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2児のパパ目線と運動指導者目線で「切手のないおくりもの」を解釈してみた


うちには0歳と2歳の息子がいる関係で、つけるテレビはほとんどEテレなんですね。

で、今朝(3/31)の「みんなのうた」で「切手のないおくりもの」が流れまして。

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あらためてめちゃくちゃ心に響いたので、出勤中の電車でYouTubeやらネットで検索していろいろ調べてみました。

そして勢い余って平井堅ver.とつじあやのver.をiTunesで買ってしまいました。(ふたりとも声と歌い方の雰囲気が好き)

(その後、歌詞を検討[※後述]するために、1977年みんなのうたで初登場の時のペギー葉山ver.も買ってしまいました。笑)

☼ ☼ ☼

さて、こんな誰でも知っている名曲について、わざわざ音楽家でも評論家でもない大森が note に書く理由は、

・0歳と2歳の男の子の親としての立場になったせいか、昔より響いたから
・ネットで見られる他の解説とは違う感想を持ったから

です。

完全に私、大森の解釈になりますが、もし良ければ目次くらいご覧いただいて、
もし興味があればお読みいただければ幸いです。




「年老いたあなたへ」に感じる愛

※歌詞とは順不同で、大森が思ったことを順番に書きます。

年老いたあなたへ この歌を届けよう
心優しく育ててくれた お礼がわりにこの歌を

2番の歌詞ですが、この「年老いた」っていうのは、けっこう強めな言葉ですよね。

冒頭に書いたように自分が親になったから感じた1番大きな部分がこれでした。

でも、なんとなく想像したんです。

年齢によって体力や気力が弱ってしまった時、きっと自分自身では悔しく悲しい気持ちになるのではないかと。

でも、そんな弱った自分に対して若い人が「心優しく育ててくれた」と思ってもらえたら、きっと泣きます。


逆に「おくる立場」として、たとえ相手が年老いたとしても、その人がいたから今の自分がいる、そんな風に思えるのであれば、

その人に対するリスペクトは決して損なわれることがないと思います。


年老いた時の自分も、今の自分も、そんなふうに思ってもらえる/思う自分で在りたいな、なんて思いました。

そう解釈すると、リスペクトが世代を超えているように感じる歌詞に思えます。

年老いたあなたへ この歌を届けよう
心優しく育ててくれた お礼がわりにこの歌を

なにか、とても素敵な関係だと思いませんか?



「別れゆくあなたに」に感じる、悲しさを超えたもの

別れゆくあなたに この歌を届けよう
寂しい時に歌ってほしい 遠い空からこの歌を

この歌詞を見た時にひとつ、疑問に思ったことがあります。
ぜひ一緒に考えてみてください。

  大切なだれかとお別れしたとします。

  さて「寂しい」のは「別れゆく人」でしょうか?
  それとも「見送った自分」でしょうか?


歌の解釈って、広くて良いですよね。

この歌詞を見て、どちらでもあるなーって思ったんです。

家族や友達と別れて一人旅立ってしまう人が「寂しく」ならないように歌を届けたかもしれないし、

一人取り残された自分に対して歌ってほしいから歌を届けたのかもしれない。

いずれにせよ、両方であっても、そこには友愛を感じるんですよね。

人と人のつながりは、時間や距離を超えるもの。

そう感じられる歌詞だと思いました。


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「夢のないあなたへ(に)」への勇気づけは、愛することの喜びと、音楽の楽しさだ!

夢のないあなたへ この歌を届けよう
愛することの喜びを知る 魔法じかけのこの歌を

「夢のないあなた」も「年老いたあなた」に匹敵する強い言葉ですね。

そんな人に対して歌を届けているんですが、
さて、夢のない人に歌が届くんでしょうか?

ヒントは曲にあると思います。

この「切手のないおくりもの」をよくよく聞いてみると、実は歌詞の半分は意外と暗い雰囲気があります。

でも曲は全般的にPOPです。(たくさんのカバー曲がありますが、たいていPOPです)

実はこの「POP」が、この歌の大切なメッセージなように思えます。

曲だけ聞いてると楽しいですよね。

そして、だれかを愛することは気持ちが飛び跳ねる感覚ですね。

①音楽で身体がPOPに弾む
②身体が弾めば気持ちが楽しくなる
 (上を見上げると気分も上向きになる「上を向いて歩こう」効果)
③身体も気持ちも上向きになれば、人を愛する気持ちも湧いてくる
④人を愛すれば、自分の使命感は湧いてくる

⑤そして人は自分の夢に気づくことができる。

そんな秘訣をこの歌は教えてくれているんですね!

♧ ♧ ♧

ちなみに平井堅ver. での歌詞は『夢のないあなた「に」』になっています。

しかし「切手のないおくりもの」が1番初めに公開されたのは「みんなのうた」で発表されたぺギー葉山さんver. で、
それにはこの歌詞は入っていますが『夢のないあなた「へ」』になっています。

財津和夫さんver. は1978年だそうですが、なんとこの歌詞は入っていません。
人気カバーのWANIMAver.でもこの歌詞はありません。

歌詞が入っていたりなかったり、「に」だったり「へ」だったり、
気になって「に」と「へ」の違いを調べましたが

まあ歌にそんなに影響しない、些細なことかもしれませんね。(^_^)



「おくりもの」は、実は「歌」だけとは限らない

ここでタイトルについて思うことを書きます。

切手のないおくりもの

「おくりもの」は、歌詞の中では「歌」になっていますが、実は「歌」だけに限らないと感じました。

歌の作り手であり歌い手である財津和夫さんにとっての「歌」とは、
つまり「誰かへおくることができるもの」と解釈できると思います。

つまり、歌い手であれば歌を。

そうでなければ?

何かしらの特技や技術、何かできることを誰かにおくることを含めることができるとすると?

誰もが誰かに「おくりもの」をおくることができるのではないでしょうか。



「切手のない」とは、どういうことなんだろう?

さらにタイトルですが「切手のない」とはどういうことなんでしょうか?

切手のないおくりもの


例えば「切手=お金を介さない」とすると?

お金の発生しない、つまり見返りを求めない。

そう考えると、そこには『感謝』と『愛情』しかない世界を感じました。

あるいは「切手=郵便を介さずに直接手渡す」とすると?

これは気持ちの距離の近さ、と言い換えることもできると思います。

「別れゆくあなたに」のところにも書きましたが、

人と人のつながりは、時間や距離を超えるもの。

これはこの歌の持つテーマのひとつなのかもしれませんね。



「知り合えたあなたに」おくりものを渡そう(4月はそんな季節)

知り合えたあなたに この歌を届けよう
今後よろしくお願いします 名刺がわりにこの歌を

この歌詞だけは、他の部分に比べると普通な感じがします。

でも、前述のようにタイトルが「切手のないおくりもの」であることを考えると、

それは一期一会の精神、出会いの瞬間の大切さを教えてくれているようです。

「知り合えたあなた」に対して、自分が何者で、どんな気持ちで、何ができるのか。

一気に伝えるのは難しいでしょう。
名刺があっても、なかなか伝え切れるものではありません。

でも、自分なりの「歌」を届けるつもりで人と知り合えたのなら、歌詞の通り、今後のつながりが豊かになるような気がしませんか?
(実際の歌ではないですよ!2つ前のタイトル参照ください!)

時間をかけて「今後」も関わり合い続けることでしか、人はお互いを理解し気持ちを伝えることはできません。

その難しさと大切さを教えてくれる歌詞だと感じました。



この世界がいくら広かろうと、人はみんな「世界にたった一人」しかいない

私からあなたへ この歌を届けよう
広い世界にたった一人の 私の好きなあなたへ

最後にメインの歌詞です。(最後です。笑)

ここは普通「私の好きなのは、広い世界にたった一人、あなただけ」と解釈されるところだと思いますが、

冒頭に書いたように息子が2人いる自分としては、たった一人だけを好きになるのは、ちょっと違ってしまいます。妻を含め、順位があるものでもないですし。

であれば、どう解釈するか。

人間はみんな、世界にたった一人しかいない。

ひとりひとりを「一人の人間」として関われば、そこに1番とか順位などは無くなりますね。

「みんな違って、みんないい」的な多様性ですね。

発表の1977年当時の社会そんな考えはなかったと思いますが、

しかし教育番組の「みんなのうた」のために書き下ろされた歌だと考えると、

もしかしたら財津さんには子どもたちと親御さんに対して「人が本質的に持つ多様性」に気づかせる意図があったのかもしれません(知らないですけどw)。



「広い世界にたった一人」しかいないあなたが 「私の好きなあなた」 だ


どんなに世界が広かろうが、あなたはたった一人しかしない。

だから大切なんだよ。

年老いても、夢がなくても、知り合ったばかりでも、別れゆく時も、

お礼を伝え、愛を伝え、関係をつむぎ、たとえ別れても思い出す。

それを特定の一人にではなく「たくさんの一人」たちに届けられたら、

世界は平和になると思うんですよね。


(ずっと聞いてますが、ずっと泣きそうです。笑)


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変なことを最後に書きますが、、、

自分のお葬式の時にこの歌を歌ってくれる人がいたら嬉しいな、なんて思いました。


( ̄▽ ̄)


最後までご覧いただきありがとうございました。

そんなあなたが私は好きです。笑


✭ ✭ ✭ ☾

【おまけ】

「切手のないおくりもの」平井堅バージョン

影絵テイストのPVも秀逸です。



Eテレ、財津和夫氏へのインタビュー

「もうひとりの自分が自由な箱庭で作ったような曲」とおっしゃっているんですが、そういう自然体が生んだ名曲なのかな、と思いました。




アスリートでもなく、マッチョでもない、一般人視点って大事だと思うんです。 なかなか運動の第一歩を踏み出せない人に、身体、筋トレ、ヨガ、その他フィットネス界隈のことについて、日々の気づきをシェアすることで、何かしらのヒントやキッカケになれば幸いです。