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初利用!国立国会図書館

🍵眞葛焼のために何が出来るかを考えるnoteに、
ようこそお越しくださいました🥰

🍵今回は、6月14日に訪れた国立国会図書館のことを、
お話しようと思います。前回、記事の文量が多かったので、
今回はサックリ簡潔に5分で読めます📝💡

今日のひとり言

最近、デパートや駅の露店で見かける陶器は、ほぼ美濃焼(岐阜)ですねぇ。有田(佐賀)、瀬戸(愛知)、備前(岡山)がそこにポコポコ混じってます。陶に強いお店に行けばラインナップは変わらず豊かですが、少しずつ脱落する産地が出てくるのでしょう……

🌟前回までのあらすじ……

🍵リサイクル粘土研究開発の第一人者、安諸一朗さんのアトリエにお邪魔して、3時間お話を伺いました。そこで得た、次へ繋がる情報が、

  • リサイクル粘土が最も活発なのは岐阜県の美濃焼。

  • 国内粘土の資源枯渇。陶磁器や釉薬に使用する原土は、国内では後100年もたないが、中国の景徳鎮には、向こう一千万年分の粘土がある。

  • リサイクル粘土と眞葛焼には接点がない。こじつけるなら取引のメリットを示し、企画者自身にも相応のバックボーンを求められる。

とのことです。

兎にも角にもまず国立国会図書館で情報を集めよう!と、何らかの収穫を期待して猪突猛進してきました。

長ぁい回廊
進みます
モニュメント。どういうコンセプト?
新入りはまずココから
この人だれ?

「国立国会図書館」の英訳は、「National Diet Library」とし、その略称は「NDL」とする。

TDL(東京ディズニーリゾート)っぽいです……

はじめましてNDL!今回は何を調べよう

中は撮影禁止なので写真をここに掲載することは出来ませんが、

とにかく、広いんですよめっちゃ。モザイクタイルの綺麗な内装です。
メインで使用するエリア(本館と新館の1F2F)だけでも一日回って疲れ切りました。

  • 中の地図を頭に叩き込む

  • 資料の閲覧方法を理解する

  • 複写の手順を覚える

  • 私物管理(失くさない)

初日はこれにかかりきりで、メインディッシュ(検索閲覧)を楽しむ暇がほとんどありませんでした😭要領悪い😭

行きたいアトラクション(エリア)だらけで、もう一日じゃ回りきれない
ますますディズニーリゾートですよ🎡

早速 「安諸一朗」で検索かけましたが、論文が一向に見つかりません。
リサイクル粘土、再生、陶土、など、関連ワードを追加してみましたが引っ掛からず。
私、普段から検索下手で、買い物の調べものとかも旦那さんにお任せしがちなんです。

なので、安諸さんが仰っていた、「岐阜県セラミックス研究所」の研究報告書、岐阜県は日本の陶磁器の先端とみて、その研究内容はきっと参考になるはず……!!
と雑誌カウンターで2023年から2019年まで取り寄せ、さかのぼって5年間の研究内容を調べ、この日は帰宅しました。

岐阜県セラミックス研究所2019~2023年研究報告

年次を跨いで研究が続けられているものは重要性が高いとみて、その成果を追いました。その中で、眞葛焼普及啓発あわよくば復興に関係ありそうなものをピックアップです!

注目研究①高付加価値食器の開発

・メタルマーク(金属傷)をなくすための研究です。
➡ここで注目したのは、高付加価値の定義が、『高スチームや長時間の電子レンジに耐える』『繰り返しの洗浄に耐える』など、装飾的デザインではなく実用的デザインの研究を行っているということです。実際、上絵付などの装飾は、実用デザインの壁になり、結局、絵付けなしの透明釉が一番連続長期使用に耐えると結論されていました。審美性と実用を兼ねるのは、現時点ではかなり難しい技術のようです。
➡実際、長期使用に耐える食器が出来たとして、入れ替われない、新規購入がされないというのも困るかも、とも思うのですが、程よい耐久性が購入促進につながるのは確かですね。

注目研究②美濃焼ブランドの新たな付加価値開発

・訪日外国人が近年注目している『和食』『伝統工芸品』から、海外新規客獲得への美濃焼の提案の研究です。
➡コンセプト検討に当たって聞き取りを行った結果、

「訪日外国人は美濃焼の伝統釉薬に興味がある」
「シンプルな色数と柄を好む」
「特に鼠志野釉、志野釉を好む」
「湯呑など大き目の寸法を好む」
「手工芸品の販売額は伸びてきている」

との情報を得たとあります。これは今後の作品のビジュアルイメージの方針に有効です。現代人のセンスと初代香山の味の差異が判ります。

こういうのが現代人の好みのようです。

今回NDLに行って分かったことまとめ

  • 現代の『良い陶磁器』の基準は、視覚的デザインより、実用的デザイン。その開発は、専門機関でも長年苦戦している。

  • 陶磁器の先端、岐阜県では、美濃焼を世界的にアピールするため、国内外を問わず現代人に受けるデザインを研究している。志野釉と織部釉が人気。黄瀬戸釉と瀬戸黒釉は訪日外国人に不人気。和食や箸食という日本文化と合わせてアピールしていく方針である。

眞葛焼にどう活かす?

眞葛焼の代表技法は、日用食器として現代では通用しない。破損と隣り合わせの細密表現である『高浮彫』は元より、『釉下彩』の再現において、複雑な色彩表現の為に初代香山は複数回本焼成を行っていたが、釉薬原料の枯渇、さらには将来の日本陶磁器の焦点となりうるリサイクル粘土の本懐が焼成温度の低減そしてエネルギー削減を目標としており、時代の考えと逆行してしまう。

新・眞葛焼をどのターゲットに売るかを明確にしなければ。

現代人の好みに合った作品作りは、現代作家たちが常に追求しているはず。
問題は、現代陶とリサイクル粘土を、眞葛焼とどう関連付けるかである。

横浜で活動している陶作家さんたちと交流したい

具体的な方法を探さねば……

  • 有名美大のOB会に潜入できないかな。文化祭って一般公開?

  • 地域の陶芸教室って、横の繋がりあるのかな?

  • FBのグループでは発見できなかった。

おまけ

コンセプトを検討するにあたり、「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に基づいて指定された伝統的工芸品を扱う店舗と、伝統工芸士に認定された作家、関西大手百貨店のバイヤーに販売傾向の聞き取りを行った。

岐阜セラミックス研究所研究報告2019年より引用

……そんな法律あるの?!😧😧

NDLで検索したらその法律の解説書が見つかったので、全文読み次第またこの記事にアップします。

んもー眞葛焼復興の道、とても険しい……


参考資料:NDL所蔵資料(新館雑誌コーナー)
岐阜県セラミックス研究所研究報告2019年
岐阜県セラミックス研究所研究報告2020年
岐阜県セラミックス研究所研究報告2021年
岐阜県セラミックス研究所研究報告2022年
岐阜県セラミックス研究所研究報告2023年

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