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入院日記1 9週目 10月19日

 早朝に採血があった。まだ起床時間になっていない時間である。あと採尿もあったのでトイレに起きると今日はいつになく腰が痛む。この期に及んでまだこの腰痛が続くことが気にかかる。その後もずっと横になっていたが、食事で起き上がってもまだ痛みが酷く、久しぶりに坐薬をもらった。

 坐薬と食後の痛み止めで何とか腰の痛みは鎮まったが、リハビリはどうするか迷っていた。そこに主治医が来て今朝の血液検査の結果を伝えに来た。それによるとまた症状が現れ、脊椎が壊死しても同じ数値が出るとあまり聞きたくない話を聞かされた。たとえ多少壊死が進んでいて腰の痛みがあっても、このコルセットで乗り越えることはできないのか、これ以上の入院は精神的にも続けがたい。

 この一言が今日は一日気にかかってならない。腰は坐薬でなんとか落ち着く。ただしリハビリで階段の訓練をした時は少し響いた。リハビリの帰りにコンビニに寄りコーヒーを買う。そして今日はタオルをもらったので身体を拭いたのだがここでもコルセットを外した途端に腰が痛む。しかし逆にコルセットをしっかり装着することで痛みはほとんど引く。ポイントはコルセットの位置。少し低めを意識して装着するとそれが正しい位置に来る。コルセットの当たりがシビアだか正しく装着できていれば効果は大きいようだ。

 昼食の後はまずノルディックポールの歩行訓練。これももっと歩きたいのを我慢して多くても東西二往復まで、そして歩行の訓練というよりは血糖値を下げるという意味合いで、あくまでもマイルドを心がける。

 午後糖尿病専門医からかかりつけ医へこれまでの投薬履歴や治療についての引き継ぎ書を書いて渡すという話がやってきた。院内では一律して退院の方向で話は伝わっているものかとばかり思っていた。リハビリでもそんな感じだった。

 その後はデイルームで写経などをしていたが、今日はなぜかトイレに行きたくなり長いこと居られなかった。と同時に今日はいつになくデイルームも騒々しくて落ち着かなかった。午後からは天気も悪くなり雨も降り始める。

 妻が来たのは夕食時だったがそこにタイミングよく主治医がやって来て様子見のため退院を延ばすという話になった。予定では水曜日だったのに土曜日にまで延びてしまった。仕方がないと言えば仕方がないが、他の患者どもはしっかり退院できているのになんで自分だけはこんなに待たされるのだろう。こんなに悪いことばかり続くのだろう。良い事が続けとは言わない、事が普通に流れてくれれば良い。それなのになんで自分だけ悪いことは各駅停車のように一つ一つしっかりとやって来るのだろう。

 妻が帰った後はデイルームで写経をしていた。もはや写経をするくらいしか救いがない。それなのに今日はデイルームも騒々しくてもはや自分にはもう居場所などないんだなとつくづく思った■

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