フィリップ・K・ディックの歴史改変SF小説、『高い城の男』を読み直している。
「群像劇」ということで、身分や国籍もバラバラの、個性的な人物が数多く登場する。
そのため人物ごとにふさわしい言葉づかいが求められる。訳者の方は、とても上手く訳し分けておられるように思う。
なにより、声に出して読んで気持ちがいい。つっかえることなく、すらすらと読める。
だけでなく、人物の感情が上手くことばに表れている。そんな感じがする。
内容は置いておくとして、ことばの歯切れがよく、耳に心地がいい。口に上らせたくなる魅力がある。
痛快だ。