#19 合衆国連邦最高裁に関する英文記事,拙訳(1100字程; 2020/8/10, VOA Learning English)
(↑英文元記事438words)
1.合衆国の他の2つの国家機関が相対的に不人気である昨今、連邦最高裁への国民の支持が上がって来ています。
新しい世論調査は、最高裁への国民の支持はこの10数年間のうちで最高のレベルにあることを示しています。
ギャラップ世論調査会社は、水曜日(2020年8月5日)にその調査結果を発表しました。58%のアメリカ人が、最高裁の仕事ぶりを評価しているということです。最高裁への高評価の割合は何年もの間、50%前後で推移してきました。
現時点での高評価の割合は、他の2つの連邦国家機関より相当高いです。直近のギャラップ調査では、大統領(行政機関)を評価するのはアメリカ人のおよそ41%に過ぎず、一方、議会の仕事ぶりを評価するのは18%に過ぎません。
2.連邦最高裁には、9人の判事がいます。最高裁は現在、5人の保守系判事と4人のリベラル系判事に分かれています。
最高裁の、政治に関わる問題についての5対4判決が、もっとも耳目を集めることになります。もっとも、多くの最高裁判決は全員一致か、6人以上の判事の意見が一致しています。
3.ギャロップ社の調査員たちは、7月1日から23日までの間に行われた直近の世論調査を完了しました。その調査は、近年で最も重大な最高裁の一期間ののちに行われたものです。その期間中、判事たちは、一連の重要な事件について判決を下しました。
最高裁は、DACA(the Deferred Action for Childhood Arrivals immigration program: 幼少時不法不法入国者送還猶予措置)を終わらせようとしたトランプ政権の試みを退けました。ルイジアナ州の中絶禁止法を否決しましたし、LGBTQ労働者を守る差別禁止措置を拡大しました。
加えて、州は、宗教団体が経営する学校が、私立学校補助金を受け取ることを禁止することはできないと判示しました。カトリック系の神学校の教師たちは、経営者に差別されたと訴えることはできないとも判示しました。また、使用者は、被用者が避妊について保険適用することを、宗教上の理由から拒むことができる(参照)、とも判示しました。
7月9日は、最高裁の今期の最終日です。判事たちは、トランプ大統領の財務記録の開示命令を発しました。最高裁は、トランプ大統領といえどもニューヨーク州による税務調査を免れうるものではないと判示しました。他方、判事たちは、連邦下院議院による大統領や親族の企業の財務記録開示への試みを阻止しました(参考)。
4.Gabe Roth氏は、非営利団体である Fix the Courtの常任理事です。彼は、アメリカ人の裁判所についての考えは、ほんの一握りの有名な判決に基づいていることが多いと指摘しました。彼は、アメリカ人は注目されていないか注目度の低い裁判所の他の多くの実績をしばしば無視するとも付け加えました。
以上(2020/8/23 0:20 a.m.)
Masood Farivar reported this story for VOANews. Mario Ritter Jr. adapted it for VOA Learning English. George Grow was the editor.
P.S. 今回の私なりの発見として: subpoena とは、人に対する拘引状、召喚状など(刑事訴訟法62条参照)の意味合いしか知りませんでしたが、証拠物(あるいは証拠書類)の提出命令(同法99条3項参照)の意味もあるということに気がつきました(A subpoena is a request for the production of documents, or a request to appear in court or other legal proceeding. 参考)。
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