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温故知新

 不朽の名作というものがこの世にはある。なぜ、朽ちぬかと問えば、多数の意見があると思うが語り継ぐものがいるためだ。
今回紹介するバーチャルユーチューバーは“sumeshiii a.k.a. バーチャルお寿司”さん。

昭和の名曲をこの令和の時代に彼による再解釈をもって打ち出している。
題して“Reiwa Lofi Arrange”
私もそうでしたが、音楽に詳しくない人からしたら“Lofi”という単語に耳なじみがない。調べると、高音質でない環境で録音した音楽のことを言うらしい。このように書くと、彼の音楽に耳障りなノイズが入っていると思われる方々もいらっしゃるでしょうが、そんなことはない。
突き詰めた高音質でないからこそ、昭和の名曲の持つ情動を平成生まれの私がどこか懐かしさの感じる情景で、sumeshiiiさんの視点から令和の情緒を盛り込んだ三つの時代をまたぐアレンジに仕上がっている。

sumeshiiiさんのアレンジ

 sumeshiiiさんの曲は先ほども書きましたが、昭和の名曲が元である。
実際にどんな歌をアレンジしているのかと言うと、尾崎紀世彦「また逢う日まで」、中森明菜「スローモーション」、ザ・フォーク・クルセダーズ「悲しくてやりきれない」など邦楽史に煌めくものばかりで、昭和歌謡などになじみがない方も何処かでワンフレーズでも聞いたことがあるようなものがほとんど。ほかにどんなものがあるかはsumeshiiiさんのYouTubeの再生リストからみてほしい。
見ていただいた方々は、そのアレンジ数に驚くかもしれない。初投稿から約8か月(8/10現在)でその数なんとオリジナル楽曲提供も含めて24曲。
一か月
3曲ペースで上げてらっしゃる。コラボ作品も多くあり、必聴である。

ここからは、私の勝手な感想を交えながらおススメを紹介していきたい。

 一つ目は【昭和歌謡】思い出がいっぱい - H2O cover【Reiwa Lofi Arrange】
この曲の紹介を簡単にすると、あだち充原作アニメ「みゆき」のEDである。
いきなり昭和歌謡というより昭和アニメソングを持ってくるのもどうかと思ったが、私はこれが好き。
しっとりしたジャズ風のアレンジにサックスの音入れが実に合う。ここら辺の制作秘話は彼のpixivFANBOXにて語られているので必見。

私自身過去に手を伸ばそうとすることは多くありますが、この思い出がいっぱいを聞いていると、あの時想っていたあの人は、子どもだったあの日と私から離れていく、そんな弱い私にsumeshiiiさんの歌声は優しく寄り添いサックスの音色が頭のアルバムをめくる役目をしてくれる。


 二つ目は、コラボ楽曲の【昭和歌謡】君に、胸キュン。feat. Shikai Yue - YMO cover【Reiwa Lofi Arrange】
「君に、胸キュン」自体はYMOの代表歌の一つであり、元々CMソングであったが、スポーツ飲料のCMソングにも起用されるなど、歌い継がれる名曲である。私は、まりあ†ほりっくのEDで知った口。
この曲が夏の要素を多分に含んでいるが、sumeshiiiさんの手によってトロピカルな要素をイントロのさざ波の音やスティールパンのような音から感じる。
映像も爽やかなシアン色の背景に周りに配置されたスイカも相まって、メロディがどこかエモいのだ。
この「エモい」概念は、始まったばかりの令和の時代に欠かせない要素である。平成後期から若者を中心に広まった感覚だが、YMOの「君に、胸キュン」は当たり前だがその要素がない。だからこそ“Reiwa Lofi Arrrange”で、Yueさんの声の可愛さとメロディラインで元々のアイドルソングとしての(YMOはアイドルではないが)キャッチーさに、派手でなく静かにだからこそ思い出に浸れるような、エモさと昭和の風に揺られながら溶け行く氷のカランという音を感じさせる。


 三つ目は、【昭和歌謡】どうにもとまらない feat.musica - 山本リンダcover【Reiwa Lofi Arrange】
原曲は山本リンダさんの名曲で、情熱的でパワフルな衝動を感じる。“Reiwa Lofi Arrrange”では、どんなものになっているかというと、こちらも衝動を感じるが毛色が違う。どう違うかと問われれば、個人的感覚だが夜にふらっと好奇心をもって街に誘われるようなゆったりとしていながらもエネルギーを感じる。
街に誘われると前述したが、これはコラボ相手のmusicaさんの歌唱力が大事な要素である。musicaさんに関しては私の友人であるハチ(アハトユウ)さんの推しマガを見ていただきたい​。



最後に

ここまで、sumeshiiiさんの楽曲に関して述べてきたが、彼のYotubeチャンネルで聞いていただくのが一番sumeshiiiさんの伝えたいことが理解できると思う。

そしてsumeshiiiさんは性教育を中心に活動されている由宇霧さんが主宰するクリエイターユニット「テツナ」にも所属しており、楽曲が気に入ったらTwitter等から依頼されるのもいいかもしれない。
つらつらと書いてきましたが、推しマガの主催であるはれのそら様、推しマガに誘ってくれたFixed_cactusさん(彼は推しマガで由宇霧さんについて書かれているのでご一読下さい)ありがとうございました。


そして何よりも、sumeshiii a.k.a. バーチャルお寿司さんと読んでくださった皆様に感謝を。

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