無敗の2冠馬への道に死角はあるのか【2020】

まずは、土曜の馬場状態から。
今週からCコースに変わり、内先行有利な馬場になるかと思いましたが、そこまで極端ではなさそう。やや先行有利と見ますが、これまでのような極端な状態ではなく、差しも届いています。時計も高速な状態が続いていますので、2分23秒台あたりを想定したい。

展開を考える

 展開面でみると、皐月賞で逃げたキメラヴェリテが不在で、2番手で実質馬郡を引き連れていたウインカーネリアンが逃げ候補でしたが、大外枠に配置されてしまいました。そこまで逃げにこだわる馬ではないため、番手の競馬を選択するとなると、内目のビターエンダーあたりが押し出される形になるか。いずれにしても、前半からペースが上がるとは考えにくく、前半5F60秒~61秒⇒後半5F58~59秒あたりがターゲットになり、ラスト4Fの持続力戦になりそう。

好走傾向

 近10年では、前走皐月賞組が圧巻しており、その他トライアルレースの青葉賞、京都新聞杯、プリンシパルSの4レースからの経由する馬しか好走できていません。前走3番人気以内または3着以内の馬が30頭中28頭と圧倒しており、対象外だったレイデオロは前々走ホープフルSで勝ち、ワンアンドオンリーは、前走上がり最速で力を見せていましたし、2000m戦のラジオ日経賞の重賞勝利経験がありました。根拠なき敗戦はダービーでは好走できないということが言えます。

過去の好走馬のレース戦歴

この図は、過去10年の戦歴をまとめたものです。
色分けは、好走傾向の高いレースを示しています。前走以外に注目すると、弥生賞、スプリングS、共同通信杯、東スポ2歳Sでの好走馬が良さそう。
この図をぼーっと眺めていると、マイル戦線での好走馬がほぼいないんですよね。皐月賞をみるからに、それだけでサリオスを切るのは安易ですが、気になるデータではあります。

結論


◎コントレイル
これは、さすがに逆らっちゃいけない場面だと思います。4戦全勝で、ぶっつけでの皐月賞を大外回るロスがありながら、あっさり勝ってしまいました。叩き2戦目でさらなる上積みが期待できるし、東京コースの経験もあります。しかもその東京コースでは、好走ステップの東スポ2歳Sで、古馬一線級が揃う毎日王冠と遜色ないレースタイムで制しています。他の馬のパフォーマンスと比較しても、2歳の段階で古馬一線級並みのパフォーマンスを見せていた馬は、いません。
昨年のこともありますので、直線伸びなかったなんてこともあるかもしれませんが、そんなことは他のどの馬にも言えることです。馬郡を捌けないなんてことも懸念されますが、前走は内の馬場が荒れていて前にいけなかったとコメントがあるように、基本前目で競馬できる馬です。内目の枠をゲットしたので、好位からの抜け出しをすると見ています。なんなら、すぐに進路が確保できないほうが、鋭い脚が使える気がします。ここは素直に本命に。

◯ワーケア
好走傾向のときに、トライアルレースの4レースしか好走できていないと言いましたが、絶対的なデータとして出したわけではありません。ワーケアは、皐月賞に出られる賞金をもっていましたし、トライアルも使おうと思えば使えました。この理由は、ダービーを目標にあえて使わずに消耗を抑えたとみています。近年外厩技術が発達しており、前哨戦レースを使わず、ぶっつけでの勝利が当たり前になってきました。今回は、それの新たな形のチャレンジだと思っていて、ホープフルSから約3か月あけての弥生賞。そこから、さらに約3か月あけてのダービーという緩いローテーション。間になにかトライアルレースを走ってしまうとタイトなレース間隔になってしまい、消耗してしまうので、この選択はある意味で面白いと思います。別の選択肢としては、皐月賞を初戦とするパターンは、かつてはレイデオロで成功していますし、今回もコントレイル、サリオスがやってきています。アイビーステークスでは、重馬場ながらかなり鋭い脚を使い、東京コースの適正は疑いの余地がありません。ルメール騎手が乗ることからも、ノーザンファームの一番手はこの馬とみます。

▲ヴァルコス
好走ローテーションの青葉賞組。青葉賞の内容が圧巻で、終始外外を回り、向こう正面では位置を取りに行く強気の競馬で、脚を使いっぱなしにも関わらず衰えない長い脚を披露して一番強い競馬をしていたと思います。ダービーは、大外枠がこないのは有名ですが、2017年、2018年と連続で好走してきている枠で、枠だけで切るのは安易な判断です。むしろ鈍足なこの馬にとって、大外枠は好枠で、内枠だった場合、スタートで出していっても包まれてしまい結局最後方まで下げて外を回る羽目になります。ならば、最初から外枠のほうが、もはや外を回っていく選択肢しかありませんし、先行できないことは前走でわかりましたので、前半は無理せずに緩んだところでポジションを取りに行く、前走の再現を狙う以外にこの馬の好走の道はありません。前走からの継続騎乗が心強いですし、昨日3勝の三浦騎手に強気の騎乗に期待したいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?