B2Bメーカーの海外営業に思うこと

こんばんは。B2Bメーカーの会社で海外営業をしております。

初めての投稿となりますが、本日はB2Bの有形商材を扱っている企業の海外営業についての話をしてみようと思います。

まずは私の経歴にからですが、
大学卒業後、電子部品メーカーに就職
入社後3年間は国内営業として自動車業界を担当
4年目より海外営業としてアメリカの顧客を担当(果物のあれ)

最初の3年はいわゆる国内営業に配属し、大手メーカーの営業担当をしておりました。ここで言う営業とは、顧客が開発している部品に対して自社の製品を提案し、採用して貰う事を目的としております。アポを取りから面談を実施し、開発スケジュールや要求仕様を確認しながら製品提案を進めていくスタイルで、皆様にも馴染みがあるのではないでしょうか。要するに顧客の”直接”の窓口として社内外の調整をするパイプ役です。ここでしっかりと学べば、自社や顧客の開発プロセスを学ぶ事が出来、仕事の回し方が身につきますし、知識を増えて行きます。

それに対して海外営業とは、”間接”的に業務を行うポジションで、顧客と話をする機会はほとんどありません。海外にある支社や子会社との調整がメインになると思います。現地にいる営業担当がそれぞれ担当してる顧客とからの、要求事項等を海外営業に投げてくるので、内容を翻訳して関連部署に要求をする、言わば社内間だけのパイプ役が主になると思います。国内営業にいた私が異動した当初は、バリバリ海外出張に行き、顧客と打ち合わせをすると思ってましたが、実態は海外にある自社工場や顧客の工場に行き、品質問題や納期問題の対応等ばかりでした。さて、海外営業に配属して2年経過した今、今感じる事を書いていこうと思います。

①海外顧客の要求はストレートが発言が多い

日本の顧客の場合、お互い気を使う事が多く、気を使いながら仕事をするが、海外の顧客は、「これが必要だから明日までに出して」と依頼してくるのですが、その理由を聞いても返信してくれる事が少ないです(現地の営業担当経由で聞いても明確な回答がもらえない)。アジアにある出荷先の工場に関しては、発注済みの注文に対しても、「もう必要ないから出荷しないでほしい、出荷しても通関で受け取り拒否して送り返します」なんて言っている事もありました(流石にこれは顧客のマネージャークラスに厳重注意をして貰いました)。

②意外と出張が少ない

これは私の会社に限っての話かもしれませんが、担当者レベルでは、年に2~3回くらいしか海外出張がないです。特に私が担当している顧客は、普段から面談をする機会が少ないので、アメリカに出張しても空出張になってしまう可能性もあります。その代わり、アジアにある自社工場や顧客の工場(実際に製品を作っている場所)に行く機会はあります。製品提案というよりかは、先々の所要情報等の話が多いです。また、当社の製品で困っている事はないかの品質パトロール等も行っております。逆にアジアの顧客を担当している人達は、出張費も安く、時差もあまりないため、2ヶ月に1回は出張している人たちもいます。アメリカだと出張費も高いし、あまり積極的に行かない文化かも知れません。(2021年はCESというラスベガスで行う展示会に行き、その後サンノゼに出張する予定でしたが、コロナのせいでキャンセルになりました。。。)

③顧客に関わる全ての事を担当する

これも私の会社に限ってかも知れませんが、顧客に関わる全ての仕事を担う必要があります。例えば、工場の監査対応、製品提案資料の作成、製品の出荷関連資料の作成や出荷計画の立案等を担当しております。開発センターや工場がアジアにある為、必要な社内調整は全て日本で担当しております。アジア側の支社や北米支社からの依頼が一気に集約し、社内の関連部署との調整を行う為、現地より労働時間は多くなってしまいます。

これだけだと、ただの調整役じゃないか、思う方も多いと思います。実際私も最初のうちは、自分の事を雑用係だと思ってました。ですが、視点を変えて、”現地の仕事が進めやすい様にサポートする”、”本社側の意向通り進める事が出来る様、現地をコントロールする”と割り切る事で今までと違う視点で仕事をする事が出来ました。顧客と現地の両方に説明が出来る様な資料をどの様に作るか?、現地の意向と本社の意向の食い違いはどこにあり、どの様にすれば合意出来るか?等と、国内営業にいた時とは別の考えで仕事をする必要があるので、また別の視点で物事を考える事が出来る様になります。

海外営業の人間は、直接顧客の窓口ではないからこそ、自分の役割を明確にする必要があると思います。社内調整がメインにはなりますが、現地担当者が仕事を取って来た時の喜びは、直接営業をしていた時と一緒だなと思います。現地のサポート役でもありますが、counterpart(片割れ)という意識も持ちながら仕事が出来れば、海外営業の面白みも感じる事が出来るかなと思います。



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