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療養日記 2022年1月28日 『書類』

 日中は家から外には出なかった。連日テレビではο株のニュースでうんざり。自分にできる事は外に出ないことくらいなものである。蔓延防止策、結構。緊急事態宣言はまだなの。守る者は守って保身に努めるだろうし、守らない者はもはや自分の権利を主張して外出を自己正当化していくだろう。みんなでやれば怖いことでもないし。もしかしたらそれが正しい事なのかも知れない。もっと言えば何が正しいのか間違っているかなどわからないし、正しい事をすることが本当に正しいのかさえもわからない。とにかく僕は家の外には極力出ない。

しかしながら今晩の献立を考えるともやしが欲しいと思えば近くのスーパーやドラッグストアにいそいそと買いに出かけてしまうものだ。

今日も例の書類を作成していた。これは今現在お世話になっている行政書士の事務所からひな形のようなものが送られてきてそれに必要事項を書いて提出するだけで、あとは行政書士の方が公的な文書に書き直すのだと思われる。お役所の仕事ってのはこの書類一つでもできるだけ提出させないように仕向けているよなと思うくらいに煩雑である。

僕がまだ仕事をしていたとき、国際教室の担当をしていた。国際教室担当は教育委員会でも独自の研修を頻繁に受けるくらいに特殊な役職である。扱う書類も多く、それも提出期限が厳しかった。主な内容は各校の外国籍の生徒または親が外国籍の「外国と繋がる生徒」の現状や日本語習得度、母国語依存度などなど色んな項目を調べて一つの書類としてまとめた物から対象生徒個人の学習指導要領まで国際教室担当が作成する。通訳ボランティアが必要ならその交渉から支援スケジュールまで国際教室担当が作成し、通常クラスとは別に取り出しが必要なら週にどのくらいの頻度でどの教科に何時間かまで、事細かく自分で作成しなければならなかった。これが新学期スタート後2週間、1ヶ月と書類の種類ごとに提出期限が決まっていて期限前は帰りがかなり遅くなっていたものだ。

公的文書という書類のいやらしさ、恐ろしさは自分でも良くわかっている。というのも僕も公的文書を書いた経験とスキルはあるからだ。しかし自分の専門外の公的文書となると想像もできない。今こうして行政書士の力を借りて障碍者年金を受給しようとしている。これは然るべき権利であると思う一方、自分にそんな資格ははたしてあるのだろうかと思うこともある。

とりあえず今日書けることは書いて提出をすることができた。この後のことはまだ詳しくはわからないが、新たに提出する物も登場するだろうし、いろいろと煩わしいこともあるともう。何よりも結構な時間がかかる。けど何もしないのに年金の方からやって来ることはないのはわかりきっている。

買って来たもやしと昨日のもつ鍋の残りを混ぜ、とろみをつけてラーメンの具にしたのが今日の夕飯だった。粗末な物でお腹を満たしてしまったがそれはそれでヨシかな■


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