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アメリカで車のコンバーターが盗まれた話

わたしのLA事件簿

わたしは現在アメリカのロサンゼルスに住んでいる。4年目になる。以前はフロリダ州のマイアミに住んでいたのだけど、去年LAに引っ越してきた。海外生活とはいえ、すでに4年目となると割と生活には慣れているもんだ。毎日LAの高速を飛ばして走ってるし、こちらで犬だって飼い始めた。日常生活で英語に困ることはあまりないし、病院にかかったり、警察にお世話になったことも一度や二度じゃない(もちろん被害者の立場で)。なんて日本の友達に豪語していたのに、まったく説得力がないくらい、あまりにハプニングが多いので、せっかくだからその出来事をシェアしたくなった。

先日、道に停めていた車のコンバーターが盗まれた

ちょっとよく意味がわからない方も多いと思うが、わたしも意味が分からなかった。そもそも、コンバーターってなに?盗まれるってどういうこと?という感じだけど、とりあえずこの出来事について話したい。

朝、車に乗って出かけようとエンジンをつけたら轟音

いつものように家の前のストリートに路駐している自分の車(車庫はあるのだけど、1台分しかスペースがなく、彼の車を停めているため、わたしは基本路駐。車社会のアメリカでは普通で、周りの住人もみんなそうしている。)に乗ってエンジンをつけると、明らかにおかしい音が鳴り響いた。それもすごいボリュームで。(また何か車のトラブルかな・・・・最悪・・・)と、過去バッテリーが上がった事件や、車のパンクを思い起こしながらとりあえず、保険会社といつもお世話になっている車の整備会社にその場で電話をかけた。

両者からの回答は同じく、「あ、コンバーターが盗まれちゃったんでしょうね。。。その音で走るのは無理なので、AAA(日本でいうJAF?のようなもの)を呼んでレッカーしてください。」とのこと。夜中のうちに誰かがわたしの車のコンバーターという部品を盗んだということは理解した。整備会社からは「あと、その場合、コンバーターは費用が結構かかるので、保険会社に保険適応か、免責額はいくらなのか確認しておいてください。」とも言われた。詳しい話しは整備の人に見てもらってからとのことなので、よく分からないままレッカーしてもらい(アメリカのAAAがすごい話しはまた別の機会で)、AAAのおっちゃんにコンバーターの相場を聞きながら落ち込みつつ整備工場へ向かった。

ヤミ市?売りさばかれる車の部品たち

見てもらった結果はやはり、コンバーターが盗まれたとのこと。ちょうどその工場に持ち込まれていた同車種の誰かの車も同じ被害で持ち込まれていて、しかも2回目だという。わたしの住んでいるエリアは日本人も多く、治安もいいはずなのに。コンバーターがなんなのかはいまだに知らないが、とりあえず、車の下に潜って、センサーごと切り落とされているということは分かった。取り替え費用は大体2500〜3000ドル(25万〜30万くらい)で、保険の免責額は500ドル、つまり自己負担が5万程度だった。自分に非がないし、なんなら被害者なのに費用を払わなきゃいけないなんて最悪だ。整備士さんによれば、「シーズンがあるんですよ。この時期はこの車、みたいに狙われる傾向があるんで、再度取り付けても盗難防止装置を付けるか(別途5万くらい)、取られにくいモデルの車への買い替えを検討した方がいいかもですね・・・。」とのことだった。シーズンってなんのシーズンだろう、、と思ったけど、やっぱりヤミ市みたいなところで売り捌かれているんだろうな。

命をかけて車の部品を盗む、が日常茶飯事なアメリカ

アメリカは日本では考えられないくらい、貧富の差が大きい。いくら世界経済のトップに君臨していたって、これだけの貧富の差があるなんて、という光景を目の当たりにする。LAのような大都市でもこんなにもたくさんのホームレスや生活困窮者がいる。SNSの“#アメリカ生活”で見せている華やかな世界は何を隠そう、ドラッグや銃がある世界なのだ。そして大小様々な犯罪が毎秒起きている。

「彼ら(盗難者)も命がけで盗んでいるんでミスはしたくないんですよ。だからやっぱり流通量が多くて、防止装置のついていない、早く確実に取れる同じ車種のものを狙うので気をつけてくださいね。」とのことだったので、今はわたしの車を車庫に、彼の車を路駐することにしている。アメリカでしか運転したことのないわたしは、後ろ向きの駐車をしたことがなかったのだけど、車庫に入れなきゃいけないおかげで後ろ向き駐車をマスターしたことは、この出来事で唯一得た、いいことな気がする。

警察に被害者届けを出してとりあえずおしまい

保険を申請するために、警察へ被害届を出してポリスレポートを取る必要がある。ポリスレポートをとったのも、一度や二度じゃないので、この話はまた別でしたいけど、とにかく警察に被害届を出さなきゃいけない。アメリカは救急も警察も911に電話だが、このように緊急性のないもの、過ぎてしまった事件に関しては最寄りの警察の担当部署に電話をかける。そうすると数時間で警察が来てくれて、現場検証や直接話しを聞いてくれ、その場でレポートナンバーをくれる。アメリカの警察のこわい話しはよく耳にするけど、わたしが今までにあった警官はみんな優しい。多分、幼く見えるであろうアジア人の女子1人だから、こわがらせないようにしてくれてるんだろうけど。とりあえず、これで手続きはおしまい。

教科書でも駐在員マニュアルでも教えてくれないことがいっぱい

アメリカで生活し始めて、というか大人になって思うのは、学校や会社で教えてくれないことが世の中にはいっぱいあって、それをサバイブしなきゃいけないってこと。教科書も、先生も、上司も駐在員マニュアルも教えてくれないことだらけだ。たぶん、ネットをたたけば体験談は出てくるのかもしれないけど、今回みたいに、まさか車の部品が盗まれるなんて思いもしなかったから、気をつけようもなかった。車上荒らしとかはもちろん、気をつけているけど。

そんなこんなで、LA事件簿第1弾おしまい。書きながら、あ、そういえばあんなこともあったな・・・と次々とネタが出てきた。これが誰かの役に立つとは思えないけど、そんなこともあるんだなっておもしろがってくれたらうれしい:)

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