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とある喫茶店の紅茶

子供の頃から、そして大人になっても珈琲が飲めなかった私は喫茶店に行くと必ず紅茶を飲んでました。

しかしもって普通の喫茶店では、紅茶が美味しい試しが殆どなく、珈琲はサイフォンやドリップなんかこだわってても紅茶はティーバッグっていうお店が よぉけ(沢山)ありました。
今でもファストフード店やファミレスのドリンクバーの珈琲は、すごい力入れてて なんやゴッツい機械導入して美味しい珈琲を推す割に、紅茶は相変わらずティーバッグ。
もちろんティーバッグでも美味しい紅茶はあるし、嫌いな訳ではないんですけどね。
カップにティーバッグ入れてお湯注ぐ時とか、紙コップにティーバッグ入れて蓋閉めて渡される時とか、カップからはみ出たあのだらしない紐をみると、同じお金を払っていても珈琲との落差にな~んや空しいモンを感じてしまいます。

美味しい紅茶飲みたかったら、紅茶専門店に行けばいいんですけどね。
もちろん、行くんですけどね。
どこにでもあるもんでもないですし、ちょっとしたときに美味しい紅茶飲みたいなぁと思っても、なかなか出逢えんってのが自分の中では心の引っかかりでした。

そんな訳で、自分が喫茶店するときは「紅茶も」美味しい喫茶店にしたいと思ってました。
紅茶を個人店でも卸売りしてくれるお店を探し歩いていたとき、ムレスナティーと出逢うたんです。

その時、注文して飲んだ紅茶が「アダムスピーク」
香りは控えめなのに芳香で、紅茶の味がクリアでいてしっかり。
まさに「紅茶」という味わいに一目惚れ?!しました。
もう この紅茶しかないと思たんですね。

ただ下世話な話。こちらの紅茶はそんなにリーズナブルではありません。
ムレスナティーハウスはもちろん、余所のカフェでムレスナティーを扱うてはる店の1杯の価格を知ってはる人が見たら当店は破格すぎて驚かれますし、何よりムレスナ社さんに申し訳なく思って提供してます。
でも当店の地域性を考えると、これ以上のお値段は取れない哀しい現実。

それでも、どうしてもムレスナ社の紅茶を出したい!
美味しい紅茶を飲んでもらいたい!

その想いのみで提供してます。年々値上がりする一方でも価格は据え置き。
紅茶に合うスイーツも試行錯誤してたりします。
ただ理想と現実とは裏腹に・・・一般的に普通の喫茶店には、そんなに紅茶は期待されてないんですよね~。
紅茶をストレートで飲んでくれはるお客さんは、ほぼ皆無です。

大概 ミルクティー。(ミルクティーがアカンって訳ではないんで誤解なきようにお願いします)
一口だけでもストレートで味わうことなく、お砂糖ダバーッ。ミルク、ジャーッと入れられる方が多いこと。
そら、まぁ ミルクティー頼んでるんやからミルク入れるのは当然なんです、なんも間違うてはりません。
ただなんとなく思うんです。提供された紅茶の濃さを味わってから、ミルクをコレくらい、砂糖をコレくらい入れる・・・と判断するための味見をしないのかなぁ?って。
殆どの方が、何の迷いもなく砂糖をご自身の定量(?)を入れ、ミルクをほぼ全部(もしくはカップに入るだけ)入れはるんです。
(ウチの紅茶を知ってはる)常連さんなら理解できるんですが、初めて来られて殆どの方がこういう飲み方をしているのをみると、
「あぁ 喫茶店の紅茶って期待されてないんかなぁ」
と思うてしもたりして。

ちなみに当店、ミルクティー提供時はアダムスピークより適度な渋みとコクのあるディンブラを使用していますが、ディンブラももちろんストレートで飲むのに向いている紅茶です。
当然、このディンブラそのものを味わってもらえることは、殆どありません。

かといって
「ウチの紅茶はウンヌンカンヌン・・・」
ってのも苦手なんですよね。

好きなもんを好きなように食べてもらいたいってのが一番の信条なんで、こうして時折 ちょっとしたこだわりを理解してほしい時は自分1人悶絶してしまいます。

それ故に たまにお客さんが温かいうちにストレートで一口目を飲んでもらうことを目にする時は心の中でガッツポーズを取ってたり、その後の反応が気になってソワソワしてしもたり。

なんや押しつけるようなことなく、美味しさを味わってもらうことがスマートに出来たらなぁと思うんですが・・・小心者の私はお客さんに話しかけるのも苦手なんで暖簾の向こう側で1人すったもんだしております。

いつか オサレカヘ(オシャレなカフェ)の店員さんみたいに、サラッとオススメの飲み方とか食べ方をスマートに言える人になりたいですねぇ♪

とある喫茶店で一杯の紅茶を飲むときは、そんなこんなをチラッと思いだして、クスッとしながら飲んで頂けると嬉しいです。

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