無冠の2冠馬なるか?!【2020オークス】

オークスの見解です。
まずは、土曜日のレースをみるとメインのメイS(1800m)で1:44.3の速い時計がでました。これは、レコードと0.1秒しか変わりませんし、昨年の同舞台の毎日王冠でのダノンキングリーが出した1:44.4を上回るものです。
全13頭の出走馬で前走3着以内の馬が1頭もいなかったことを考えると、引き続き高速状態であることがわかりますね。しかし、先週からの傾向から変わり、メイSでは差し追込み馬(4角9番手・11番手)が2頭馬券内、10Rでも4角12番手の馬、9Rでも8頭中の4角5番手の馬が勝利、7番手の馬が3着とかなり差し馬が台頭してきました。
先週に引き続きのBコースの使用で少し芝の状態が慣らされ、トラックバイアスが解消されたように思います。ついては、極端に前を狙うことはせず、通常の東京の感覚で予想するのがよさそうです。

オークスのレース傾向

オークスのレース傾向を見ていきます。

年々高速傾向になりつつありますが、昨年は驚異のレコード決着。今年も馬場傾向から2:23秒台の決着になりそうです。
全馬に距離不安がある中、前半5Fは、59秒台に入った年が2019、2018、2016とこの5年で3回もあり、さすがに途中緩みますが、ラスト4F目でペースが上がる傾向が見受けられます。前半が流れつつも、ラスト4F戦に強い持続力のある脚のある馬がよさそうです。レースバランスをラスト4Fでみるとペースが流れた年はきちんと47秒のバランスが取れています(下図)。高速馬場ですから、そこまで極端に落とすことは難しいと考え、このレースバランスをターゲットにしたい。

推奨馬考察

王道路線組(桜花賞←チューリップ賞←阪神JF)

デアリングタクト
エルフィンS(京都1600m)で46.3→47.3のハイペースバランスを圧勝。負荷がかかるレースのほうがよさそうで、桜花賞前には桜花賞よりオークスのほうが向いてそうだと思っていた。桜花賞は特殊な馬場だったため、相対評価はしにくいが、世代トップレベルであることに疑いの余地はない。

マルターズディオサ&クラヴァシュドール
まず阪神JFでは、レシステンシアの45.5→47.2のハイペースな展開で、逃げたレシステンシアが上がり最速になるほど脚を削がれた展開で、単純な評価はしにくい。つづく、チューリップ賞では一転47.1→46.2のスローなペース配分で、上記2頭ともに上がり3F33秒台を出す内容で、決して遅くない展開を前目につけて出したものだから結構評価できるもの。阪神JFとチューリップ賞は着順を入れ替えただけで、この世代の上位であることは明白である。あとは距離が伸びて良さが出るかどうかの問題。

別路線組(忘れな草、フローラS)

ウインマイティー
忘れな草賞の勝ち馬で、桜花賞と同日なため特殊な馬場なため単純評価がしにくいが、4Fでみると51.9→47.4の超スローペースで3F目から13.1が3連続で続くほどのゆったりした流れでラスト4Fしか走っていないようなレース。正直このレースを勝ったからといって評価があげる要因はなく、ハイペースバランスだったエルフィンS(デアリングタクト勝ちのレース)では全く見せ場のない7着と忘れな草賞ではペースと馬場に恵まれたとしか言えない内容。ほかの勝ったレースでも特に推せる要因がないことから、好走ローテの勝ち馬ですが買い目にいれるまでもないでしょう。

ウインマリリン&ホウオウピースフル
かなり速い決着となったフローラS組、4Fでみると46.7→48.2のハイペースで前半から11秒台を落とさない厳しいラップを刻む流れで、ラストまでしっかり脚を使う耐久力を求められました。ここまでいくとオークスの傾向とずれますし、好走につながるのかがちょっとわかりませんが、ラスト4F目で息が入っていますし、そこからの脚を見せていますから侮れない2頭だと思います。ウインマリリンはそこまでの切れる脚がないので、うまく立ち回ることが必須で、そういうことができる横山Jは結構怖い存在で、スマイルカナを逃げさせて、うまくペースコントロールできれば、つけ入るスキはありそうです。

その他

デゼル
前走スイートピーSでは、48.4→46.0の超スローバランスで上がり3Fで32.5のタイムは圧巻でした。ただ、同一の1勝クラスのマイル戦で47.8→45.5のよりタイトなレースで、勝ち馬は上がり3F32.8の脚を出しています。この馬が6歳でそれまでの戦歴が(1-2-1-11)の馬でしたから、デゼルの数字を単純に鵜呑みにするのは危険な気がします。ラップ的にも道中12.7-12.5-12.5の相当緩い部分があるところからのラスト3F戦でした。今回は、別路線組の忘れな草賞が重馬場、フローラSが強風と不安要因があるために担がれたライバルな気がしてなりません。リアアメリアの阪神JFのときも同じような感じでした。レーン騎手が当初乗る予定がなかったところもあまり気が進まないところ。

予想

◎クラヴァシュドール
今回、内枠に入り中団内目を確保できそうで、そこからの抜け出しはデムーロ騎手の十八番。位置取りの差でデアリングタクトを出し抜ける要素はありそうです。牡馬上位のサリオスに引けを取らなかったサウジアラビアロイアルカップみせた高いパフォーマンスの東京に変わるのは大きなプラスです。遠征経験があるのも良い。

○デアリングタクト
大きな不利がなければ間違いなくトップクラスですが、内枠に入ったためポジション取りが難しくなりました。とにかくいかにスムーズに外に出すかがポイントで新馬戦では外に出すのに手間取り一瞬離されるところをポテンシャルでカバーする形でした。馬郡が凝縮しやすい東京では、少しでも外に出すタイミングがずれた分が差になりそう。東京競馬場を主戦場としていない松山騎手の分、評価を一段階下げました。

三連系なら相手は、△1,6,8,10,11,16,17,18

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