見出し画像

食べれるタピオカ芋でタピオカ粉(デンプン粉)を作る方法

南ラオスで生活しているとあらゆる加工品を手に入れるのに困ります。
それは料理するときにも同じこと。食材は庭でできるので問題ないのですが、加工品が手に入りません(タイやベトナムからの輸入に頼っていて自国での生産はあまりないよう)
粉物好きの私にとっては致命的。
そんな訳で粉物の一つとしてデンプン粉を作ろうと思った次第。
ラオスでデンプン粉と言えば・・・タピオカ芋でしょう。

芋からデンプン粉作りの今回の手順は
1芋を掘り起こして皮を剥く
2細かくスライスしたら水と共にブレンダーで液体化
3できた液体を布巾で絞り漉す
4濾した液体を1日放置し上澄みを捨てる
 (念のためもう一度水に入れ撹拌し1日置く)
5残った白いかたまりを干したら完成

なのですがまずはタピオカ入手の段階で食べれるものと食べれないものがあると判明。でタピオカ芋について調べてみました。

画像1

タピオカは何からできている?

今流行りのタピオカ。実はタピオカは丸いプニプニした塊のことではなく、芋の名前そのものをタピオカと言います。原産地は中南米で、そこからアフリカ、アジアへと広まった芋の一種がタピオカなんです。ブラジル南米では、マデュオカ、英語圏ではキャッサバ、アジア圏ではタピオカというそう。ちなみに私の暮らすラオスではタピオカではなくマントンと言います。南ラオスでは現在どこもかしこもタピオカ芋農家だらけ。
その利用方法はというと、多種多様。うま味調味料にもお好み焼き粉にもうどんにも家畜の飼料にも・・・日本で世界で触れないことが難しいほどタピオカ粉は使われています。

食べれるタピオカ芋と食べれないタピオカ芋

そんな訳で、タピオカ芋から粉物を作ろうとしたところ、ウォンさん(一緒に働く地元の農民)に止められました。その理由はこのタピオカ芋は食べれないとのこと。
なんと!南ラオスの一大農産物であるタピオカ芋は食べれないんだそう!ゆくゆく調べてみると、タピオカ芋には青酸配糖体が多く含まれていて、牛でさえも死んでしまうんだとか。これをなにやら色々な過程を踏んで日本に世界に届けられ皆様の食卓へと並ぶそうなのですが、この色々な過程。。。少し怖いです。ところがほとんど全てのタピオカデンプンはこの青酸配糖体の多いタピオカ芋(苦味種)で作られているとのことでした。
ちなみに南ラオスのタピオカ芋は全てタイ・ベトナムなどの隣国に輸出。加工でんぷんなどを作っているそうです。

画像2


そんな中、ウォンさんが持ってきてくれたのが、食べれるキャッサバ芋。これは焼くだけで食べていいんだそう。(といっても青酸配糖体が含まれていない訳ではないのでしっかり調べましょう)はっきりいって土に埋まっている間は上の葉っぱをみても私たちでは区別できません。しかし芋を見れば納得。通常は白い芋がこちらは赤い

スクリーンショット 2020-01-30 12.00.32

いよいよタピオカデンプン作り開始

ということで前置きが長くなりましたが、食べれるキャッサバ芋(甘味種)でデンプン粉を作ってみることに。早速農場から食べれるキャッサバ芋を調達。

スクリーンショット 2020-01-30 12.22.52

これに鉈を入れ、外皮を取り除いていきます。青酸配糖体は比較的外皮に多く含まれるようです。縦に切れ目を入れると簡単に皮は剥けます

画像5

皮が剥けたら細かくスライスし

画像6

水を加えてブレンダーで撹拌します。で、そのできた液体をサラシで絞り漉すと

画像7

写真は濾した後のオカラ。

画像8

絞った液体がこちら(間違えて写真を小さく加工してしまいました)
これで1日寝かせましょう

画像9

翌日には下に白く塊ができています。これがデンプン。なので上澄みを捨てて、念のためもう一度水を入れ撹拌し、1日待ちます。を繰り返し2回ほど。

画像10

と、残ったのはわずかこれだけ。手で絞っただけなので、おそらくオカラの方にもまだまだたっぷりデンプンが残っているでしょう。で、あとはこれを天日乾燥

画像11

画像12

オカラもついでに。
で、いよいよ完成です。

画像13

今回は約17kgの芋を用いて、できた粉は170gほど。ほとんどがオカラになってしまいましたが、オカラを水で溶かし焼くだけでもプニプニの粉物ができました。チャツネをつけるベースに美味しく頂きました。チャパティやナン、ワダとはまた違った食感で楽しめます。

画像14


ちょっと大変ですが、お近くにキャッサバ芋がある方は試してみてください。なお、この粉でラオス玄米の麺やライスペーパーができないか?思案中。ちなみに普通の芋で作ったラオス玄米麺はめちゃくちゃ美味しかったです。

画像15


ご興味ある方ご一報ください。出来上がった時には販売できます。食べれるタピオカ芋のデンプン粉も量によっては生産できると思います。

サポート頂いた場合は、食べれる森作りを中心に、南ラオスの自然を大切にする農場スタッフのための何かに還元させてもらいます。