより多くの人々の幸福に繋げられるよう、様々なシステムを築いた。
彼女の持つ魔法の薬を量産できる体制を組み立て、彼女の声が聞きたい人へのASMR音源の配信や、彼女と直接交流ができる握手会、ライブイベント、色々な催しをプロデュースした。
ちょっと間の抜けていておっちょこちょいな彼女の人柄は人々の心を掴み、大人気アイドルの様相を成していた。
彼女の持ってきた魔法の薬は飛ぶように売れ、人々が彼女の薬を求めるようになった。
そんなことがあって、人々の欲望は彼女に一斉に向けられるようになってしまった。
売り切れ続出の魔法の薬には転売屋が横行し、非正規の手段で生み出された闇の薬が出回った。
彼女に会いたいが為にストーカーや張り込みをする者が現れ、悲しいことに王国の人々が恐れていた彼女に晒される悪意を、彼らが呼び込んでしまうことになった。
-----
彼女に託された使命、人々をストレスから解放し救済するその大義は、1人の少女(天使)に与えるにはあまりにも大きすぎ、また人々の心の闇は天使たちが思う以上に重く、深いものだった。
そのことを最も後悔したのは彼女を地上に送り込んだ大天使だった。
大天使バニラクリームは、令和の国の女王と交信を図り、トルクャーナを天界に連れ戻すことを伝えた。
しかし、トルクャーナはそれを拒否した。
どれだけ自分が傷ついても、病める地上の人々を苦難から救済することが私の生きがいであり使命だと言った。
令和の国は、トルクャーナによって、混迷と混乱の時代に突入していった。
取っ替えがつかなくなってきて、彼女に危険が及ぶことを恐れた令和の国の女王は、とうとう、トルクャーナを国外追放することを決めた。
トルクャーナの国外追放は、記者会見で令和の国全域に女王の口から発令された。
トルクャーナの最後のお別れを惜しむ為に、国中の人々が彼女を送る港に集まった。
「私たちの業は、あなた1人が背負うにはあまりにも重すぎた」
令和の国の騎士団長の言葉にも、トルクャーナは微笑みながら、
「私はあなた達からたくさんの勇気と希望と喜びを受け取った。どうか、私のしてきたことを忘れないで、これからはあなた達自身が、より良い暮らしを送る為に前を向いてほしい」
と言った。
そうして彼女は朝の船に乗り、令和の国を後にした。
令和の国を離れたトルクャーナは、果てしないほどの孤独感に襲われた。
彼女は誰よりも孤独を恐れ、誰よりも人の優しさに飢えて求める人だった。
彼女が辿り着いた新しい異国で、彼女は再び、道を行く1人の男に話しかける。
「今晩、泊めてもらえませんか…?」
----暴いておやりよトルクャーナ 終わり
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?