衰退論に対する不快感を綴る

以下の文章は某記事を読んだ感想に過ぎない。

また、現環境に対する杞憂を否定するものではない。Aへの批判に対する批判はAの賞賛と同義ではない。私はその批判の方法が妥当性を欠いていること、そしてその杜撰な語りから導かれる結論が著者の自己保身に感じたためこの批判を書くに至った。

また私の書き下したこのうんち!wに対しての批判も行われるべきだと思っている。杞憂などという抑止力のない妄想が他人へと伝播するくらいならいっそ個々の観点から思いを綴れば、いつかは何かの肥料となるでしょう。

話の根本を抑えたい

著者の投稿目的を整理する。

「にじさんじ」が衰退するという危惧について、その原因を共有することを目的としている。

この目的を達成するために用いられた観点をまとめる。

現在の「にじさんじ」について「自分がつまらないと思う理由」を考察し、その考察を衰退の原因と捉える。

数字を基準として人気について考える。

配信および投稿動画の内容を整理し、個人の意識を推察する。

もうこの時点でそれでいいのか感が生じるのだが、とりあえず飲み込む。

記事を読んでイライラした理由について、その一片をだらだらと書きなぐりながら、短文だが論の批判と提案を行う。

数字ってなんの数字なのさ?

個人の活動を比較する上で数字を用いるのは容易である。ただし、どの数字を扱うべきなのか、この数字が何を表しどのように比較をすべきかについては予め言及する必要がある。客観的事実である数字を「このように扱う」と宣言することで、自分の主張が一貫していることを示すためである。しかしながら著者はその数字として、同時接続人数や再生回数などの具体的な数値に触れていない。仮にようつべの数字を用いたとして、それはチャンネル登録者数なのか、登録者数の上昇率なのか、登録者数に対する再生数の比なのか、単独配信とコラボ配信における再生数の差なのか。人気をどのような指標を用いて語るのか明確にしなければ、当然、読者によって人気の基準は異なるため、それは駄文の理解の妨げとなる。

おそらく、人気を語ると強気に出たせいで、後に引けなくなったのではないだろうか(あるいは何も考えていないか)。人気を、ある特定の短い期間における話題性の変化として考えると、それは変化率を用いて考えられる(これは、著者の言うところのバズりに相当するのではないか)。一方、累積でどの程度の人数によってコンテンツが支えられているかだけで考えるのならば、特定の時点での数値を用いて比較することができる(要するに、ある時点での市場の大きさのようなもの)。あえて「一期生から」などと公表するのであれば、これらの評価基準の時間変化から人気と、その推移について語ればよいはずである。

衰退したらどうなるの?

どのような方法をとれば衰退とその要因について語ることができたのだろうか。最も簡単なのは、過去に衰退したコンテンツと比較した結果を示すことである。文中ではぬるま湯だの自己プロデュース力だの繰り返し主張しているが、その要素は衰退に繋がる必要十分条件として示されていない。根拠がなければただの直感、考察とするには稚拙である。ゆえに根拠として衰退したコンテンツについて考える必要があるが、さて、何を以て衰退とするのだろうか。端的に考えればサービスの終了、あるいは人気ライバーの離脱だろう。もしくは関連動画の投稿数の低下、様々な情報媒体におけるランキング等からの消失も評価の一つになる。このように、ふんわりとした「衰退」という言葉を語るために、以上のような複数の評価軸が存在することが想像できる。衰退について語るために、その衰退がどのような状態を表しているのかについて読者と共有できなければ、その問題提起は単なる煽りにしかならない。それは議論ではない。

考えられる不快感の原因

人気の基準として数字を用いると述べた一方、その数字を明示することなく人気を語ろうとする横柄な態度により、私は記事の説得力が揺らいでいると感じている。少なくとも最近にじさんじを知り、最近デビューしたライバーを推している私にとって、彼らを何の基準もなく「下位ライバー」などと愚弄するその態度が非常に不誠実だと感じた(著者は愚弄したつもりは無いと語るだろうが)。なぜならば、彼らの活動の期間と彼らを取り囲む環境が異なるため、いわゆる活動意識というものがどの時点、どの過程を経て生じるのかは不明瞭であるからだ。加えて、私は著者の言うような「上位ライバーから下位ライバーへ流れてきた視聴者」ではない。あたかも上から下への流れがあるかのように語るが、多数の呟きやアンケート結果があるならまだしも、何の根拠もなく視聴者の構造を理解したつもりになっているのならば考えを改めた方がよい。それは考察ではなく思い付き、自分の考えた上位ライバーという存在への固執だろう。この固執が著者の自己保身というか、凝り固まった「人気のライバー像」を生み出している気がする。果たして「人気のライバー像」とは共有されるものなのだろうか。

おわりに

中途半端ですが作成時間が予想よりも大幅に長くなってしまったので、ここで切ります。最後に言いたいことを残します。

1. 衰退論について、考察方法の稚拙さを指摘した。

2. 具体性を欠いた問題提起が、読者を蔑ろにした表現に繋がっていると考えられる。

3. ぼくの考えた最強のコンテンツは誰にだってあるでしょう。ただし、それが衰退する理由にならない保証はない。

4. ぬるま湯について述べた個所で配信のサムネイルを表示していますが、それは非常に危険です。衰退を語っている中で、ぬるま湯が原因であると主張し、ぬるま湯に浸かっている(と示唆する)具体的なライバーの画像を表示することは、そのファンに対して侮辱的な行動であるという考えは浮かばなかったのですかね。ライバー個々に対しての好き嫌いを示さない意図があるならば、言動に矛盾を感じます。



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