morphine

この手術で命を落としても裁判は起こしません

ずっと昔10代の頃に

手術をして貰わなければいけない状況下が

何度かあって

宣誓書を書いた

この痛みから解放されるのなら

とにかく早く

身体を切って開いて

悪いモノを私の中から

取り出してくれたら

楽になれるのなら

命なくなっても

裁判なんて起こさないし

起こせないし

そんなのは

生き残ってく人たちの

安心材料にしかならないけど

死ぬかもしれないなら

私自身がどう思うかよりは

きっと残っていく可能性が高い人たちの

気持ちの方を優先するものかなーと

痛みから逃れたい一心だったと思う

私の命の段どりを大騒ぎして

何やってんの?って

だいたい

そんな大騒ぎするレベルの

病でもなかったのに

何だって死ぬ可能性は

常にゼロじゃないから

大人の安心感の為だよねって

あの時から

自分の身体は自分から離れていってしまって

だから私は

自分の身体を

大切に扱うことができない

自分の身体が遠くて

近くに感じたいから

どんどん刺激を強くしてみるけど

更にもっと離れていく

何度もナースコールして

痛いです、辛いですって言っても

もうちょっと我慢してみてって言われる

もうちょっとってどれくらいなんだろう?

もう何時間も我慢してみたよ

私は人より我慢強い方だと思うんだよ

何時間も我慢した後に

背中に流れてく冷たい液体で

自分の身体が

ここに在るってことを

やっと気がついて

私を正気に戻してくれるんだけど

ちょっとするとまた

私の身体は

私から逃げていってしまうから

今のこれが

刺激が欲しいだけなのか

痛めつけた後の

冷たい液体を求めているのかなんて

20年放置してしまったら

自分にすらもう

わからないんだ

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