木嶋佳苗被告への求刑

 木嶋佳苗被告への求刑
 
 中国最大の政治家の一人である管仲はこう言った。
「倉廩実ちて、即ち礼節を知り、衣食足って即ち栄辱を知る」
 しかし、残念ながら現在の日本にはこの言葉は当てはまらないようだ。現在の日本人ほど豊かな生活をしている民族は、この地球上では少ないだろう。米国民は一握りの富裕層に富が集中していて、ホームレスの数も多い。
 日本でも餓死者がいるが、非常に稀だ。私達が子どもだった頃は、乞食があちこちにいたが、現在ではほとんど見かけない。生活保護を受ける人の数も増えたが、新たな雇用が創出されればそれも減るだろう。
 管仲の言葉は、ある程度までは当てはまる法則だと思う。しかし、一定の線を越えると効力を失うようだ。
 現在の日本では、むしろ孟子の次の言葉が当てはまるような気がする。
「飽食暖衣、逸居して教うることなければ即ち禽獣に近し」 
 飽食とは美味しい物をたくさん食べることである。暖衣とは良い服を意味する。つまり、ブランド物の服を着て着飾ることである。逸居とは怠けることである。つまり、「美味しい物をたくさん食べて良い服を着て着飾っても怠けて人としての道を教えなければ、
 人としての道を学ばなければ禽獣(けだもの)と同じだ」ということである。
 木嶋佳苗被告が犯罪者として裁かれるのかどうかは分からないが、彼女が目指した良い生活とは「禽獣」に近いものに成り下がる生活であったのだ。
 管仲は中国の最大にして最良の政治家だけあって、こうも語った。
「一年の計は穀を樹うるに如くは莫(な)し。十年の計は木を樹うに如くは莫(な)し。終身の計は人を樹うるに如くは莫(な)し」

 教育こそは明日の日本を背負う若者達を救い、育てる最良の武器なのだ。
 木嶋佳苗被告のような愚劣な人間を作り出さないように、国家はしっかりと教育に取り組んで欲しいものだ。
 
 

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