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ママー・ポッターと大学の呪い


親の言葉は呪いに近い
名前を言ってはいけないあの人は
闇の魔術で私を縛り続ける


私は短大に進学する時に
必ず四年制大学を卒業する事を
母から約束させられていた

「必ず編入して四年制大学を卒業しなさい」

短大に入学した時点で
母なりに高望みはしなくなった
以前の母なら
「必ず姉妹校のMARCHに編入しなさい」
だとか
「必ずフェリスに編入しなさい」と
言っていただろうなと思った
少しハードルは下がったことになる
そこは少しの安心材料となった


ママー・ポッター
またの名はボルデモートである母は
もともと英文学が学べる短大に行きたかったが
商家の娘だという事で
行きたくもない
経済学部に行かされた過去を持つ


それなら
私の進路は自由にさせてほしいのだが
そうはならなかった


母親の人生を生き直しをする道具として
娘である私は存在した

もう迷惑でしかない…
エクスペクトパトーローナムと唱えて
消し去りたい

「お母さん、もう一度大学受験したら?」と
何度喉まで出かかったかしれない




「四年制大学を卒業しなさい」
ディメンターの霧のように
頭の中でシュプレッヒコールを起こす
この文言…

我がポッター家は
両親から祖父母に至るまで皆大卒だ

小学生の頃
算数のテストの点が悪かった時に
スネイプ父は
「入る大学で結婚相手が決まるんだぞ」と
言った

その家の長子であるハリーこと私は
どうしても
大学を出なければいけないという
刷り込みがあった
小学生の頃から
自分は大学という名の
ホグワーツに行くものだと信じ込んでいた


合格報告の電話を
唯一の癒しである
ダンブルドア祖母にしたら
「えぇ…、短大なの?」という
露骨なリアクションも頂いた


そんな家庭環境なので
自分自身も編入はしたいと思っていた
できればホグワーツ並みの名門に…

だが
名門に辿り着くまでには
茨の道が待っていた


ママー・ポッター・ボルデモートの呪い
それは20年かけて
すっかり私の脳や心にまで侵食していた

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