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「あなたはどう思う?」と問われない教育って何?

ランゲージアーツは「海外の学校教育で毎日行われている & 日本の学校教育ではほとんど取り入れられていない母語教育」ということは、最初にお話しました。

そのことによる一番残念なこと、そして最も重要なこと。それは何か??

それはタイトルに書いた通り、

日本の学校では「あなたはどう思う?どう考える?」

と問われない教育だということ。

クラスの人数も多いし、一人ひとりの意見を聞いている時間なんて、そりゃあないでしょう。理解できます。

でも、大学生や社会人になったときには、急に「君はどう思う?」と問われますよね?そこでうまく意見が言えなかったり、そもそも自分が意見を持っているのかどうかさえ分からない状況が出てくる。

❏人の話を最後まで黙って聞く。
❏事実と意見の区別が付かない。
❏問うこと・問われること、答えることの訓練をしていない。
❏家でも自分の意見を言える会話が少ない。

小学生~高校生まで、そんな環境の中で過ごしていて(もちろん、学校での授業内容にもよりますが)、18歳になったから自分の意見言えなけりゃダメなんて、どんな酷い仕打ちなの??と思ってしまいます。

それでですね。私が一番憤りを感じた日本の教育についての衝撃の事実をここに書いておきます。

ベンジャミン・ブルームという大学教授が発表した思考力の分類(ブルームのタキソノミー)が、日本以外の多くの国で、教える際の重要な指針の一つだとして、60年代後半~70年代前半に学校教育に取り入れているのです。その理由は、暗記以外に大切な思考力をつけるために大きなヒントを提供しているものだからです。(参照:「考える力」はこうしてつける 新評論)

「ブルームのタキソノミー」で検索していただくとその内容が出てきます。

そのタキソノミーによると、本来思考力というのは、暗記・記憶だけが必要な「覚える」ということから、→理解する→応用する→分析する→まとめる→評価するという順番で、より高度な段階に成長していくということなのですね。ちなみにテストに必要な「覚える」という段階の思考しか入っていなくて、その先のレベルになかなか行けなかったのが、これまでの日本の教育だったわけです。

「覚える」という段階での問いは、イエスかノーかで答えられるような質問であり、一問一答のいわゆる「クローズド・クエスチョン」です。自分の考えや意見を答える「オープンクエスチョン」ではないってこと。

そんな絶望的な状況だったわけですが、日本の教育にも2020年の教育改革で遂にその要素を一応は取り入れたようです。

だがしかし、

今までの「覚える」部分の量は減らさずに、このブルームのタキソノミーを加え、更には英語やプログラミングを必修科目として加え、ますます時間がなくなり、果たして本当の思考力が身につくのか?というと、やっぱり大きな疑問と不安が残るわけです。

もしかしたら、10年後や20年後には変わっているかもしれません。

でも、今の子どもたちには行き届かない可能性が高いと思います。何せ、他の国より既に50年以上の遅れをとっているのですから。その事実を知った以上、もう無視はできない!!

あなたはどう思われますか?

子どもたちの大事な未来を作るのは今です。
ブルームのタキソノミーはランゲージアーツの内容にも直結します。
そして「あなたはどう思う?」を問われる未来にも直結しています。

では、ランゲージアーツでどんなことをするのか?
次回からは、具体的な内容に入っていきますね☆



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