お遍路ウォーキング日記(143:四十四番大寶寺へ ⑥)
【2024年5月27日(月曜日) Day 143 】
現在地は県道42号線を東に進んでいる。先の日記で書いた三島神社の手前まで来ているのでこの先は下狩場峠と鶸田峠の2つの峠を越えなければいけない。まだまだ先は長い。
昨日は観光バスで移動をして巡礼する団体お遍路様御一行について話をした。話の内容はあとで読み返すとかなり団体お遍路様御一行を擁護するような文章を書いていたと思うが、実際はこんな連中もいるという事も書いておこう。
まずはスマホの普及などで今や老いも若きも写真を撮るが、そのマナーのなっていない団体様の多いこと。御本尊の正面は言うまでもなく。山門に固まって写真を撮ったりと傍若無人ぶりにはコイツら何しに来たんだよと思う奴が多すぎる。
鐘撞きの順番を守ることは出来ても余韻が消えるのをどうしても待てないようで、傍から聞いていると鐘の連打をしているように聞こえることや、実際に連打をする連中もいる。鐘があったらどうしても撞きたくなる気持ち、わからなくもないけどうるさい。
たまに見かけるのがヘベレケに酔っ払った遍路。何しに来てんだよ。せめて酒は夕飯時まで待てないものか。
昨日も書いたが先達の話を全く聞かず、読経にも参加せずと態度の悪すぎる遍路も結構見かける。そんなだったら装束など着ていなくていい。遍路全体のイメージも悪くなる。
とにかく団体行動というものは気が大きくなるのか態度の悪い奴も多く見かける。
奴らは移動が楽な分何処へ行っても元気だけはある。なので札所でも騒々しい。このあたりは引率をする先達の力量が問われるところだ。
こうして団体お遍路様御一行が去っていくと境内は再び平和を取り戻す。この境内が静かになった瞬間がたまらなく好きだ。
そしてそんな境内には団体お遍路様が置いていった金剛杖が取り残されて寂しそうにしている。これはツアコンが声かけをしているのだと思うがツアコンも忘れればもう如何様にもできないものだ。
もしも団体お遍路様御一行と遭遇したら彼らを先に行かせてゆっくりとお詣りをするのが理想だ。しかしこちらにも予定があるというのなら彼らよりも先に行くことも選択肢に入れた方が良い。
次の札所までの距離が長い場合はできるだけ急いで次へ行くほうがいい。先に行かせると途中で寄り道などをして結局次の札所でまた運命の再会などと言った事もある。
先に行かせるのであれば自分も追いつけなくなるくらいゆっくりと時間をかけて次へ行く方がよい。
また、昨日も書いたが先達の話がとても良いなんて事もある場合はわざと一緒に移動をして話を聞くというのも選択肢のひとつだと思う。
どちらにしても団体お遍路様御一行よりは個人や家族で巡礼をする人の方が自由なのは言うまでもない。
そしてどうしても団体お遍路様御一行とは鉢合わせをしたくないと言うのであればオフシーズンに巡礼をするしかない。ちなみに巡礼のオフシーズンは冬と夏だ。しかしオフシーズンとは言ってもお遍路バスツアーの数は一定数はあるものだと思った方が良い。
あとは逆打ち(札所八十八番から順に引き算で打っていく)は同じ団体お遍路様のバスとの遭遇の確率がぐっと下がるが、逆打ちのツアーもあり、閏年には増えることも知っておいた方が良い。
団体お遍路様御一行の傍若無人ぶりにはちょっと眉をしかめてしまっても仕方のないことかも知れないが、それもまた一期一会といえばそうだし、遍路には十善戒という基本的な心構えがあり、その中には「不瞋恚」というものがある。これは怒ってはいけないという意味で、人の悪い振りを見てもそれに腹を立ててはいけないとそもそも言われていることを思い出さなければならない■
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