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憧れとか理想とか

 私は幼いころから空想が好きだった。自由帳に理想の家を書いたり、ブランコを乗り物に見立てて旅行ごっこをしたりしていた。ここではないどこかに憧れていた。

 小学生の時、世界番付というネプチューンとイモトアヤコがMCをしていた番組が好きだった。そこで紹介される各国の食べ物や人々の暮らしに惹かれた。外国に行ったことがなかった私は未知の世界である外国に憧れていた。

 大人になって憧れのほとんどは私の勝手な投影であることを知った。極端な平和の背景にはその分極端な残酷さが垣間見えていたりする。憧れが強ければ強いほど、その憧れが完全でないことが分かった時にその強い気持ちは強い絶望感や嫌悪感につながってしまう。わがままだ。

 とは言え弱い弱い私には憧れや理想がないと生きていけない。だからフィクションや偉人の理想実現のための努力、音楽や絵画などたくさんの理想を摂取して今日も生きている。やっぱり現実は残酷だ。ムカつくことも悲しいこともあまりにも多すぎる。致し方ない、そんなもんだとは思わない。未熟なだけだろうか。

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