#27 極限形容詞(extreme adjectives; 意訳2480字程; 2020/10/22, VOA Learning English)
ヘッダー画像; Unsplash.com - freezing
(英語元記事814words)
1.先週、友達の一人がとても小さな結婚式を挙げました。近親者のみが実際に出席しました。私を含めて他の人は、YouTubeで結婚式をリアルタイムで観覧しました。私の友人である花嫁はとてもとてもきれいでした。彼女と花婿はとても幸せそうでした。そして、彼らがこのステップをともに歩み始めるのを見れて、私はとてもうれしかったです。
あなたは多分、私が話の中で「very(とても)」という言葉を繰り返し使っていたのに気がついたでしょう。私は次の要点を示すためにこのようにしました。すなわち、強調の言葉をあまりに多く繰り返すよりむしろ、私たちは、より強い形容詞を選択でき、それが普通だということです。私たちは、その強い形容詞を、程度表示不可能な形容詞(non-gradable adjectives)あるいは極限形容詞(extreme adjectives)と呼びます(注1)。
極限形容詞(extreme adjectives)が今日の Everyday Grammar番組の主題です。
2.extreme adjectivesはどのように機能するか
形容詞(an adjective)とは、名詞の性質を表現する言葉です。英語において多くの形容詞は程度表示可能(gradable)です。すなわち、性質等において異なったレベルがあり得るということです。
funnyという言葉を考えてみてください。それは gradable adjective(程度形容詞と呼ぶことにします。注2)です。たとえば、ある人あるいはある物は、なんかおかしい、ややおかしい、とてもおかしい、極端におかしい(kind of funny, pretty funny, very funny or extremely funny)、たりえます。私は、いかにそのおかしさが強いか(あるいは弱いか)を示すために、副詞(kind ofや prettyなどです)を使いました。
extreme adjectivesは、少し異なって機能します。それらは、extremely + adjective(極端に + 形容詞)という意味合いの言葉です。たとえば、形容詞の hilariousは、極端におかしい(大変陽気な、とても楽しい)という意味です。一般に、私たちは、誰かあるいは何かが “kind of hilarious”だとか “very hilarious”とは言いません。なぜなら、hilarious自体がすでに極端におかしいという考えを表現しているからです。
英語学習者として、あなた方はおそらく、もう、いくつかの extreme adjectivesを知っているでしょう。いくつかありふれたものを揚げておきましょう。
extreme adjectivesについていくつかの基本ルールがあります。しかしながら、英語は常に発展しつつある言語です。なので、これらの基本ルールについての例外も増え続けてきます。
3.(1) ルール1: 比較級、最上級
例外もあるこも念頭において、最初のルールを検討しましょう。
gradable adjectives(程度形容詞)は比較級と最上級があるのに対して、extreme adjectivesは通常それらはありません。
gradable adjectivesの比較級・最上級の例です。
たとえば、 “This dish is tastier than that one”あるいは “It is the tastiest dish I have ever had.”と言う人がいるでしょう。
extreme adjectivesについては、私たちは通常、比較級や最上級を避けます。形容詞の excellentが一つの例です。それは極端に良い(極度に良い)という意味です。英語母国語話者は、一般に、“This show is more excellent than that one”あるいは “It is the most excellent show.”とは言いません。
しかし長い年月の間に、口語英語が文法のルールに影響を与えてきました。ですので、あなたは、比較級や最上級として使われている extreme adjectivesをいくつか聴くかもしれません。形容詞の deliciouisを考えてみてください。ある人は、“This is the most delicious dish I have ever had.”と言うかもしれません。それは、英語の書き言葉でさえも、誤りとはされないでしょう。
時間と経験とともに、どの extreme adjectivesにこれらの例外があるかを知ることになるでしょう。それはリストにして覚えるようなものではありません。
(2) ルール2: 他の副詞を使うということ
では、2番目の基本ルールについて検討しましょう。
extreme adjectivesについては、様々な程度やレベルを示唆するほとんどの副詞を使いません。
多くの副詞は gradable adjectiveの程度を表現します。あなたはいくつかをすでに聴いています。それは、kind of funnyにおける kind ofと、 very goodにおける veryです。他のありふれたそういう副詞の中には、a bit、a little、ratherを含みます。たとえば(注3)、あなたは、“Her house is a bit cold”あるいは “That story is rather dull.”ということができます。coldや dullという言葉が、gradable adjectives(程度形容詞)です。
しかし、extreme adjectivesについは、私たちはこれらの副詞を使うことをしばしば避けます。たとえば、“Her house is a bit freezing” (凍えるほど寒いということでしょうが、凍えるないし凍っているという意味合いであろう freezingは、そう感じるか感じないかの1か0かというものでしょう。)あるいは “That man is rather gorgeous.” (「その男は幾分立派だ。」これについても、gorgeousか否かは、そうであるかないかの1か0かということでしょう。)というのは変に聞こえるかもしれません。
しかしなお、私たちは、extreme ajectivesと一緒に、強く強調するために、他の副詞を使い得ます。一般に、全体の意味を表す副詞については、extreme adjectivesと一緒に使われます。いくつかの例は、 totally、utterly、absolutely、completelyです。
文の中でそれらがどのように使われているか聴いてみてください。
(3) ルール3: 両方に使える副詞
ほんの少しの副詞だけ、gradable adjectives(程度形容詞)と non-gradable adjectives(程度表示不可能な形容詞、extreme adjectives、極限形容詞)の両方に使われます。それらには、pretty, really, so, fairlyが含まれます。
以下の話者たちが、これらの副詞を、gradable adjectivesと non-gradable adjectivesの双方に使っているのを聴いてみてください。
4.あなたは何ができますか?
では、今日学んだ知識をあなたはどう使うことができますか。
あなたが楽しめることが何かあります。すなわち、形容詞に着目する日を決めてみてください。その日に、英語が使われているどんなところにおいても、形容詞を聴いたり、探したりして見て下さい。1つ聞いたり見たりしたときに、それが gradableか extremeか、その形容詞と一緒に副詞が使われているかどうか、自問してみてください。あなたが聞いたり見たりした言葉を含む文を書き留めて、それらをどこで見つけたかもメモしておいて下さい。こうすることでそれらの形容詞を後でより思い出しやすくするのに役立つでしょう。
以上[2480字程, 2020/11/01 3:45 a.m.]
Alice Bryant wrote this story for Learning English. Ashley Thompson was the editor.
最後に本文中に出てきた extreme adjectives(non-gradable adjectives)をまとめておきます。boiling, excellent, freezing, delicious, huge, hilarious, exhaused, filthy, beautiful
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注1) 程度の差の考えられない形容詞という用語もあるようです。それには、only(唯一の), whole(全体の), earthen(土製の), daily(毎日の)などがあるようですが、これらも本文で検討された extreme adjectives(=non-gradable adjectives)とは異なるようです(『表現のための 実践ロイヤル英文法』(2011年)旺文社489頁参照)。
注2) 尺度形容詞、評価形容詞という分類もあるようですが、これはどちらも本文中の gradable adjectives、non-gradabel adjectivesとは違った分類のようです。
注3) ここだけ、for instanceが使われており、 for exampleとの使い分けられており、疑問を持ちました。同じく「たとえば」と訳しておきましたが、単に同じ言葉を使い続けて単調になるのを避けただけか、何か違いがあるのか、わかりません。
P.s.[4:06 a.m.] 私なりの発見: kind ofや sort ofが副詞ということは何かで学びました。しかし、いざ文章を発する場合に、a kind ofか kind ofか迷うことがありました。たとえば、私はまだ初心者のようなものです、と言いたい場合に、I'm a kind of beginner.としてしまいました。おそらく、I'm kind of a beginner.とすべきだったんだろうと思いました。この文でググってもちゃんと出て来るし、Youglish.comでもいくつかヒットしたので、それでいいのだろうというのが、今日の私なりの発見です。
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