ラブライブ!のオタクが見た地下アイドルの世界

地下アイドルの現場に飛び込んで7ヶ月、今回は元々ラブライブ!のオタクである自分から見た、地下アイドルの世界の特徴をつらつらと書いてみた。
前回記事は自己分析ということもあり余計な私情は極力排除してきたが、今回は本音ベースの内容も含まれている。

①コール/MIXが独特かつ非常に種類が多い

声出し可能の現場に行くたびにびっくりさせられるが、演者さんや曲ごとに千差万別なのである。家虎などよくあるコールからMIXや口上まであり未だに覚えられないが、おそらく覚えるものではなく、その場の雰囲気とノリでやっていくものなんだろうと感じている。
学歴の暴力の現場は他の演者さんと比較して声を出すことが少なく、そこも参入しやすいポイントだと感じた。最近、旧帝大MIXなるものが生み出されたが、英語版やアイヌ語版みたいなのがなくて覚えやすい。私が唯一まともに覚えられたMIXである。
現在コロナ禍ということもあり声出し禁止の現場もある。そういった場合は声出しの代わりに手拍子となり、初心者でも参入しやすいなと感じた。

ラブライブ!のライブの話をすると、μ's時代(2016年まで)は曲ごとに独特なコールが多かったものの、Aqours以降(2017年以降)はどの曲でも使える共通的なコールであることが多い。μ's時代はコール警察が多すぎて会場が荒れたこともあったので、それで廃れていったのでは、と個人的に思っている。
ちなみに家虎は厳禁である。暴力沙汰のきっかけになる(実際に何度かあった)ので本当にやってはいけない。

②現地参戦がしやすい

ここでの「現地参戦がしやすい」は、チケットが入手しやすい、ということである。(現地参戦する敷居が低いという意味ではない、①の事情により寧ろ敷居は高い気がする)
地下アイドルの現場は、基本的にチケットの売り切れがない。何なら、当日急に行きたくなったとしても当日券の力で入ることができる。
数少ない争奪戦になった現場は、2022年11月の京大祭くらいである。会場全体で日付ごとの人数を限定したためか予約サイトが全くつながらず、つながった頃には既に満員。ここまで熾烈な争奪戦はとても久々だった。

ラブライブ!の場合は、基本的にはCDやブルーレイを購入し、それに付いてくる抽選申込券で応募する。しかも1枚では心もとないので、同じ商品を複数枚積んで抽選申込券をかき集めることもままある。
まず抽選申込券を揃えるのにお金がかかるし、積んでも当たらないことは珍しくないので精神的にもよろしくない。当たればもちろん嬉しいが、チケット代も決して安くはないし、東京開催が基本なので交通費や宿泊費もかかるのが何気に痛かったりする。

③演者さんとの距離が近い

近い。本当に。
まず、ライブでの物理的な距離が近い。とくに最前列なら目と鼻の先だし、後ろの方でもよく見える。
さらに、特典会にて演者さんと交流できることで心の距離感も近くなる。1回あたりだいたい2分くらいなのだが、その時間だけで十分に演者さんに対して親近感が湧くし、交流をちゃんと楽しめることがよく分かった。これは本当に地下アイドルならではだと思う。

またラブライブ!の話になるが、こちらは会場のキャパが基本的にでかい。ドーム会場になると、前方であれば確かにステージが見えやすいが、どうしても「近い」というほどではない。いわゆる天空席だと、本当に豆粒にしか見えない。

④地盤が非常に脆弱

地下アイドル現場に通って、私が最も強く感じた特徴である。
地下アイドルの現場は、一現場で複数のグループが出演する。その中で、毎回どこかしらのグループで新メンバーのお披露目があったり、メンバー卒業告知がある。新メンバー加入だけでなく、卒業までもが茶飯事なのである。
推しでなければそこまで気にすることはないのかもしれないが、あまりに頻度が高いのである。自分の推しでもメンバー卒業、ひいては解散があると思うと他人事では済まされない。
③の通り、演者さんとの距離感が近くなれることが地下アイドルの特徴であり嬉しいポイントでもあるが、その裏返しで、距離感が近くなる分メンバー卒業、そして解散に立ち会うのはそれだけ精神的に辛いものになる。距離感が近いことは薬になる一方で毒にもなるのである。

また距離感を誤ると地獄になりうる。
推しがいつまで活動できるか分からないから、私は「推しは推せるうちに推せ」を信条とし、推しの現場にはできるだけ通うようにしてきたが、距離感がバグると自身が危うくなるとも感じた。その場その場を刹那として楽しむ気持ちと、ある種の諦観と、「でも幸せならOKです」の精神を持つことが重要なんだろう。

じゃあラブライブ!はどうなんだ?ってなるけど、なんだかんだ10年以上続いているコンテンツなので割と地盤はしっかりしていると思う。それでも、(事実上の)グループ活動停止があったり、声優さんの降板があったりするので、地盤があるとはいえ、やはり何が起こるか予測できないので怖い側面はある。


何も気にせず趣味として純粋に楽しめられればいいのに、何だかそれが難しくなってきている気がする。


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