深読み:歌詞

B’zの曲作りの手順は、松本さんが先にメロディやコード進行を考えて、次に稲葉さんが英語で仮に言葉をあてはめてメロディの輪郭をはっきりさせていき、最後に日本語の歌詞を整えていくそうです。

テンポの早いロック・ミュージックに母音の多い日本語を乗せていくというのは、とても難しい作業だそうです。初期のB'zのミニアルバムには、英詞の曲が収録されています。

B’zの歌詞は、歌詞ですから聴き手に解釈が委ねられているのはもちろんです。

ときおり、はっとさせられる部分もあります。

例えば

何でもすぐ古くなる人種
どこかの虐殺への怒りさえも
おいてきぼりだよ
「HOT FASHION」より
そう信じる者しか救わない
せこい神様 拝むよりは
「愛のままに わがままに僕は君だけを傷つけない」より
むしろ難解なゲイジュツ論 続けるほうが危なかった
「NATIVE DANCE」より
同じ道をゆくわけじゃない
それぞれの前にそれぞれの道しかないんだ
「Brotherhood」より
生きている事自体がHOPE
忘れないでいて
「ゴールデンルーキー」より
手をつないだら行ってみよう
あやしい星の潜む丘に
茂みの奥へと進んでゆこう
怪我してもいい
はじけるような笑顔の 向こう側をみたいよ
「今夜月の見える丘に」より

個人的にB'zの歌詞がいいと思うところは、どの歌詞の部分をとりだしてもとても深く考えさせられる一方で、その一点にリスナーの思考が囚われてしまわないような、あっさりしたところがあるところです。深いことをさらっと言っているように思います。

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