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音楽:ローリング・ストーンズ

ローリング・ストーンズは同時代に流行ったビートルズとよく比較されたり、どちらが好きかとか、かつてはよく聞かれたそうです。いろんな意味で対照的だからだろうと思います。
イメージとしては、ビートルズは初期はアイドル的でかわいげがあり、ストーンズは悪ぶった不良少年ぽくオマセな感じです。
イギリスの社会というのは、難しいところがあるらしく、階級制が根強いそうです。その意味では、ビートルズのジョン以外3人のメンバーは、労働階級出身、ストーンズのミック・ジャガー、ブライアン・ジョーンズは中流階級、キース・リチャーズは労働階級出身です(Wikipediaによれば)
オアシスとブラーのメディアバトルの時でも露呈しましたが、伝統の国イギリスでは階級というのはなかなか人々のイメージに影響を与え続けるようです。
ストーンズはもろに黒人音楽からの影響を受けており、当時まだ差別意識があった黒人音楽をいち早く取り入れ、自ら演奏しました。ストーンズの音楽は、グルーヴ感というより、ドラムとギターのリフの絡みが絶妙で、素人が再現しようとすると、スカスカの音楽になるところを、絶妙なタイミングで、ドラムとギターのリフが絡み合い、そこにジャガーのボーカルがのります。
世界で最もロックな男キース・リチャーズ。パイレーツ・オブ・カリビアンのジョニー・デップが、主人公のジャック・スパロウ船長はキースをイメージして演じたことは有名な話で、それくらい「ザ・ロック」を体現する男なのですが、ドラマーのチャーリー・ワッツによれば、キースはどちらかといえば無口で内向的な人間なのだそうです。キースのソロではボーカルも演っています。味のある声が聴けます。テレキャスター一筋なところもかっこいいです。
僕はストーンズは、アルバムを通して曲を聴くよりも、好きな曲をかいつまんで聴いています。ビートルズは、アルバムごとに色が違うので、通して聴く方がしっくりくるのですが、ストーンズは大きくそのスタイルを変えていないので(厳密にはベーシストが交代したりして違うのですが)、アルバムの好きな曲を聴く流れで他の収録曲を聴きます。
アルバムでいえば「ヴードゥー・ラウンジVoodoo Lounge」をリアルタイムで聴いたので一番いいです。ただし、シングル曲「Love Is Strong」は売れなかったそうなのです...当時のグランジブームに合わせたダークな感じでよかったと思うのですが。今聴き直してみると、(ストーンズにしては)ベースが前に出過ぎており、当時流行りのグルーヴ感が強い気もします。その分、ドラムとギターの絡みがやや抑え気味に聴こえます。ロン・ウッドによるものと思われるギターソロもやや強調されており、結構、張り切ったアルバムで質は高いと思うのですが、無骨さが売りのストーンズですから、旧来のファンは不満足だったのでしょうか。でも、新しいファンも増えたと思います。

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