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必ず合意!相手の幸せ考えて - VRえっちから考える肉体えっちで大切なこと

 バーチャルえっちのメリットはなんだろう。なりたい姿とか創りたい関係とか空間を越えるとかいろいろあるにしろ、一番のメリットは「一切の有形力が使えない」ところだと思う。ブロックや移動など、相手に会わないことができる世界。何をするにしても能動が必要なため、VR睡眠でもしない限りは必然的に「合意が無いと絶対にえっちできない」ようになっている。

 妊娠や性感染症の可能性がある肉体えっち。一番の問題は「合意無しにえっちができてしまう」ことだ。合意の醸成には少なからず関係性が必要で、パートナーはもちろんのこと、単に生物的な衝動で集まった人間でも、行為の実行までに理性的なプロセスが生じて関係性が生まれる。個人の自己決定権が尊重されてこそのえっちだ。だから性暴力加害者にとっては理性が邪魔で、薬物やアルコール、有形力、経済・業務・家庭内の力関係の乱用で、理性による自己決定を無効化しようとする。

 そもそも「関係性」は「お互いの現実の共有」を基に生まれるバーチャルな概念。肉欲に準拠しつつも、理性のもとに決定された肉体えっちはバーチャルえっちの範疇だ。もし、相手が意識を持った人間でありながらも、相手の決定権を尊重できずに、あなたの感情を優先した“交尾”をしたいのならば、あなたは社会をはじめとした「現実を共有する」という一切のバーチャルを捨てていると言える。生物的にヒトはサルの一種でしかない。森へ帰ってニホンザルとヤってればいい。バーチャルに基づいているから人間と言えるのだ。

 バーチャルえっちは互いの協力無しに成り立たない。現代一般に普及している技術でバーチャルえっちをすると、身体(アバター)が突き抜けてしまったり、直接触覚を得ることが難しかったりする。突き抜けないように相手を触ったり、言葉でどこを可愛がっているかを詳しく伝えたりといった努力が必要だ。相手との関係性も大切で、バーチャル風俗X-Oasisや、一部のバーチャルパパ活をする人間は「シチュエーションプレイ」をプランにしている。私にとっても、大好きな人との愛を伝え合うコミュニケーション手段として、協力し合いながらするバーチャルえっちは一番幸せな体験だ。

 バーチャルえっちは性質上特に合意と協力を必要とするものの、肉体えっちだって同じだ。子作りを目的としたえっちだって、関係性を深めるえっちだって、肉欲を消化するためのえっちだって、大切なのは「お互いが幸せになること」。直接相手に触れるのは肉体だが、それをどう動かすか考えるのはあなたの理性だ。むしろ、相手を簡単に傷付けてしまう可能性がある有形力を基に成り立っている肉体えっちこそ、合意と協力、お互いの幸せを考える理性を忘れてはいけないのかもしれない。元を辿ればVRは、人間が現実のシミュレーションをするための技術。バーチャルえっちで大切なことは、当然肉体えっちでも大切だ。

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