【日本語話者向け】英語発音の超基本
今回は、英語発音の練習をしていくうえで、私がこれまで発見してきた大鉄則をご紹介しようと思います。
思い返せば・・・
・学校でひたすらネイティブの口を映した変な映像を見させられたり、
・自称“発音重視”の大学教授の授業を受けたり、
・よくわからんグラフを見せられたり、
と、妙なことも色々ありましたが、
おそらく今回ご紹介する「基本的な手順をおさえる」のが一番わかりやすく、かつ明確にポイントをついていると思います。
先にネタバレしてしまいますと、その「基本的な手段」というのは
・まず子音と母音を切り離す
・各子音を練習する
・各母音を練習する
・子音と母音を合体させる
ということなのですが、
この手順自体が日本語の特徴から逆算したものともいえるので、
英語だけでなく他の多くの言語の発音にも応用できると思います(「あらゆる言語に」とまでは豪語しませんが)。
私自身、現在フランス語とポルトガル語を勉強していますが、発音が難しくて悩んでいた時、この基本に立ち返ったら、『ああ、やっぱり、つまずいていたのはここなんだな!』と改めて納得したくらいです。
今回の記事を読むにあたって、文法などの知識は全くなくて構いませんので、とにかく発音を良くする方法を模索している方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
またこの記事は読みやすさのため、発音の表記に発音記号は用いず、カタカナで書いていきます。
その点はあらかじめご了承ください。
1、まずは日本語特有の母音と子音の癒着に気付こう
さっそくですが、次の単語の「母音」だけを発音してみてください。
・chair
・desk
いかがでしたでしょうか?
一つ目は簡単です。「エァー」すなわち、「air」と同じです。
二つ目はどうでしたか?「エウウ」と読んでしまった方、意外に多いのではないでしょうか。
ですが、「desk」という単語の母音だけを正確に拾うと、正解は「エ」、これだけです。
といっても、日本語で「デスク」というカタカナ語自体が普通にありますから、少し意地悪な問題だったかもしれませんね。
しかし、多くの日本人が無意識のうちにやってしまっているのが、実はこれなのです。
すなわち、いらない母音がくっついている。
むしろこれは日本語の特徴です。
50音表を見ても分かる通り、日本語は母音と子音が不可分に一体化しており、私たちは母音と子音を別々に発音するということに全く慣れておりません。
まずはそこに気付くことが第一歩です。
2、母音と子音の癒着をひたすら剥がす練習をする。
さて、ここからは母音と子音の癒着をひっぺ剥がす練習をとにかくやるしかありません。
そのためには、先ほどのように、「母音だけを発音する」というのを、手当たり次第、適当な単語を拾って、ご自身でやってみてください。
一週間も続けてみれば、慣れてくると思います。
ここでは一例を挙げておきます。
・hair → 「エアー」
・where → 「エアー」
・never → 「エアー」
(単語の終わりのrは読んでしまってかまいません)
・yet → 「エッ」
・kick → 「イッ」
・up → 「アッ」
(母音のあとにtやckやpなどのはねる音が続くときは、後ろに「ッ」という音が続くということをやんわり意識しおくとよいです)
・and → 「エ(ン)」
・umpire → 「ア(m)アイア」
(母音の後にnやmで口を閉じる動きがあるときは、そのことを少し意識しておくとよいです)
・website
エ、アイ
・plastic
ア、イッ
(単語が長くて、母音の間に子音が複数入るときは、少しだけ「間」を空けておくとよいです)
カタカナ表記だと限界がありますが、これでだいたいの練習の仕方は伝わったかと思います。
単語の先頭や終わりは、余計な母音をつけてしまいがちなので、特に注意しましょう。
また単語で慣れてきたら、次は文章で同じことをしてみましょう。
教科書でも、新聞でも、小説でも、練習の素材はなんでも構いません。
・I'm satisfied
アイ アイ、アイ
・Do you like it?
ウ ウー アイ イッ
母音だけ読むのは発音の基礎練みたいなもので、
発音に自信がついてきてからあとも、時々忘れたころにやるとまた効果が出てきますよ。
もし私がスピーチなどで英語で原稿を読まなくてはならなくなったら、この母音だけで読む練習法を、全文一通りやりますね。
そうすると普段おざなりになってしまっている口の筋肉がまた動き始めて、自然と発音をよくしてくれるからです。
さて、母音と子音を切り離すことに慣れてきたら、次のステップに進みましょう。
3、各子音の練習をする。
母音と子音を別々に発音するという感覚がつかめてきたら、次は母音と子音それぞれの発音を直していきます。
まずは子音からです。
と言いたいところなのですが、英語の子音に関しては、特段私から付け足すことはなく、世間一般で知れ渡っているもので十分です。
ぱっと思いつくところでいえば、
・「r」と「l」の違い
・「b」と「v」の違い
・「h」と「f」の違い
・「n」と「m」の違い
・「th」の発音の二種類
などでしょうか。
また少々マニアックなものとしては「バタフライサウンド」みたいなものもありますが、
いずれにせよ、この辺りのことを書いてある本はいくらでもありますし、学校の授業でも英会話教室でも習わないということはないと思います。
特別難しいものではなく、多くの日本人がつまずいているのは全然ここではないので、
丸投げで申し訳ありませんが、子音はご自身で勉強してください(←)。
それよりも次、行きましょう。
4、各母音の練習をする。
はい、来ました。
母音は発音の8割を決めるところです(適当)。
本当に8割かは知りませんが、発音の印象を左右するのは母音だということに違いはありません。
本来であれば英語の母音一つ一つについて解説したいくらいなのですが、それをやり始めると文量がとても一つの記事では収まりませんので、
ここでは概説という感じで解説しておこうと思います。
(各母音の解説は、もし後日書く気力があれば、いずれ別の記事でやるかもしれません)。
まず最初に言っておきましょう。
「母音は五つではない」
ということです。
我らが日本語においては、母音は不動の「あ、い、う、え、お」しか存在しませんが、
今ググってみたら、英語の母音は地域差や分類の仕方も色々あるようですが、一説によると26もあるとか!
そしてもう一つ大事なのは、「言語によって母音の発音の仕方は全く異なる」ということです。
英語の「O」とフランス語の「O」ですら発音の仕方が違うのですから、日本語の「お」と、英語の「O」は発音の仕方が違うのは当然なのです。
(新しい言語を勉強するたびに、「○○語の母音はこんな感じかな?」「こんな母音の発音の仕方があったのか!」と楽しい発見がありますよ!)
という二つの前提を踏まえたうえでここでは、日本語と英語の母音と比較して「まずはここを気を付ければ、とりあえずそれっぽくなる」という最大の違いを書いておきます。それは、
・日本語の母音は、「静的」なのに対し、
・英語の母音は、「動的」である。
ということです。
日本語では母音を発音する際、唇はほとんど固定されているはずですが、
英語の母音は、唇を休みなく動かし「ながら」発音されます。
日本人にありがちなケースとしては
『なるほど、英語の母音は唇の使い方が違うんだな』と、英語っぽい唇の形を「固定した状態で」真似してしまうことなんですが、それだとやっぱりあの感じは出ないんです。
英語の母音を発音するときは、唇を横に広げたりすぼめたりし「ながら」発音する、ということを忘れないようにしましょう、ということです。
というわけで今度は「唇を動かし『ながら』母音を発音する」ということを意識して、
さきの「母音だけを読む」という練習をまた行ってみましょう。
上下左右、ときには奥行きも使って、思い切って唇を動かしてみてください。
こちらも一週間くらいやればだんだんコツがつかめるかと思います。
5、子音と母音を繋げる
では最後のステップです。
これまでやってきたことの総仕上げとして、子音と母音をくっつけて発音しましょう。
ここで大きなコツがありまして、
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