燈子
自分で書いた、短編と呼べないくらい短いお話をまとめています。ほとんど続いていませんが、たまに設定が同じ時があります。
「嘘つきだよ」 そうだね。黙ってコーヒーを飲みながら、瞬きだけで同意をした。 「分かって…
冬が終われば春が来るのだと思っていた。疑いようもなく。 夏を堪えれば秋になる。そういうも…
許さないのが、世間ではなくあなただというのならば、私が負い目を感じているのも、私が私を許…
言葉を扱うことは、言葉に代理をしてもらうこと 近くて遠いそれをなるべくこちらに手繰り寄せ…
便利な言い回しを多用しがちだけれど、果たしてそれが正しく言い当てられているのかは、いつ…
私でなければいけないことも 私にしかできないことも 探したってあるわけがない 全部代替可能…
幸せでありたいと願っていた。そういう風に思っていた。全部気のせいだった。最初から望むも…
溶けて全部わからなくなる。境界が曖昧になってゆく。私で在る苦痛が少し和らぐ。その代わり…
魂を失っても人は生きていけた。これだけは奪わないでと懇願したものを自ら捨てた次の日も、…
エヴァンゲリオンが終わった。 日をまたいで二度観て、色んなものを引きずったまま、どこ…
アルミ缶の潰れる音がして、そうして私の世界は終わりを告げた。後には何も残らない、ひとつ…
例えば明日世界から私が消えてしまうとか、そういう消極的な消失願望をずっと抱き続けている。…
昔教えてもらった愛着障害のセルフ診断を、また久しぶりにやってみた。何度やっても結果は同じ…
身内が見たらすぐ分かりそうだなあと思いながら書いている。 ついに男親の方から「一度でいい…
大きくなったら。自分を傷つけたい気持ちも、誰かに愛されたいと喚く心も、落ち着くと聞いた…
急に、本当に急に。ふと、納得したり理解したりすることがある。すとんと、胸に落ちてくるそ…