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追いかけたい派

料理男子(外国人)

SNSでコメントし合うようになって、5年くらいになる男友達がいる。
海外の方で、料理が得意で、日本語も流暢。私は彼の(仮にTさんとしよう)手料理の記事を見るのがいつも楽しみだった。
「いつかお料理のオフ会しましょうね」とか「そのうちお茶でも」などとコメントしあっていたけど、タイミングが悪くてなかなか会うには至らず、時は過ぎていった。

なんとなく。
私が盛れた自撮り画像をUPする度に「いいね」をつけてくれていたから、気に入られてるぽいなとは、うっすら感じていたんだけども。
先週くらいだったかな、湘南に仕事で行くから会いませんか?というメッセージが届いた。

男女の法則

今日は仕事に集中しようと朝から決めていたけど、今週はずっとコロナ騒動で家に籠もっていたから、新鮮なことがしたくて、初顔合わせとなるTさんとお茶することにした。日中だしお茶くらいいいだろうと思いまして。

車で来ているという。そして、コロナでよくないから、住所教えてくれればナビで家まで迎えに行きますと提案してきた。ありがたいけれど、初対面の男に住所を教えるわけにもいかず、駅前のロータリーに来てもらうことにした。住所ねぇ…てゆうか面倒なのやだな、普通にお茶でいいじゃんお茶で…と思いつつ家を出た。

ロータリーでお会いすると、SNSでいつも見るとおり、親しみのあるTさんがそこにいた。今日は何でもご馳走しちゃいますとのことだったので、近所に見つけた釜飯屋さんに行きたい!とリクエスト。
道中、ティーさんはよく喋る。弾丸のように喋りっぱなし。…緊張してるのかな?…にしてもよく喋る。この時点で既にOUT。おしゃべりな人はあまり好きじゃない……てか、色恋沙汰に持っていくつもりは、全くない。


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こんな椎茸の釜飯を頂いて、それは超美味でした。で、ご飯の時にずっと私を持ち上げるわけ。「写真と同じ、素敵な人」「思ったとおり」とかなんとか。さすが外国人である。プッシュがすごい。すごすぎて引く…。

世間的に「女は男に惚れてもらうのが幸せ」とかいうじゃないですか。あれって、嘘だと思うんですよね。だって私は自分から追い求めていく方が好きだから。「君が好き❤」オーラ全開で来られると興ざめというか、落とせない男なんてつまらないじゃないですか。…と思ってしまうタイプの女なんですね私。
変なのかな~と思っていたら、敬愛する斎藤一人さんがこんなことを言っていた。


「男は愛したいんじゃなくて、愛されたいの。女の人は愛されたいんじゃなくて、愛したいの。女は『好きです』みたいに言われると途端に気持ち悪くなってきちゃって逃げるでしょ?あれは追いかけたいからなんだよ。だから、男の人は女の人が夢中でいれるように、カッコいい男でいなくちゃいけないの。奥さんが同窓会行くって言ったら、「オレのご飯どうすんだよ」なんて情けない事言わないで、「おう、楽しんでこいよ!」って送り出してあげるの。そういうところに女は惚れるんだから」

いやあ、これぞ真髄、と思うのだけど、皆さまはどうかしら?

自分自分自分……の人

さて、釜飯でお腹いっぱいになったところで、お茶行きましょうということに。この辺りで洒落ているところといえば、ほとんどなく、「大磯プリンスホテル」のラウンジがよいと聞いていたので、そこへ行きたいとリクエスト。海も見えるし、ゆったりとしたラウンジなら、妙にくどかれることもないだろうという邪念もあり笑。

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しかしなぜか道をまちがえ、西湘バイパスに乗り、小田原へ…(汗)。
「ぼく、お城や神社が好きで、小田原城来たかったんですよ~」とすごい嬉しそう。……最初からこのシナリオだったんでしょうか。
歴史に全く興味のない私は城とかどうでもよくて、コーヒーが早く飲みたかった…。Tさんは嬉しそうにお城への入場券を購入し、城見学をするはめに。

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そして急に「結婚して5年になるんです」と話し始めた。結婚する前はエッチしてたんだけど、結婚したら「そういうのが余り好きじゃない」と言われて、この5年間に4回しかエッチしてない。奥さんは家事もまるでやらないし、働いているけどお金はほとんどよこさない、僕のお金で生活している…みたいな話。
なに、つまり欲求不満で奥さんの代わりになってくれる女を探してるわけ?冗談じゃないんだけど~、全くその気ないし、萌えない…。もうほとんどどうでもいい。男の愚痴ほどカッコ悪いものはない。帰りたい。家帰りたい…。

そして私に彼はいるの?また誘ってもいいですか?とか直球で来る来る…。「年下の彼がいるし、今そういうの興味がまるでないの。茶飲み友達ならいくらでもほしいけど!」
と明るく言うと、「男の人が怖いのかな?」ってなぜか上から目線。怖いんじゃなくて興味がないの、あ・な・た・に・ね!

地元の駅まで戻る道中、手を握られたり顔を覗き込まれたり、まるで心が踊らない自分に拍手を送りながらなんとかバイバイした。

家に戻ると、映画の登場人物がよくやるように、キーをトレイに置いて、コートをだるそうにクロゼットに仕舞い、ベッドにバスッと倒れ込んだ。
テラスから見える広場で、米寿を迎えた大家さんが畑仕事をしているのが見えた。土を耕しているみたい…何してるんだろうと思って、声を掛けに行った。じゃがいもを植えるんだそうな。地下足袋を履いて、麦わら帽子をかぶっている大家さん…かわいい…。気持ちがとても和んだ。

やれやれな長い一日がやっと終わった。Tさんは結局わたしのタイプじゃなかったってことなのかな。う~ん、タイプの男は向こうから声を掛けてきたりしないので(私が落としたいから)、最初の設定からして無理だったんだな多分…笑。

そして、やっと家でコーヒーを淹れて味わうことができました。マグカップを両手で包みこみ、遠くの森を見つめているうちに、彼のことを思い出していた。そう、大好きな彼。
そもそも私には超大好きな人がいるのだ。彼は仕事人間で、いつも仕事に夢中。私のことなんかなかなか相手にしてくれない。そんなところが私の心に拍車をかけまくる。天の邪鬼だから。

「ねぇ、私やっぱりあなたが大好き」というベタベタのメッセージをわざと送った。返事はなくて既読スルーになった。…う~ん、そんなところがやっぱりとても好き。私のことを簡単に相手してチヤホヤしないでほしい。

けど、あんまりスルーされると不安になる。
「どうして無視するの、ひどい」とか、しょっちゅう送っている。
「月末の決算で忙しい。返信しない時はそれなりの理由がある。あんまりそんなことばかり言ってると、本当に無視するよ?」
という返事が来た。きゅ~~ん…。

私はこういう男の人が好きだ。
「君が好きだよ」と両手を広げたりしないような人。

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