不良校では「雲崗の石窟寺院」を教えないのかもしれない

高校の世界史で「雲崗の石窟寺院」を教わると思う。中国の石窟に作られたでっけー石仏がある寺院だ。世界遺産として登録されている人気スポットなんだそうだ。

しかし、私は高校の世界史の授業でその名を聞くことはなかった。先生は「雲崗の石窟寺院」をとばして授業を進めたのだ。
私は「あっ、ここ授業でやらないんだ」と思い、すぐに理由を察した。きっと、この単語を声に出すと教室が荒れるからだ。

うちは偏差値の低い高校で、不良がいっぱいいた。不良8割、残りの2割はオタク。そういう高校だ。

こういう状況において「うんこうのせっくつじいん」と発音するのは非常にリスクがある。

まずド頭から「うんこ」が出現する。しかも後半の「せっくつ」はしっかり発音しても「アレ」に聞こえる可能性を持つ。

きっと先生が「雲崗の~」と言った瞬間、教室はどよめき、嘲笑があふれ、先生が「静かに!」と注意することになるだろう。このときの先生の気持ちを考えてみよう。……いたたまれない。
「私が授業中にうんこって言ったみたいになってるじゃん!」と思うかもしれない。

しかも、試験のときにはアホな不良が悪ノリしてテスト用紙に「うんこS〇X」と書いて提出してくるかもしれない。それを目の当たりにした先生は「ハァー、くだらねぇ」と思いながら無味乾燥な赤いバツをつけるのだろう。何も知らないふりで。

そういうリスクや、大学進学率の低さ(ほとんどの子には関係ないし、進学する子は自分で勉強するだろう)を考え、先生は「雲崗の石窟寺院」を飛ばしたのだろう、と当時は考察して納得していた。

もしかすると、単に時間が足りなかったから省いただけかもしれないけど。

最後に、雲崗石窟にかかわるすべての人にごめんなさい。

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