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一時退院

【入院日記3 2023年1月27日(金) 12日目】

 以前より書いている通り今日で退院。と言っても一時的なモノで問題はまだ解決されていない。本番は来週で今日までの入院は来週のオペのための教育入院。わかりやすく書けば体調を整えるためのもの。オペを受けるための条件を満たすために調整していた。これをちゃんとしておかないと手術中や手術後に緊急事態となりICUで数日過ごす事になってしまう。術後の感染リスクも高くなる。僕が必死になって歩いていたのは術後のトラブルを避けるためでもある。

 最後の日とは言えルーティン通りに行動する。朝は起床時間とともにシャワーを押さえておき、コンビニでコーヒーを買ってデイルームで写経をする。その時にいつも顔を合わせる人たちとは挨拶も交わす。朝食後にはウォーキングを始めるところも変わらなければ、その後休みながら写経をしたり韓国語の勉強をするところも変わらない。違うことと言えば今日は帰り支度をすることくらいだ。

 実習生のMさんも今日が最後、昨日一緒に献立作りまでしてくれたので自分でも改めて献立を作りそれを見てもらった。言われた通りの献立作りをしっかりとする事は大変だと思うが、どこかに心がけておくことと3食のどれかは食事療法だと思ってルールを守る。それだけでも続けたいと思っている。

 このMさんが間違いなく今回の入院の立役者で、毎日いろいろと世話にはなったし、教育入院のともすればスルーしてしまいそうな内容を嫌というほど再確認し、時にしつこいなと思うこともあってもそれを反復学習する機会を常に与えてくれた事は退院する今になって痛いほど分かる。この教育入院。昼食後に最後の講習があった。ちなみに昼食はうどんとテンションが上がる。こんな事を先に退院されたお母様連中が言っていたのを思いだした。

 話を講習に戻すがこれがあったからこそ同じ教育入院をする人との仲間意識も多少は生まれた。とは言ってもその面々の姿勢にも温度差はあると思う。自分の時には多少なりともその後顔を合わせて話し込む人もいたし、仲良くなれた人もいた。しかし一部にはそういうことを拒む人もいたりで複雑なところだ。自分が糖尿病の教育入院をしていること自体を認めたくなければ最後まで自分の殻に閉じこもってしまう。

 そして話はMさんに戻るが、Mさんのお陰でただでさえ受けたら終わりの講習内容を何度も振り返り意識をする事ができたと思う。教育入院の費用だってバカにはならないが、その内容を十分に修得できたと思うし、それがあったからこそあれだけ運動もできた。同じ入院患者でも全く運動しない人もいたし、それでもプログラムは同じだとすれば勿体ないような気もした。(但し自分は動きすぎでもあったように思える) 教育入院中に同じ教材で反復学習できたことや、それを実践した献立作りなど、実習生がいたからこそその機会もあったのだと思う。間違いなく自分は他の入院患者よりも教育入院のプログラム通りに学習をし実践できた。同じ費用で得たものは他の寝てばかりの教育入院患者と比べたらあまりにも多かったと思う。これも全てMさんのお陰だと思っている。

 午後3時に妻が迎えに来て退院の手続きをし、お世話になったスタッフやMさんともお別れをして退院。外はとても寒かった。これだけ外の寒さを感じないのも病棟が常に暖かいからだ。帰りに納豆と今日の夕飯の材料を買う。

 帰ってきてからわんこと再会。一時退院のありがたさを感じずにはいられない。帰ってきてすぐに納豆を食べるんだと入院している時には思っていたがお腹が落ち着いていたので夕飯まで待つことに、身体が疲れていたのでちょっとだけ横になる。

 その後夕飯は自分で作ったが久しぶりに台所に立てる事も嬉しかった。ただし思ったほど食べられず、無理をして食べて苦しい思いをしたこととその後の便秘に大いに苦しめられた。確実に血糖値だけでなく身体全体が変わっていった。そして9時過ぎにはさっさと寝てしまった。

 今回の入院では改善したところも多かったが逆に悪くさせてしまったものもある。その一つが入院直後から悪化した便秘。便秘は今後の食生活でも課題となりそうだが入院中の食事では確かに便秘にもなる。多少食べ過ぎでもお腹に入れて消化排泄にメリハリをつけないと入院食が続いたら便秘になる事はハッキリと分かった。

 もう一つは疲れやすさ。入院中はあれだけ毎日歩いていればそれは疲れも蓄積するだろうが、食事の少なさが原因なのか目眩に近い感覚は相対的な低血糖が起きているのかも知れないと心配にもなる。生活リズムも最後まで9時消灯ですぐには寝られなかった。反対に6時起床は自分では遅い方だ。

 次の入院までは適当に運動もするが、もうちょっと日常生活に近い食事をバランス良く取ることにも心がけたい。たくさん食べてもかまわない食材、これを積極的に取り入れてせめて空腹感を制御できればとも思う。

 そして来週はいよいよこの療養生活の中でも最も大きなイベントを迎える。このコンディションを維持して臨みたい■

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