ごめんねとありがとう
理解してもらえなくていい。理解してもらえるなんて思っていない。
理解できるとも思えないし、理解できているとも思ったことなんてない。
自分の事も、人の事も。
でも、そう・・・ほんの僅かでいい。
同意でも賛同でなくても「そうなんだ」とか「なるほど」みたいな認知程度に・・・いや、認めてもらえなくてもいい。
ただ、ただ知ってもらいたいだけ。
どこかの、誰かに。
※以下、非常にプライベートなこと&かなり長文なので興味のない方はThroughしてください。
義実家を業者に片付けてもらった。
義母が亡くなってまだ8ヶ月。
義実家を片づけるには早すぎるかのも知れないし、それに対して他人にどう思われるかと考えるとしんどくなる。
よく死んだ親父は
「美枝子(私の母、親父にとっては妻)は薄情なヤツやけん」
と言っていた。
きっと私は母に似て薄情なんだろう。
今回ほど強くそう思ったことはない。
私の中では母は薄情だなんて思ったことはないし、むしろその真逆だと思うけど、私は本当の意味で薄情かも知れない。
利己的な薄情者なんだと思う。
【義実家を片づけて、自分たちが住み、今の自分達の住まいに私の母を移り住ませる】
そうなったのは私の希望だからであろうし、それを否定することはない。
義母が亡くなり、主を亡くした義実家をどうするか、主人や義妹さん達が話し合っていた。
私の中では別段どうしたいもなく、売ってお金を兄弟三当分にすればいいかと思っていた。
でも私がとやかく言う立場ではないと思っていたので口を出さずにいた。
奈良義妹さんは義母の生前に「家は兄ちゃんにってオカンが言うてたよ」と義母の意向的なものを聞いていた。
義母の姉妹からは「アンタら住むんか?」と聞かれたりした。
もしくは「はるさんのお母さんに住んでもらったら?」とも声をかけてもらうことも。
そんなこんなでなんとなく、家については兄弟ではなく「主人がどうするか判断する」という流れのように感じた。
主人にどうしたいかという気持ちを確認したところ
「家は手放さずに置いておきたい。自分達の老後の住まいのためにも」
と言った。
私は主人がしたいようにすればいいと思っていたし、主人が決めたことや主人の気持ちに添えるようにしようと思っていた。
ただ具体的にどうしていくか現実的なことを踏まえて話してみたところ、長らく空き家にしてしまうにも管理や維持などが大変なので移り住むに越したことはないはないかなとなった。
そうなると現私たちの住まいは水道・ガスなどを止めてしまい、毎月の出費を抑えられるようにしようかという話に至った。
私たちの現住まい、つまりお店の上。
家賃はお店と住まい併せての契約なので使わないでも家賃が下がる訳でもないし、どこかの誰かに借りてもらえるわけでもない。
そこで私はふと
「もし・・・なんやけど良かったら、ウチのオカンに上に住んでもらうことはどないやろ?」
と主人に告げた。
ここ数年、母は救急車にお世話になることが増え、奈良が近いとは言え、いざという時はやはり不安な距離感ではある。
いつも主人は「(自分や私の身内も含め)家族は近くにいるのが一番いい」と言ってくれた。
それもあって姉たちが引っ越す話が持ち上がるたびに「ウチの近所に来たらいいのに」と声をかけてくれてた。
だから、主人に甘えて母を近くに呼ぶことはどうだろうかと相談した。
主人は二つ返事で
「そや!それがいい!お母ちゃんがなんて言うてくれるかやけど、それはエエと思うよ」
と答えてくれた。
そう、オカンが何と言うか。どう思うか。
その方が主人に相談することより、私は不安だった。
母のことだから頑なに「アンタらの世話になりたくない。迷惑かけたない」というだろうと良くない返事を想像していた。
が、これまた母も二つ返事で
「アンタらがかまへんのやったらそっちに移らせてもらう」
と即答だった。
正直めちゃくちゃ意外な反応でビックリしたけど、母も老いに対する不安は隠せないんだろう。
度々救急車などのお世話になることも出てきたし、近くの方が私らの負担にならんとも思ってくれてのことだと思う。
それから母と主人も含め、改めて時期的なことなどを踏まえて話をした。
ちょうどまだ初盆や暑い夏もあるし、片付けや母の体調なども考えて、来年早々くらいをめどに引っ越しをという流れになった。
あくまでもそれは一つのめどであって、絶対にそうせなアカンというわけではない。
それは充分にわかっているし、誰を無理強いするつもりもない。
ただ若干、私の中には一抹の不安がある。
「私の家族事のささやかな夢や希望は叶えられない」
というジンクスが私の中でついてまわっているから。
若い時、叶えられなったことがある。
幼いころに両親が離婚して家族はバラバラになったけど、たった1度でいいから家族5人(オカンと親父と姉たち)で食卓を囲みたかった。
親父の還暦、私の再婚と事あるごとに機会を設けるが直前になると肝心の親父かオカンが断りを入れてくる。
親父には店にも来てもらいたかったし、誘ったこともあって、1回は来てくれそうな流れになったけど、やっぱりそれも叶わなかった。
家族でご飯を食べたかっただけやのに。
親父に店を見てもらいたかっただけやのに。
そんな簡単なことが全く叶えられない。
普通の家庭では普通のことが、ウチの家庭では普通にできない。
些細な希望が叶わない。
だから、やっとオカンと近くに暮らせると思っても、またオカンが直前になって断る可能性もある。
もしくは私らが義実家をどないか出来なくなることもある。
考えはネガティブに、マイナスに傾いてしまう。
それが私の性格だから。
そんな不安ももちろんながら、義実家の片付けはどないしたらイイやろ?という不安もあった。
主人は去年末くらいからひどい五十肩で思うように動けないし、私も更年期のせいで不調なことが多い。
義実家の荷物を処分するとしても、営業したり、パートしつつ、休みの日に片づけたり、大型ゴミの日に義実家に行ってゴミ出ししたり・・・というのは現実的ではない。
かといって誰かに手伝ってもらえるほどの人脈もなければ、すでに周りは自分達と同じくらい老いているので頼み辛い。
そうなると業者に依頼するしかないけれど、果たして幾ら掛かるものやら。と経済的な負担も不安要素になっていた。
そして初盆も終わり、夏も過ぎ行く頃合。
引っ越すことを決めたくらいのタイミングから主人は少しでも引っ越しの手間を少なくするようにと今の住まいにある荷物を義実家に運び出してくれていた。
一向に片づけない義実家にどんどん運びこまれる荷物。
私的なことで私が身動きが取れない中、片付けなアカンというプレッシャーがどんどんたまっていく。
自分の事が落ち着いたらと言い聞かせながら、やっとひと段落したタイミングで片付けをどうするかを主人に再び相談した。
まずは義実家に様子を見に行ったところ、義実家の荷物は到底2人で処分できる物量ではないと思った。
子供の頃から主人が育って、家族5人が過ごした一軒家。
義母がいくら生前に片付けをしていたといっても、片付けきれないもの(片付けられないもの)がたくさん残っている。
正直、私は途方に暮れた。これは2人で片付けるには厳しいなと。
家具や食器、全て使えるものだからそのまま使えばいいのかも知れないけれど、そこは大変申し訳ないが自分達の住まいとして整えたいと思った。
主人や奈良義妹さんは、あまりモノに執着や思い入れが強くない方だけど「使えるものは使うたらエエんちゃう?」「使うてない部屋があるんやから、そこに置いといたらエエちゃう?」というタイプなのは理解している。
私はモノに対して執着や思い入れが強いタチだけど使わないものは要らないし、不要なものは置いておく必要がないと思ってしまう。
使わないで収納されていても、いずれどこかのタイミングで処分しなければならない。
その時、今以上にまた老いが進んで、そういうことも億劫になる。
出来ればお金も体もある程度、融通が利くくらいの間に色々整理しておきたい気持ちが強い。
何より、自分達の「終の棲家」となるんだから自分達の気の良いように住みたいと思った。
そんな自分の想いや考えを伝え、主人も同意してくれたので業者を使うて片づけることにした。
ただ一つ「それは私の我儘だろうか?」と苦悩する気持ちを誰にも打ち明けられずに。
それから、どこの業者にするかなどネットで探して、主人に見積もりなど連絡してもらうようにお願いした。
4件の相見積もりをとってもらったが値段は20~10万円代。
もちろん一番安いところにお願いした。
いざ、片付けることが決まったので姉たちに報告した。
その時に姉たちから
「急がなくてもお義母さんが亡くなってから、まだ1年も経ってないし」
「お兄ちゃん(主人)の気持ちがまだ整理ついてないかも知れない」
「私でも義父が亡くなって片付けるのに3年かかった」
「実母が亡くなって数年経つけど、未だパパはお母さんの荷物を処分し切れてない」
「引っ越すのは、はるちゃんとオカンを思ってくれてのことでお兄ちゃんの本心でないかも知れない」
と意見をもらった。
確かにそやね。そうかも知れない。
でも、事あるごとに姉たちに逐一相談や連絡して、母が大阪に引っ越してくることを相談したときも「それはよかったね」と言うてくれたんは、なんやったんやろ?
来年早々くらいに引っ越そうと思ってるということを話したときも「無理しなや」と言うてくれてたよね?
なんで業者が決まって、いざ本格的に動き出したら時期が尚早みたいなニュアンスが出たり、主人の気持ちを大事にしてあげてと言われるんだろう?
そもそも主人と何回も話し合っているし・・・母には相談や話し合いはもちろん、そのことを逐一姉たちに伝えていた。
その上で、今更そんな意見の意味は?
むしろ、私自身が本当に抱えている迷いや不安な気持ちへの理解は?
義実家の片づけや引っ越しは、ただの私のわがまま、エゴと思われているんだろうか?
些か疑問だった。
主人は義妹さんたちに連絡した。
具体的な日にちが決まったので、必要なものがあればそれまでに引き取っておいてほしいと伝えた。
というか、荷物の引き取りは引っ越すことになると気持ちを固めたくらいから義妹さん達に何度か伝えていた。
そして、具体的な日時が決まってから奈良や徳島から荷物を引き取りに来てくれた。
モノに執着がない気質の家庭と思っていたが、アレもコレもと何かしら想いのあるものは引き取ったようで、それはそれで想い残すことのないようにと安心した。
ただ、私たちが本当に何もかも一切合切処分すると思っていなかった様子。
いや、何度も伝えていたんだけど本当に処分する、それもこんなに早くとは思っていなかったようだ。
全部片づけるの?と問われるので、片づけてしまうので必要なものがあれば引き取ってほしいと伝えるも自分達は別段不要だという様子。
自分達も不要なのに、それでも尚それらを処分せずに置いておかなければならないのだろうか?
また色々私の中で疑問が沸々と沸きだす。
片づけると話した途端、周りのみな口裏を合わせたかのように「ボチボチ片づけたらいいやん」と言う。
ほな、実際に誰が片づける?いつ片づける?
申し訳ないけど、片づけるのは全部私たちで「ボチボチ片づけたらいいやん」という人がやってくれる訳でも手伝うてくれる訳でもない。
ましてやそう声をかけてくれる人は、ほぼフリーな方々で仕事には追われていない。
フリーならボチボチ片付けられるかも知れないけど、私たちは週1日のお休みで、9~21時の間営業してて、なんならパートにも出ている。
近いとは言え、住まいは別々だから義実家と家を往復して、ボチボチ片づけるって・・・申し訳ないけど私には全くイメージができない。
さらに現住まいの片付けや整理はもちろん、母の住まいの片付けや引っ越しだって、何かしら手伝うのは私たちだと思っている。
フリーであるにも関わらず「遠いから」「用事があるから」「血縁ではないから」と私たちの荷づくりや母の引っ越しを手伝ってくれるとは思えない。
もちろん、そんなことは当たり前だ。
それぞれに生活があるから、そんなことは無理だとわかっている。
距離の近い者、協力したい者、やるべき者がすればいいと思っている。
それだけにコチラの決めていることに第三者から「建設的ではないナニか」を言われるのは些か抵抗を感じてしまう。
徳島義妹さんが荷物を引き取る中での話の中で「土地や家屋の価値は幾らぐらいなのか」みたいな話も姉妹の中で出たそうだ。
と言って徳島義妹さんは別にお金が欲しいわけでもないし、私たちが住むことに反対ということでもないらしい。
うん???
申し訳ないけど、全くその思考回路が分からない。
それを知って、どうなるんだろう?
じゃあ、私たちどうしたらイイんだろう?
というか、どうして欲しいんだろう?
もう色んな感情が渦巻いて、自問自答と自責の念でここしばらくキツかった。
それでも日常は平静を装って過ごすわけで。
もちろん、主人も義妹さん達も同じように処理できない感情があるのかも知れない。
そんなことは充分踏まえた上で、さらに自問自答を繰り返す。
ねぇ?私は、どないしたらよかったんでしょうね?
答えの出ない押し問答を日々続けていた。
そんな中、自分の内にある色んな感情の中からシンプルな自分の気持ちを砂地獄から掬うような気持ちで探しあげた。
私は義実家が欲しいなんて思ったことはない。
主人が義実家を残したいといった意に沿って2人で話し合って、それなら住もうとしているだけ。
住む以上は義実家を相方さんに遺したいと想ってくれた義母に、譲ってくれた義妹さんたちに感謝して、主人家族が皆で過ごしたお家を新たに受け継いで暮らしていこうと心から思った。
主人が育った家で私たちの終も迎えられたら、それはそれで素敵なことだろうし、2人で住まいを大切にできたら・・・素直にそう思った。
そして、その流れから店の上が空き家になるくらいなら、オカンが近くに暮らせないかと思っただけ。
オカンや相方さんが嫌なら、無理強いするわけでもないし、したくもない。
あくまで皆の意志が同じ方向に向くようならと提案しただけのこと。
それ以上も、それ以下もない。
それだけのことなんだから、もうこれ以上、答えの出ない誰かの何かをあれこれ考えるのは辞めにして「しばらくは自分の想いに正直に生きること」にした。
私の中に聞いて欲しい想いはある。知って欲しい想いもある。
だけど私の気持ちを知ってもらう以上に、もう誰かの何かを聞くのがしんどい。
誰かの何かを考えるのがしんどい。
聞いたり、考えたりすればするほど、どうすればいいのか見えなくなる。
ましてや、そもそも、どうすべきかなんて正解はない。
直接関わる者同士と話し合い、納得しあい、協力していく。
もう「それでいいやん」と思った。
主人の気持ちには大きな揺らぎがある。
もちろん私の中にもある。
揺らいで当然だし、それが悪いことではない。
だけど、一旦しばらくは「確たるものが揺らぎにくい私」を軸に据えて物事を進めていこうと思う。
主人家族が皆で過ごしたお家を片づけてしまってごめんね。
色々手続きやらお手伝いをしてくれて本当にありがとう。
という気持ちを主人と義妹さん達に込めて、ここに懺悔します。
利己的な薄情者より。