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スマホ遍路日記(146:四十番観自在寺〜四十一番龍光寺 ⑬)

【2023年9月4日(月曜日) Day 160】

 今日で漸く札所四十一番龍光寺を打った。トータル13日もかかる。それに対して次の札所四十二番の佛木ぷつもく寺はもうすぐ先。

 札所四十一番龍光寺は納経所が必ず来た者順を守ることで知られていた(今はどうだかわからない)。

 曜日や時間によっては納経所が混むこともあり、タイミングによっても団体様ご一行が自分のすぐ前にやって来て納経所が大忙しという事もある。団体様ご一行はツアコンの人が参加者の納経帳を一元管理していてバスで到着すると真っ先にバスから降りて納経所へ直行する。

 お寺の納経所でも考えは様々で納経帳はお参りを終えてからすべきと考えていると団体様のこの行為はズルいと思うお寺もあれば、納経所にやって来た順に対応するのを第一と考えるお寺もある。

 前者の場合は個人のお遍路さんを優先し、団体様は後回しにする。遍路とて予定もある。納経所で長い間待たせたら予定も狂う。しかも団体様ご一行と鉢合わせになるのは予見が困難だ。たまたま行った先のお寺で自分の方が先に来て静かにお参りしていたのに後からやって来た団体様ご一行がうるさくてうんざりした上にその団体様の納経帳だけが先に納経所に行っているのは想像しただけでもフェアではない。

 なので単独で回っているお遍路が足止めを受けないように団体様は後回しにさせるお寺は案外多い。また団体様は納経帳だけとは限らず、ツアコンが持ち込むものには掛軸や笈摺おいする(袖のない白衣)などもあり、この二つは乾かすのに手間がかかる。余計に納経所では時間がかかる。

 で、何が言いたいかと言うとこの札所四十一番は先にも書いたように納経所に納経帳や笈摺などが持ち込まれた順番を守るため一部のお遍路からは「運が悪いと待たされる寺」としても知られている。しかも逆打ちの場合次の札所観自在寺までは時間がかかる。歩きの場合は絶対に当日中には辿り着けないが車やバイク、自転車の場合は待たされたかそうでないかで1日単位の予定に影響する。

 その辺りの融通が効かないのが龍光寺の納経所だ。しかしこれを悪いことと取るか、何事にも平等に行うことを終始一貫している故のことと受け取るか、最終的にはお遍路一人一人の問題でもある。

 フォローの意味で書くわけでもないが個人的にはこのお寺の納経所は厳しい反面とても親切でもあるし、わんこを連れて巡礼をしていた時にはかなり歓迎されてちょうど手の空いていた時でもあったのでみんな出て来て写真を撮っていただいた思い出もある。その時わんこにも白衣を着せていたので尚のことだった。

 実際このお寺で団体様ご一行と鉢合わせて待たされた経験もあるのでその時は少し腹立たしくもなるのだが、そこは遍路十戒に「不瞋恚ふしんい
怒ってはならない)」という言葉もあるので己の修行と思ってじっくり待つより他ない。

 次の佛木寺は近いが、もう一つの隣のお寺観自在寺はかなり遠い。そこからこんな「試練」も生まれるのだと思う■

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