パナマは先進国になれるか?
という話をしたいと思います。世界史好きの人は元々ここはコロンビア領だけどアメリカが強奪するような形で奪取しパナマ共和国にしたうえでフランス資本が撤退したパナマ運河を完成させたという歴史を思い浮かべると思います。完成は1914年。運河の両端はアメリカの海外領土つまり植民地です。なんでアメリカがこんなに必死に運河を作ったのかというと日本のせいです。それだけ太平洋の日本海軍が脅威だったのです。さて、日本は戦争に負けましたがなんと日本の高度成長に伴いなんと日本船が激増しパナマの航行やパナマ運河で船を引く鉄道も日本製(川崎製鉄製)となりました。運河の拡張は日本の資本によって行われるようになりました。そう。もうパナマは米国の植民地扱いに憤慨してたのです。場合によってはノリエガ将軍を抹殺なんてこともしました。だからパナマ政府は日本にすりよったのです。運河収入をほとんど受け取られないパナマ人が激怒し運河の完全返還をアメリカへ求めるようになり1999年にようやく実現しました。分断されたパナマが統一されたのです。同時に運河通行料をパナマ政府が受け取れるようになりました。よってパナマ運河とは半分は日本が作ったものです。日本すげえ。日本興業銀行(興銀)がパナマ運河拡張の長期ファイナンスを行っていました。みずほに受け継がれました。なぜならブラジル産チキンなどの農産物安定供給が必須だったからです。逆に南米諸国に日本製自動車や機械を輸出する必要があったからです。
「日本って大国だったんだねえ」と思いにふけるのはここまでで2003年以降は中国船が激増し日本の存在が薄くなりました。日本の国力が衰退するのと反比例するかのように韓国船・中国船が激増したのです。
2000年から運河収入を受け取れるようになったパナマは中進国から先進国の一歩手前まで来ました。じゃあなんでこんなタイトルになってるんだってことになりますよね。中米ではバハマの次に豊かな国で首都・パナマシティーは大都市(人口108万人:首都圏人口150万人)にまで成長したのに。運河収入どころかドック収入でも得られる工業国になったのに。日本様様です。2007年には+12.1%、2008年には9.8%もの高度成長を達成しました。なのに先進国になれないのは「質」の問題なのです。
パナマは治安が超絶級に悪いのです。
中米とか南米ってなんででしょうね。ガイアナの項目でも触れましたが先進国になれない理由の一つが治安です。隣がコロンビアだけあって麻薬が流れます。元・準アメリカ領だけあって犯罪までアメリカから学習してます。
そんなパナマですけど毎年+7%も成長しています。日本の存在が薄くなったとは言っても興銀→みずほコーポレート銀行→みずほ銀行と行名が変わっただけで日本資本によってパナマが急成長したのは間違いありませんしここだけは中国に取られてはならない地域ですからさすがにアメリカも日本に文句は言わないです。今時日本の影響が大きい国って貴重ですよ。
最近のパナマの経済成長率はこちらです
2020年 -17.6% コロナショック
2021年 +15.8%
2022年 +10.8%
2023年 +7.3%
2024年 +2.5%
パナマの一人当たりの名目GDPは2万ドルの大台になり一人当たりの購買力平価GDPは44,796.84となる見込みです。スロバキアを抜きます。ハンガリーに並びいよいよ日本・ポルトガル・エストニアが見えてきたのです。
コンテナ船の激増でもう第二パナマ運河が必要ですしパナマ運河を維持する水も足りてません。海水を淡水化するしかありません。じゃないと50もある村々をダムで沈める事になります。パナマに関しては本当に「腐っても日本」で中南米と太平洋経済の命運を握るのは日本国と日本の資本なのです。
最後に。不法移民を止めるのはパナマやメキシコに壁を作ることではなくガイアナやパナマのような富裕国を次々南米に作る事です。そしてお金よりも深刻な治安、特に薬物問題をなんとしてでも止めることが専決です。壁ごときで不法移民は止められません。不法移民を止める力は経済力なのです。
パナマはなんと直で水道水が飲めます。日本興業銀行が日本企業を呼んでパナマに上下水道を完備したからです。ゆえに残りのネックは「治安」だけです。
答え:パナマは先進国になれる
1人当たりGDP(PPP換算)ランキング 2023年 2024.04.24 IMF公表 (単位:US$)
29位 ガイアナ 58,616.55 (非IMF先進国指定)
30位 イギリス 57,492.50
31位 韓国 56,551.83
32位 キプロス 55,877.23
33位 イタリア 55,144.15
34位 イスラエル 54,385.26
35位 クウェート 52,823.16 産油国
36位 ニュージーランド 52,676.51
37位 日本 52,214.64
38位 スロベニア 51,054.71
39位 スペイン 50,436.18
40位 チェコ 49,347.24
41位 リトアニア 47,905.62
----------------------------先進国ライン
42位 ポーランド 46,411.51 (非IMF先進国指定)
43位 ポルトガル 45,224.26
44位 バハマ 44,896.06 (非IMF先進国指定)
45位 エストニア 44,268.65
-------------------------------先進国最終ライン
46位 ハンガリー 43,567.20 (非IMF先進国指定)
47位 クロアチア 43,232.79(非IMF先進国指定)
48位 パナマ 43,218.43 (非IMF先進国指定)
49位 スロベニア 42,170.47 (非IMF先進国指定)
50位 トルコ 42,063.74 (非OECD/IMF先進国指定)
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