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お遍路ウォーキング日記(25:二十番鶴林寺へ ②)

【2024年1月28日(日曜日) Day 28】

 今日は歩数も少なく昨日に較べたら先には進めていない。立江の町から西に進み、勝浦川にぶつかるとそこから県道を勝浦方面に向かい、その途中にある生名神ノ木いくなかみのきという集落から南に続く険しい九十九折りの道を進む。今日現在はその途中だ。

 やがて鶴峠という峠に差し掛かると右折する道があり右に進むとさらに険しい登りしかない道に入る。その道の終点に札所二十番鶴林寺はある。

 鶴峠を直進して坂を下ると最終的には那珂川に突き当たる。そちら方面はこの後札所二十一番太龍寺に向かうときに通る道だ。今日はまだ鶴峠の手前にいる。明日ちゃんとウォーキングに出られれば鶴林寺は打てるかと思う。

 今日は少し前に書いていた「遍路の装備」の中でも最後に残してある「頭陀ずだ袋の中身」について書こうと思う。

 まずは頭陀袋そのものだが、巡礼に特化した機能的な袋手間はあるがそれ以外の使い道はない。お札や納経帳が取り出しやすく、線香などは折れないような工夫もされているが、ポケットの多い肩掛けバッグがあればことは足りる。

 その中身は以下のものは必須

納経帳:
四国札所には「御朱印帳」と言うものはなく、専用の納経帳を用いる。これ(と指定された白衣と笈摺おいずる)にしか御朱印はいただけない。

お札:
各札所で納める札。お札についてはこの日記の二回目でも詳しく書いている。もう一度書くと名前、所在、日付と裏には願い事を書きお堂の前にある納札箱に入れて写経を奉納するか読経をして光明を唱える事で初めてお参りが成立する。どこぞのバラエティ番組のように札所の山門前で○○番■■寺と言いながらクネクネ踊るだけではお詣りしたとはとても言えない。

お札には種類があるが錦札の話しは以前にもした(十七番井戸寺の思い出)。僕も白札は卒業したがまだ緑札である。

線香・蝋燭:
お堂にお詣りをする際には欠かせないもの。それぞれの本堂、大師堂には燭台と香炉が必ずある。わりと消費が激しく使い果たしてしまうこともあるので減ってきたら早めに買い足す方が良い。コンビニやドラックストアに必ずおいてある。

燭台に立てた火を使って線香に火をつけてはいけない決まりと、火をつけた線香の火を吹き消してはいけないという決まりは巡礼の時以外にも心しておくべきだと思う。

ライター:
札所によってはお堂の前に火種が置いてあることもあるが、基本的には自分でライターを使って火をつけることのほうが圧倒的に多い。風にも強いターボライターがおすすめ。できたらガスのチャージのできるものが便利だがチャージ用のガスボンベを持ち歩かねばならず少し危険でもある。

筆記具:
お札書きという地味な作業に必要不可欠。僕は筆ペンを愛用していた。

経本:
本堂、大師堂で唱える般若心経の他に遍路十戒や各札所の本尊の光明などが書き記されている。空で般若心経が唱えられる人でも経本は手に持っていた方が良いらしい。

小銭:
賽銭はもちろんのこと、納経費(200円〜500円、何に御朱印を受けるかで違ってくる)に必要。本堂と大師堂で賽銭を必要とするので合計178カ所で賽銭を遣う。100円ずつ賽銭に使っても17,800円かかるし、納経費が納経帳に御朱印を頂く場合は各札所で300円、八十八カ所では26,400円もかかる。思いのほか四国巡礼は基本出費も高い。

かつては数カ所の納経所で両替もしてくれたが今はだいぶ少なくなってしまった。小銭は現代のキャッシュレスのライフスタイルではなかなか手に入らなくなっている。しかしまだお賽銭や納経費を電子マネーやPaypayで払う訳にもいかないので小銭には常に注意すべきである。

以上はないと巡礼はできない。ここからはなくても巡礼はできるが頭陀袋にあると便利なものだ。

御姿ケース:
各札所の納経所で御朱印を受けた際に頂く本尊の御姿をしまうケースがある。御姿は専用の御姿帳にしまえばそれだけでも家宝になるという。いい加減に扱うとなくしやすいものなので御姿ケースでなくてもいいので御姿を保存するものは用意すべきである。

線香ケース:
頭陀袋にはデフォルトで装備されていることがあるらしいがお線香を折ることなく取り出しやすくしまうケースがあるらしい。

僕は箱のまま線香をバッグの中にしまっていた。

持鈴じれい
読経の時に拍や区切りをつけるために用いる。時々遍路がチリンチリンと音を立てるのは腰などに下げた持鈴が鳴る音だ。山中では絶対に熊避け鈴として役に立っていると思う。

個人的には持鈴はあった方がお詣りしているリアリティを感じるので僕は二個も持っている。

遍路地図:
歩き遍路専用の地図だが自転車やバイクの遍路にも重宝されている。札所間の事細かな道標から札所の境内図なども載っていて鐘の場所や納経所の場所などが記されている。鐘が撞けない寺となどははじめから場所が書かれていないなど工夫もされ、さらに定期的にアップデートもされている。頭陀袋に収まるように作られている。

 遍路旅はできるだけ荷物は少ない方が良いが、車で巡礼する人は比較的重量を気にせずに移動ができる。便利な道具は巡礼の手助けにもなる。何が必要なのかは人それぞれだと思う■

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