続・お遍路ウォーキング日記(25:十三番大日寺へ 其の五)
【2024/11/02(土)Day 25】
今日は一日中雨で外出しておらず一歩も先には進んでいない。よって今日も十二番焼山寺の麓にある鍋岩にいる。
焼山寺は数年前に宿坊の営業を終了させた事から札所十一番藤井寺の周辺の宿から焼山寺最寄りの鍋岩にある遍路宿まで焼山寺を打って一日で行かねばならないという歩きのお遍路にとっては遍路ころがしをさらにキツくさせたような事態になったと言う話だ。そこで藤井寺近所の遍路宿と鍋岩の遍路宿の間でお遍路さんの荷物運びのお接待が始まったと言う。
これは藤井寺から遍路ころがしを通過する時に荷物を最小限(巡礼用品+救急用品)の身軽な状態にさせてできるだけお遍路の負担を少なくさせようという狙いのようで歩き遍路の人たちにとってはとても助かるお接待でもある。
とはいえ本来なら焼山寺で泊まれたものが今では数キロ先の鍋岩までさらに進まねばならず大変といえば大変。
さらに鍋岩にある数軒の遍路宿の中には休業したものもあると聞いている。宿では其の他にも神山温泉までの送迎サービスもしているが神山温泉も施設が故障して利用できないこともあると言う話だ。
焼山寺の宿坊閉鎖によるお遍路への影響は思いの外深刻らしい。
ところで徳島県神山町はふるさと創生の一丁目一番地のような街で、リモートワークなどを通して新たな住民を誘致するインフラも早いうちから整え、日本の新たなシリコンバレー的な存在としても知られている。もともと徳島県はIT関連企業が多かったこともアドバンテージを取った理由の一つだと思われる。
この神山町の他にも高知県東部にも企業誘致で限界集落から脱却できた町村があり、四国はこのような動きが他の地域よりも目立っている。
今後このような動きと四国八十八ヶ所巡礼はつながるのか、繋がらないのかはわからないけどきっと何かしらの変化はあるのではないかと思う。
今日はお堅い話になってしまったが、このままでは歩き遍路の人が昔はできたことが今はできなくなってしまったという事が徐々に増えていきそうで心配だ■