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#21 ウィスコンシン州ケノーシャでの警官による黒人銃撃に関わる英文記事,拙訳(2120字程; 2020/8/27, VOA Learning English)

表紙画像: in Kenosha, Wisconsin

(↑英文元記事637words)

1.3か月前に、ミネソタ州ミネアポリスの警官による拘束下でのGeorge Floydさんの死は、法の執行における残忍性と構造的な人種差別(systemic racism)への抗議デモを巻き起こしました。今、ウィスコンシン州ケノーシャ(Kenosha)での今週の警官による射殺が、より大きな抗議デモを引き起こしています。

 日曜日(2020年8月23日)、ケノーシャの警官が、29歳の黒人男性である Jacob Blakeさんを撃ちました。Blakeさんの弁護士は、彼が負傷したとき、彼はは2人の女性の間のけんかをやめさせようとしていたのですと説明しました。Blakeさんは、負傷して入院したままです。

 近所の人が撮影したビデオは、Blakeさんが彼の車の周りを歩いており、2人の警官がその後に続いているのを映しています。Blakeさんが運転席のドアを開けるのとほぼ同時に、1人の警官がBlakeさんのシャツを後ろからひっぱり、そして彼を7回も拳銃で撃ちました。車のそばにいた女性が飛び跳ねて助けを求めているのも映っています。Blakeさんの3人の幼い子供が、伝えられるところによると、車の中にいたそうです。

2.抗議デモが、ウィスコンシン州やいたるところで、日曜の夜に始まりました。それは今週(8月23日~27日(記事掲載日))を通じてずっと続いています。この抗議デモは、火曜日(8月25日)、17歳の白人男性がデモ参加者を銃撃したことにより流血の事態に転じました。2人が死傷し、1人が重傷を負いました。

 イリノイ州アンティオーク(Antioch)近郊の Kyle Rittenhouseが、銃撃の被疑者です。彼は水曜日に、第1級の故意の殺人罪(First-degree intentional homicide)の被疑事実で逮捕されました。銃撃現場で撮られたビデオに映っていたからです。

 ビデオの中で、Rittenhouseは、通りをセミ・オートマティックのライフルを持って走っているが映し出されています。彼は足をつまずかせて道路に転び、彼を追っていた人々に発砲しています。1人の男性が、「おいっ、発砲したぞ。発砲して倒れさせた。」と叫んでいます。何台かの警察車両は止まりもせずに通過するだけなのが映っています。

3.スポーツの試合が中止された

(1) 何人かのプロ・アスリートがケノーシャの抗議デモに参加しました。

 水曜日の夜、ミルウォーキー・バックス(Milwaukee Bucks)のプロ・バスケットボール・チームのメンバーが、予定されていたNBAの試合をすることを拒否しました。ミルウォーキー・バックスは、ケノーシャのおよそ64キロメートル北にあるウィスコンシン市を代表するチームです。

 チーム・メンバーは、"Black Lives Matter"(「黒人の命も大事」)と書かれたTシャツを着て、声明を読み上げた。彼らは、Jacob Blakeさんへの正当な司法的救済を求め、警察官らに説明責任を果たすように要求すると述べた。彼らは、ウィスコンシン州の立法府に警官の非行や刑事司法改革に取り組むために、通常の業務に戻るように要請しました。

 選手たちは、「我々は、すべての国民に自らを教育するように、平和的であるように、行動に責任を持つように、11月3日の大統領選を覚えておくように、奨励します。」と付け加えました。

(2) 大阪なおみさんは、テニスのグランドスラム(四大大会)シングルスで2回の優勝経験を持つ黒人と日本人とのハーフです。彼女は水曜日(8月26日)、ウェスタン&サザンオープン(Western & Southern Open)テニス大会(in New York, Aug.20-28,2020)での試合を続けないと発表しました。彼女は、アメリカでの黒人に対する警官の暴力に抗議するためにそうします、と説明しました。

 大阪さんは、ツイッターに、「プレーしていないときに何かが起こるとは思いませんが、大多数の白人スポーツの中で会話を始めることができれば、正しい方向への一歩だと思います。」と投稿しました。

(3) 女子プロバスケットボールリーグ(WNBA)、野球のメジャー・リーグ、メジャー・リーグ・サッカーなどを含む他のプロ・スポーツ・リーグもまた、黒人銃撃に抗議してストライキに入っています。多くの試合が延期されました。

4.(1) メリーランド州ボルチモアでの共和党の全国党大会で発言して、Mike Penceアメリカ副大統領は、法の(適正な)執行を擁護しました。彼は、FroydさんやBlakeさんや他の黒人アメリカ人への警官による暴力には、直接言及しませんでした。

 副大統領は、「アメリカ国民は、我々の市や町での生活の質を改善するためだからといって、法の(適正な)執行を支えることとアフリカ系アメリカ人の隣人に与することとを天秤にかけるようなことはすべきでないことを、弁えている。」と語りました。

(2) Doc Rivers氏は、黒人で、NBAのチーム、ロサンジェルス・クリッパーズのコーチです。彼は、水曜日の夜のゲームの後、リポーターたちに語りました。彼は、「共和党大会を見る限り、彼ら(白人)すべては恐怖について話している。」と語りました。

 「私たち(黒人)は、殺される側です。撃ち殺される側です。あるコミュニティーには、居住することを断られる側です。私たちは吊るされてきました。私たちは撃たれてきました。そして(それなのに)、あなた方(白人)みんながやっているのは、恐怖について(話し)聞き続けることです。私にとっては驚愕の事実です。」

“We’re the ones getting killed. We’re the ones getting shot. We’re the ones denied to live in certain communities. We’ve been hung. We’ve been shot. And all you do is keep hearing about fear. It’s amazing to me…”

以上(2020/9/6 2:59 a.m.)

Hai Do wrote this story for Learning English. Ashley Thompson was the editor.


P.S.(2020/9/7 3:41 a.m.) Jacob Blakeさんの具合を映した映像が、The Guardian誌の International editionという頁に掲載されていました。しっかりと話しをされているようですが、「痛みしかない。」とのことです。


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