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うちの子

【療養日記2023 10月25日(水)】

 今日10月25日は我が家のチャイの「うちの子記念日」だ。ペットを飼っている人ならわかると思うがペットにとっては自分の家族になった日でもあり、場合によっては誕生日がわからない事からもこの「うちの子記念日」と言うのはとても重要なものだ。

 さらに我が家ではチャイが初めてお迎えしたわんこということもあり、言うなれは我が家のライフスタイルがガラリと変わった日でもある。チャイを迎えてからいろんなことやいろんな「初めて」が訪れ、その代わりにいろんな事を手放した。それらのことを考えると感極まってくるものだ。

 我が家は最初僕も妻もネコ派で、犬には全く興味がなかった。それがペットショップでまだ手のひらに乗るくらいのチャイを見て一目惚れしてしまった。

 当時ベランダのプランターにコスモスが咲いていた。昔群馬県の板倉町は大規模なコスモス祭りが有名で、コスモス畑のコスモスを根ごと掘って家に持ち帰ったものが咲いていた。そのコスモスの葉っぱを食べる小さな尺取り虫がいて、我が家はそれを飼育ケースに入れて「由美子」という名前をつけて可愛がっていた。

 由美子は4匹ほどいたが気温が下がって寒くなると土の中に潜り冬眠を始めてしまった。そんな可愛がっていたぺットの由美子が土に潜って姿が見えなくなり寂しい頃のこと、チャイとの出会いがあった。と言うことで我が家のわんこライフの前身は実は尺取り虫だった。翌年の春由美子が羽化して飛んでいくのを見届けた時はなんとも言えぬ寂しさと達成感があった。

 チャイとの出会いはペットショップで一目惚れ、今なら相当非難される動機だ。しかし我が家はお迎えをしてその後は新しく我が家の一員になった命に責任を持って接している。ペットショップで一目惚れ上等だ。ペットショップがなければ我が家はチャイとも出会えなかったし、その出会いがなければその後のエルマやラーレとの出会いもなかった。

 なので僕はペットショップでの生体販売については完全には否定しない。そこにもペットとの生活を始めるきっかけがあるからだ。我が家はこのチャイから始まったペット生活で多くのことを学び、多くの仲間と出会うことができた。

 非難されるべきはこのペットブームで金儲けしか考えない輩や、いい加減にペットを飼っているような連中だ。無責任な飼い主がいるからいつまでもペットを飼う人は迷惑な存在に見られる。ペット飼ってるからと均等化した偏見で見られ、あとは聞く耳も持たない。こんな冷たい社会と無責任な飼い主にどれほど苦しめられているか。ペットを飼う立場の者も、飼わない立場の者もマナーが守れない「バカ飼い主」のせいで迷惑を被っている。

 10数年前、戸隠神社はペット全面立ち入り禁止にした。数年前には三峰神社も同じようにペット禁止になった。特に三峰神社は眷属けんぞく(神の使いの動物。特に狼や犬神様)が御神体でもあったはずだ。それなのにペット連れ参拝客のマナーの悪さからもう来ないでくれと言われてしまったのだ。犬神様を祀る神社に犬は来るなと言わせたマナーの悪い飼い主ってどうなのと思った。三峰神社を非難する飼い主もいたようだが我が家は三峰神社を責めるのはお門違いもいいところだと思っている。

 今後もマナーの悪いペット連れが減らない限りペット同伴で行ける場所は減り続けていくだろう。

 そんな問題、ペットを飼っていなければどうでもいい問題だし、問題意識が低ければペットを飼っている人でも自分ごとには感じないだろう。

 日本はいまひとつペットが社会に受け入れられていない。受け入れられないのは受け入れる側の問題ではなく、ペットを飼っている受け入れられる側に多々問題があるようにも思える。

 そして今ペット産業でもパピーミルなどの目を覆いたくなるような問題が露呈し、関わりのあるペットショップが非難されている。こんな輩がいる限り不幸なペットは減らないのだろう。

 お隣韓国にはそれに重ねて食犬文化があったせいで日本よりも深刻な問題を抱えている。食肉工場から救出した保護犬という存在は日本にはないだろう。90年代、僕でさえも韓国の地方に行くとドアにデカデカと「ポシンタン(犬肉の鍋)」と書かれた店を見るのは普通のことだった。

 さらに中国では世界中から非難された犬祭りがあまりにも反発をうけて事実上肉としての犬の取引は禁止となったが相変わらず食犬の習慣は改まってはいないようだ。

 そこいくと日本はまだまだ平和な方なのかも知れない。

 そんなペット事情を深く考えたり、他国の事情まで考えるようになったのも偏にチャイが我が家にやって来たところから始まる。ペットを迎えたのならそのくらいの心意気でペットと向かい合わなければと思っている。

 ペットを迎え、我が家は美味しい店巡り、ちょっと贅沢な旅行、そう言うものとは無縁になった。特に海外旅行はできなくなった。そのような手放してしまったものの代わりにかけがえのないペットライフを手に入れたのだ。ペットのいる生活は須く良いものだと思っている。そんな生活を我が家にくれたチャイに今日は感謝が尽きない■


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