死は治癒か生は病か知らねどもわが聞く声は汝自身を知れ(グノーティ・セアウトン)

 死は治癒か生は病か知らねどもわが聞く声は汝自身を知れ(グノーティ・セアウトン)

 汝自身を知れ(グノーティ・セアウトン)とは、デルポイのアポロン神殿の入口に刻まれた古代ギリシアの格言らしい。ラテン語では”Cognosce te ipsum.”「コグノスケ・テー・イプスム」と発音する。

 私は、この格言を以下のように理解している。神と違って人間は必ず死ぬ存在であるから、そのことをよく弁えよという意味である。
「己を知る」と言っても、孫子の兵法にある「敵を知り己を知らば百戦危うからざる」と言う意味とは、天地の差がある。ただし、私の解釈が正しいかどうかは私には分からない。私は無名の一般人であり、学者ではないので、そこまでの知識は持ち合わせていない。いずれにせよ、自分の分際を弁えておくことは大切なことだ。
 どんな独裁者も傲慢な金持ちも、立派な宗教家や政治家も同じく死を迎えるときは必ず来る。だから、「死ねばみなホトケだ」と言うのである。一切の属性を捨てて、ただの骨と灰になるのが人間の定めである。

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