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2021年6月22日(火)

 神学校の授業の参加している。

「テキストレポート」とよばれる、毎週提出しなければならない課題がある。

 テキスト(授業外で読む参考文献)として指定された本を読み、各章を毎週要約していく。最初の週は第一章を、次の週は第二章を、そのまた次の週は第三章を......。

 このレポートの書き方には指定がある。「テキストの要約とそれに対する応答を2,000文字程度で執筆せよ」というものである。

 A4サイズに換算すると、2枚に収まる文字数。1ページめに「要約」を書き、2ページめに「応答」(感想や批評など)を書くというのが自然なかたちとなる。

 一つの章の「要約」をA4の紙1枚にまとめ、できあがったものを眺めると、章全体の構成がよく分かる。

 自分の書くレポートでは、章全体の構成や流れを把握するために、著者が設定した区分(セクション=節)を反映させることにしている。

 各区分につけられた題は太字で強調し、その太字部分を追えば著者のおおざっぱな思考の線を追えるようにしている。いわば、章の流れを「視覚化」するように工夫している。

 上の写真でいうと、「物語文の本質」と題された最初の大きな節のなかには、【物語文とは何か】【3階建ての物語文】【物語文とは何でないか】という小さな節が埋め込まれている。

 つづく「ヘブル物語文の特徴」という大きな節には、【語り手】【場面】【登場人物】【対話】【筋書き】【構造の特徴】【最後に】という小さな節が配置されている。

 要約であるから、細かいところまで詳しく書く必要はない。著者が意図した大まかな流れを把握し、著者が伝えたい内容を見極めることが目的である。

 その目的のためには、著者が設定した区分(章や節)に従うのが得策なのではなかろうか。読書を混乱させることを趣味とする著者でなければ、理にかなった区分をしてくれているはずである。

 また学校のレポートでなく、漫然と本を読む際にも、「この本をA4サイズの紙1枚にまとめるとしたらどうするか?」を考えながら読んでいくと、本全体の流れが把握しやすくなるのではないかと思う。

......

 ちなみに、さらに全体を俯瞰して眺めてみると、多くの本は【本】→【部】→【章】→【節】→【段落】→【文】というような階層構造を成していることがわかる。

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