行徳百景(8)行徳ふれあい伝承館

一年半ほど前、
ハーフマラソンに挑戦しよう。

と、急に思った。
ハーフマラソンが自分を呼んでいた。



嘘、当時の部署で隣の席だった人がフルマラソンを完走したからだ。
「私はハーフから挑戦したよ!意外といけるよ!」
というタフな2児の母である先輩に憧れ、ハーフマラソンにひとまずチャレンジしようかなと思った。

ハーフマラソンは調べると至る所で開催されていた。こんなにもたくさんの人が毎週走ってたなんて!そう思いながら、なるべくモチベの上がる大会を探していると、「軽井沢ハーフマラソン」なるものを見つけた。

軽井沢ハーフマラソンは、5月に涼しい軽井沢で行われる上に、霧に包まれ森と湖が美しいあの軽井沢を走れるのだ。上がるモチベ。
早速同期を誘い、申し込んだ。

ハーフマラソンといえど、20キロちょい。
試しに近所を走ってみると、3キロでバテた。いや、正しくは1キロで脇腹が悲鳴を上げた。

言い出しっぺが完走できないのはあまりにも恥ずかしい。
私はここから持ち前の無駄な根性を見せ、毎週2回、6キロ走りはじめたのだ。

コースは行徳駅付近の家から出発して、旧江戸川まで向い、南行徳駅のあたりまで走り、戻る。
川沿いを走る人は想像以上に多く、夕日も朝日も見れるので、走るには中々いい。

川まで向かう途中で小さな発見もあった。
行徳には思ったよりお寺が多いこと。そして何だか素敵な、無料休憩所があった。

市川市行徳ふれあい伝承館というらしい。
入ることはなかったが、何だか観光地みたいなその非日常感が、前を通るたびに自分の足で遠くまで来た感を増大してくれた。

走るって気持ちいい!!!!
なんで今まで走らなかったのか!!!
みんな、絶対走った方がいい!朝から気分がいい!!帰ってからのシャワー、ビールがいっそう美味い!!!

そして5月。
コロナが拡大し、ハーフマラソンは惜しくも中止となった。

実は4月くらいから、6キロでもこんなに疲れるのに、当日20キロ以上走ることが憂鬱でたまらなかった。

よっしゃ…


そして、私はエントリー料と引き換えに、軽井沢ハーフマラソン完走とかかれたタオルと、Tシャツをゲットした。(送られてきたのだ)


その瞬間、何だか全てがどうでも良くなった。

今では、走るなんて行為、考えられない。
意味がわからない。
NIKEのランニングシューズは靴箱で眠っている。

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